イデオロギーの意味は?類語や対義語や英語・政治や思想での使い方も
イデオロギーの意味とは何なのでしょうか?なんらかの思想を表す言葉だということは、漠然と理解することができますが、詳しい意味となると難しいですね。類語や例文、使い方などをチェックしながら、イデオロギーの意味について、詳しくなってみましょう。
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イデオロギーの意味
イデオロギーの意味①日本語では「観念形態」
イデオロギーの意味の1つ目は、日本語に翻訳した場合、「観念形態」になるというものです。「意識形態」と表現されることもあります。観念とは、人が持つ価値観や世界観、信念といったもののことです。これらの集合体を意味するのが、イデオロギーとなります。
もとは、定義がはっきりとされていなかった言葉ですが、ドイツの思想家であるマルクスが与えた定義が代表的なものとなりました。日本にイデオロギーという言葉が入ったのも、マルクスが発表した著書が、きっかけだったとされています。
意味が分かっているようで難しい、そんな言葉は、イデオロギー以外にもたくさんあります。頻繁に耳にする、「ニュアンス」も同じですね。興味のある方は、こちらの記事に目をとおして、類語や使い方の例文なども併せてチェックしてみましょう。
イデオロギーの意味②現代では「政治や社会思想」
イデオロギーの意味の2つ目は、現代では、「政治や社会思想」という意味で使用されることが多いというものです。政治や社会のあり方はこうあるべきだ!という考えを理論的にまとめたものとなります。
例えば、人間の自由や平等、人権などを謳った「民主主義」や、自由経済を主張する「資本主義」といったものが、例として挙げられます。主に、社会を支配する側が提示するものだとされています。
イデオロギーの意味③他の分野では「思想体系や信条」
イデオロギーの意味の3つ目は、政治や社会とは別の分野では、他の意味となることです。イデオロギーは、道徳や宗教、哲学、芸術の分野でも使用されることがあります。この場合、それぞれの分野の思想体系や傾向、信条などを意味する言葉となります。とくに、宗教での使用が多いと考えられます。
イデオロギーの意味④マイナスの意味では「偏った思想」
イデオロギーの意味の3つ目は、特定方面に「偏った思想」という意味でも使用されるものだということです。平等に物事を考えるのではなく、自分の価値観や信念をものさしにして、物事を考えてしまう傾向になるためです。
人間の行動は、イデオロギーによって左右すると考えられています。例えば、「民主主義は良いものだ」という信念や思い込みを持っていると、日常的な生活や行動にも反映されることが多いのです。イデオロギーが強ければ強いほど、思想や行動に対する制約は強くなるとされています。
そのため、国家や党派、階級といった社会集団・社会的立場の中で、人の思想や行動を支配するというマイナスの意味として捉えられることがあります。
イデオロギーの語源や由来
イデオロギーの語源や由来①フランスの観念学が由来
イデオロギーの語源や由来の1つ目は、フランスの観念学が由来というものです。イデオロギーという言葉を、初めて専門的に用いたのは、フランスの哲学者アントアーヌ・ルイ・クロード・D・ド・トラシーとなります。1800年代の初めに発表した、自身の著作『観念学原理』で用いられました。
「観念(idea)の起源や本質を探求する学問(logie)」という意味で、「idéologie」という言葉が生まれたのです。この時点では、政治や社会的思想という意味とは、無関係のものでした。
イデオロギーの語源や由来②語源はギリシャ語
イデオロギーの語源や由来の2つ目は、語源をさらに遡ると、ギリシャ語に行き着くということです。フランス語の単語は、ギリシャ語の影響を多く受けています。そのため、観念を意味する「idea」は、「イデア」というギリシャ語に由来します。
学問を意味する「logie」も、もとを辿れば言語を意味する「ロゴス(logos)」というギリシャ語に行き着きます。イデオロギーは、意味が複雑ですが、語源も同じぐらい複雑なんですね。
イデオロギーの語源や由来③日本で使われるのは英語ではなくドイツ語
イデオロギーの語源や由来の2つ目は、日本で使われるのは、英語ではなくドイツ語だということです。英語での表記は「ideology」で、そのままであれば「アイデオロジー」という発音になります。
しかし、日本での発音は、英語とは異なりますね。ドイツ語の「Ideologie」から来ているためだとされています。英語ではなく、ドイツ語の発音が採用されるようになった理由は、マルクスが1800年代の中頃に執筆した著書『ドイツ・イデオロギー』が、日本でも有名となったためです。
マルクスは、こちらの著書で、階級社会におけるイデオロギーの定義を作り上げました。現在、日本でイメージされるイデオロギーの意味は、マルクスの定義の影響を受けたものとなります。英語のカタカナ語が多いなかで、ドイツ語が由来となっていたのには、こんな理由があったんですね。
イデオロギーの類語や対義語
類語①政治理論
類語の1つ目は、「政治理論」です。イデオロギーの意味は、いろいろありますが、政治についての考え方として意味が似ている言葉となっています。政治に関連する、さまざまな事柄を、筋道を立てて分かりやすくまとめたものを意味します。
イデオロギーは、一つの思想を体系的にまとめることでもあるので、筋道を立てていなければ成り立ちません。政治理論は、イデオロギーという大きな概念の中に含まれる、一つの類語だと考えられます。
類語②偏向思想
類語の2つ目は、「偏向思想」です。偏向とは、考え方が偏っていることや、その傾向があることを意味する言葉です。思想は、人の考えのことで、とくに生活や行動を支配するもののことを指します。イデオロギーも、人の生活や行動を支配するものとして、マイナスの意味を持つことがあります。
特定のイデオロギーに偏って支配されているということは、避けるべきことと考えられています。偏向思想では、偏った立場から物事を否定したり肯定したりするため、中立性を欠くことになります。避けるべき偏りという点で、類語となる言葉です。
また、偏向思想の類語として、「選民思想」という言葉もあります。具体的な意味と、特徴について知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。特徴を照らし合わせて、自分の選民意識についてチェックしてみるのも面白いかもしれませんよ。
対義語①個人主義
対義語の1つ目は、「個人主義」です。国家や社会が有する権威に対し、個人の権利と自由を尊重する考え方のことを言います。イデオロギーは、どちらかというと社会全体が同じ思想に流れる傾向にあります。マイナスの意味で、周囲に流されて偏った思想となる可能性がある言葉ですね。
個人主義は、個人の自立独行や自由意志に重きをおくという点で対義語となります。利己主義と間違えられることがありますが、相互尊重やチームワークという概念を大切にする点が異なります。自分のやりたいことを貫くにしても、周囲の迷惑を顧みないわがままなのか、相手の立場を考慮したものなのかという違いがあります。
対義語②アイデンティティ
対義語の2つ目は、「アイデンティティ」です。こちらも、社会全体というよりも、個人について触れる言葉となっています。アイデンティティは、自己に対する考え方、自分らしさを確立するものとして捉えられます。
社会全体を表すことが多いイデオロギーとは、逆となりますね。全体か自己か、考えが向かう先という点が異なるため、対義語として考えられる言葉です。
イデオロギーの使い方や例文
使い方や例文①考え方に影響を受ける
使い方や例文の1つ目は、考え方に影響を受ける「イデオロギーに染まる」というものです。「染まる」というのは、色が染み込んで抜けなくなることを指します。特定の政治や社会思想といったものに強い影響を受けて、極端な方向に走ってしまうという意味が含まれています。
同じような使い方として、「イデオロギー色が強い」のような例文も考えられます。個人の考えが染まることを、色にちなんだ言い回しができることが特徴です。
使い方や例文②政治的な対立を表す
使い方や例文の2つ目は、政治的な対立を表す、「イデオロギー対立」というものです。相反する意見のぶつかり合いが生じ、互いが妥協することなく、それぞれの主張を押し通す結果となります。とうぜん、規模が大きければ大きいほど、周囲への影響も大きくなっていきます。
代表的な例は、冷戦時代の資本主義と共産主義のぶつかり合いですね。一触即発の、きびしい対立状態にあったことから、まさに「イデオロギー対立」の見本とも言える出来事だったと言えます。この他にも、「~闘争」「~のたたかい」「~の武装」などを加えることができます。争いに関連した言い回しができることが特徴です。
使い方や例文③立場にもとづいた物の見方をする
使い方や例文の3つ目は、理念や信条といった、特定の立場にもとづいた物の見方をするという意味の「イデオロギー的」というものです。接尾辞の「~的」を加えることによって、「~のような」「~の属性の」といった意味を表現するようになります。
つまり、「このような理念から述べると~」や「このような信条から述べると~」といった意味を含むようになるのです。また「~的」には、直接表現してしまうと、強い意味を持ってしまう言葉の印象を和らげる効果もあります。思想の偏りを強調したくないときに、使用すると良い言葉ですね。
使い方や例文④どのような思想か明言する
使い方や例文の4つ目は、どのような思想か明言する言い回しとなる、「~のイデオロギー」というものです。政治や社会に限らず、さまざま種類があるため、はっきりと伝えるときに使いたい表現ですね。特定しなければ、政治にまつわるものと誤解されてしまうときにも、おすすめです。
例えば、「ファシズム~」や「プロレタリア~」のように政治や社会にまつわるものを、細かく明示することが可能です。また、「生産技術~」「自然科学~」「心理意識~」のように、仕事や学問、宗教などにまつわるものも詳しく示すことができます。
使い方や例文⑤体制の終わりを示す
使い方や例文の5つ目は、体制の終わりを示す「イデオロギーの崩壊」というものです。政治や社会の体制は、永続的なものではありませんね。必ず、終わりを迎えるときが来ます。特定の思想を持つ社会が、終わったことを告げるために使用することができます。
この他にも、「~破壊」「~の終焉」「~の埋没」など、終わりや失うことに関連する言い回しが使えることが特徴です。また、「~の危機」や「~の変革」など、変化を示唆する言葉とともに使うこともあります。
イデオロギーは使わない方向でOK
本来は、人が持つ価値観や信念といったものを意味するイデオロギーですが、現代では政治的な思想という意味合いで使用されることがほとんどです。社会人として、政治にまつわる知識を得ておくことは重要ですが、あまり熱く語ることはタブーですね。
仕事の形態がグローバル化した現代では、海外とのビジネスも盛んになりました。良い関係を築いていくことのポイントの一つは、政治にまつわる話を避けることだとも言われています。類語や使い方例文を紹介しましたが、知識だけにとどめておくほうが無難です。使わない方向で、トラブルとは無縁な毎日にしましょう。
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