エンパワーメントの意味・定義とは?福祉・看護での意味の紹介も
あなたは、エンパワーメントという言葉の意味を知っていますか?この記事では、「エンパワーメントの定義や使い方」とともに、福祉・看護での意味や事例についてもご紹介します。エンパワーメントのやり方としてどのようなアプローチがあるのか、ぜひ読んでみてください!
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
エンパワーメントの意味とは?
エンパワーメントの定義とは力を与えることや自信をつけさせること
エンパワーメントの定義とは、力を与えることや自信をつけさせることです。もともとは、人種差別や女性差別などに対抗する権利擁護運動の中で培われた概念です。社会的に劣っているというレッテルを貼られてしまうと、自分自身に対しても否定的な気持ちを抱いてしまうようになります。
しかし、本来であれば人はみんな平等であり、同じ権利を持っています。そのことを思い出させ、本来持っているはずの力を取り戻させることをエンパワーメントと呼びます。社会から抑圧を受けてきた人たちが、自分たちも一人の人間として大事にされるべきだと主張したのです。
このような歴史から、もともと持っている力を引き出すことや自信をつけさせることを指してエンパワーメントと呼ばれるようになりました。現在では、社会から抑圧されている人に限らず、経営面での能力開発や主体性を促進する意味で、ビジネスシーンでも一般的に使われています。
福祉におけるエンパワーメントの意味は自己決定や自己実現を促すこと
福祉におけるエンパワーメントの意味は、自己決定や自己実現を促すことです。福祉サービスを受ける障害者や高齢者などは、保護される立場という位置づけになりがちです。あれをやってはダメ、これをやってはダメと、がんじがらめにされることが多くあります。それによって、良くも悪くも可能性を奪われるのです。
福祉サービスを受ける立場だろうと、自分の人生の主人公は自分であり、決定権は自分になければいけません。自己決定し、決定の責任は自分で取り、自己実現する権利を認められることが、福祉におけるエンパワーメントの使い方なのだと言えるでしょう。先回りして制御されていては、判断力が低下してしまいます。
福祉サービスを提供する人は、利用者の自己決定を促し、サポートすることが求められます。施設などでは、福祉サービスを提供しやすいように利用者の生活を制限することが多くありますが、エンパワーメントの観点から見るとあまり良いことではありません。人材不足との兼ね合いもありますが、意思の尊重が大切です。
看護におけるエンパワーメントの意味は病気があっても自分らしく生きること
看護におけるエンパワーメントの意味は、病気があっても自分らしく生きることです。病気があろうとなかろうと、その人の人格には何も影響がないのですが、福祉と同じように守られる立場になりがちです。看護においては、できないことばかりに意識が向けられる傾向にあります。
そうではなく、できることに目を向けて、「病気があっても自分らしく生きていいのだ」ということに気づいてもらう手助けをするのが、看護におけるエンパワーメントの使い方だと言えます。看護の立場から指導したくなる気持ちはわかりますが、アドバイス程度にとどめ、あくまでも決定は本人にさせるよう促しましょう。
余命宣告をされても、自分のやりたいことを貫き通した人の話が美談として語られることがあります。しかし、やりたいことを貫き通す力は誰にでもあるものであり、特別なものではありません。自分にもそういう力が備わっているのだと、自分自身を信じてあげられるかどうかの違いでしかないのです。
エンパワーメントによってストレングスが見つかることもある
エンパワーメントによって、ストレングスが見つかることもあります。ストレングスとは、強みのことです。エンパワーメントによって、もともと持っていた力が引き出され、ストレングスが見つかることもあります。逆に、ストレングスをきっかけとして、エンパワーメントへ持っていく方法もあります。
会社を経営する立場でエンパワーメントを考えるならば、従業員のストレングスを見つけることから始めると良いでしょう。コミュニケーション能力が高いというストレングスを持っている人には営業を任せるといった、適材適所の配置をする時にストレングスの把握が役に立ちます。
また、ある程度自由に采配できる権限を与えてエンパワーメントしていくうちに、新たなストレングスが見つかることもあります。そういった場合には、より適した部署に配置転換するなど、柔軟な対応が求められます。従業員に多くの権限を与えることは、トラブルと隣り合わせです。経営者の器が問われるでしょう。
エンパワーメントの事例は?
エンパワーメントの事例①星野リゾートの例
エンパワーメントの事例1つ目は、星野リゾートの例です。星野リゾートの代表は、「社員の力で最高のチームをつくる1分間エンパワーメント」という本を監訳しています。先代から事業を引き継いだ時に、この本の理論に基づいて組織改革を行い、従業員一人一人を信じる方針に転換しました。
星野リゾートが大躍進を遂げたのは、従業員に主体性を発揮する場面を与えたことによると言えます。下記の関連記事には、主体性の意味や自主性との違い、主体的な行動力を持つにはどうすれば良いのかについて書いてあります。こちらもあわせて読んでみてくださいね!
エンパワーメントの事例②ザ・リッツ・カールトンの例
エンパワーメントの事例2つ目は、ザ・リッツ・カールトンの例です。ザ・リッツ・カールトンは、世界規模でチェーン展開されているホテルです。このホテルでは、お客様の要望に応えるために、従業員1人あたり1日に2000米ドルの経費を使うことが許されています。従業員への信頼がある証拠ですね。
エンパワーメントのやり方は?
エンパワーメントのやり方①構造的アプローチ
エンパワーメントのやり方1つ目は、構造的アプローチです。構造的なアプローチでは、権限委譲がエンパワーメントの主な要素となっています。つまり、上の立場の人から下の立場の人に対して、権限を委譲するのです。会社の意思決定に従業員も参加する、という方法もあります。
責任の所在を重要視する日本のビジネスシーンでは、なかなか大きな権限を委譲することができません。そのような場合には、会社の大きな意思決定に従業員の意見を反映することによって、エンパワーメントの材料とすることができるでしょう。自分の意見が会社に反映されることは、嬉しいことですよね。
エンパワーメントのやり方②心理的アプローチ
エンパワーメントのやり方2つ目は、心理的アプローチです。心理的アプローチでは、自己肯定感を高めて自分に自信をつけること、やりがいを見い出すこと、自分の仕事について自分で決定しているという実感を持つことなどを重要視しています。権限のあるなしに関わらず、実行することのできるアプローチです。
モチベーションという言葉はよく使われますが、この心理的アプローチで重要視されているのはモチベーションアップだということです。やらされている感がなく、会社にも良い影響を与えられていると実感することにより、やりがいを見い出している状態を、エンパワーメントされた状態と呼びます。
エンパワーメントの使い方がうまくいかないとトラブルを招く
エンパワーメントの使い方がうまくいかないと、トラブルを招く危険性があります。権限委譲された人が、エンパワーメントの意味を知らずに「好き勝手にやっていいのだ」と捉えてしまうと、トラブルにつながります。権限委譲には責任が伴うことを、しっかりと周知しなければなりません。
また、重い責任を負わされることに抵抗があるタイプの人もいます。権限委譲が従業員のストレスになっていないかどうか、定期的にチェックする必要があります。日本では、役職が上にならないと大きな権限を委譲されることがないので、立場が変わらないまま重い責任を負わされることに戸惑う人が多いと言えます。
下記の関連記事には、仕事のやる気のない人の特徴や働かない心理について書いてあります。やる気を出させる方法のところに載っているのは、まさにエンパワーメントの使い方だと言えるでしょう。こちらもあわせて、ぜひ読んでみてくださいね!
エンパワーメントをうまく使ってモチベーションを上げよう!
今回は、エンパワーメントの定義や福祉・看護におけるエンパワーメントの意味や使い方、エンパワーメントの事例ややり方について見てきました。エンパワーメントのやり方としては、構造的アプローチと心理的アプローチがあるとおわかりいただけたのではないでしょうか。
「どうせやっても無駄だ」と最初から諦めてしまうのは、自分の可能性を自分自身が低く見積もっているからです。エンパワーメントによって、「やればできる」という思いを強く抱けるようになれば、自己肯定感が高まり、諦めずに粘り強く取り組むことができます。自信をつけてモチベーションを上げましょう!
商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。