いずれかといづれかはどちらが正しい?意味や使い方・類語・例文も

どちらかという意味を示す「いずれか」と「いづれか」という言葉を目にしたとき、あなたはどちらが正解かわかりますか?今回は、混乱しやすい日本語の1つ、「いずれか」と「いづれか」の正しい使い方や意味、類語を解説します。さらに、応用して使える例文についても紹介いたします。

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いずれかといづれかどちらが正しい?

いずれかといづれかの正しい使い方は「いずれか」である

理解できた人達

「いずれか」と「いづれか」は、声に出してみると同じ言葉の日本語に聞こえますが、文字にしてみるとちがった表現になる日本語の言葉です。文字にしたときには、どちらが正しい使い方なのかと言うと、「いづれか」ではなく、ズバリ前者の「いずれか」が正しいと言えます。

日本語の中には他にも、「おのずと」や、「みずから」のように、「ず」と「づ」がどっちなんだろう?と頭を悩ませる言葉がとにかく多いものですが、「いずれか」の場合は「ず」を使うのが正解です。ちなみに、「いずれ」と言う言葉もまた「ず」を使うのが正解です。

「いずれ」と「いずれか」は、一見同じような日本語の言葉ではありますが、「いずれ」には「いずれか」とは違った使い方や意味を持つ場合もあるため、併せて意味を理解しておくことがおすすめです。次の記事では、そんな「いずれ」と「いづれ」の違いについて紹介しています。ぜひ併せてチェックしてみましょう。

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日本語の歴史的仮名遣いなら「いづれか」も間違いではない

日本の昔を想起させる風景

日本語は、歴史とともに使われ方も変化してきました。現在日本で使われているのは、現代的仮名遣いという日本語で、「いずれか」と言う言葉の歴史的仮名遣いがまさに、「いづれか」であるのです。そのため、古語などの学習の時間に使う「いづれか」という日本語の言葉は、もちろん不正解には該当しません。

また、俳句を趣味にしていらっしゃる方もまた、「いづれか」を使っても間違いではありません。むしろ、俳句などで使う「いづれか」は、句に趣を演出することもあるので、「いずれか」とはまた違った雰囲気、ニュアンスを俳句の中に盛り込むことができる、おすすめの日本語であると言えます。

いずれかの意味とは?

いずれかとは選択肢の提示を意味する言葉

服を選ぶ人

「いずれか」と言う言葉を変換するとすれば、「どれか」にあたります。「どれか」は、「いずれか」の意味であり、類語となる言葉です。「どれか」に含まれる「どれ」と言う言葉は、こそあど言葉と言われる不定称の指示代名詞で、指定された中から選択することを意味し、「いずれか」もまた基本的には同様の意味となります。


さらに、「いずれか」と言う言葉は、この1語だけでは成り立たない言葉でもあるため、「いずれか」と言う言葉が成立するためには、指定された複数の選択肢が必要となります。「いずれか」はその中から1つ選ぶことを意味している言葉でもあります。

いずれかとは基本的に1つのことを選ぶことを意味する言葉

考えている人

「いずれか」と言う言葉が文章の中に漠然とあった場合、選択肢から選択する答えは1つであるのが基本です。3つ以上存在する選択肢のなかから、2つを選ぶ場合には、大抵の場合が選択肢の中に選択する数の指定があるのが当たり前です。

例えば、「A・B・Cのいずれかからお選びください」という文章では、選択する数に指定はなくても、1つだけを選ぶのが基本ですので、答えは、AまたはB、もしくはCの1つを選ぶことになります。しかし「A・B・Cのいずれかから2つをお選びください」とあれば、この3つの中から2つを選ばなければならないのです。

いずれかの使い方とは?

いずれかの使い方①複数からの選択を促す場合

プレゼンを行う人

「いずれか」の使い方の1つ目は、複数からの選択を促す場合です。例えば、「A・Bいずれかをお選びいただけます」のように1文で2つ以上のものから選択できるものもあれば、下記欄を設けたうえで「いずれかからお選びください」のように、2文以上で「いずれか」を使えるパターンもあります。

これは、複数つまり2つ以上の選択肢の中から答えを選択させたい場合に、「いずれか」と言う言葉を使って文章を作ることが可能です。しかし、選択肢が1つしかない場合には、選択の余地がありませんのでそもそも「いずれか」は使用することができません。

いずれかの使い方②疑問文を示す場合

疑問が浮かんだ人

「いずれか」の使い方の2つ目は、疑問文を示す場合です。これを具体的に例えると、「A・B・Cの中で該当するのはいずれか?」のように、「どれか」を「いずれか」という言葉に置き換えた疑問文のようにして使用することができます。

このように、「いずれか」と言う言葉は疑問文においても使用することができる言葉ではありますが、基本的には疑問文の中では「いずれか」と言う言葉を使うよりも、ニュアンス的に「どれか」と言う言葉を使った方が率直に疑問をぶつけることができるでしょう。


いずれかの類語は?

いずれかの類語①どちらか

ショッピングをする人

「いずれか」の類語の1つ目は、「どちらか」です。わかりやすく例文にしてみると、「AとBのいずれかから選べる」という文章と、類語の「どちらか」を使った「AとBのどちらかから選べる」は全く同じ意味の文章であり、どちらを使っても遜色なく使用することができます。

つまり、「どちらか」は「いずれか」の類語であり、意味であると判断することができます。ちなみに、「どちらか」に使われている「どちら」と言う言葉は、別の意味として方角を表す言葉としてとらえることができるため、敢えて使い分けたい人は、方角を指す際に「どちらか」を使いわけるといった方法が可能です。

いずれかの類語②どれか

疑問の思う人たち

「いずれか」の類語の2つ目は「どれか」です。意味の項目でも説明した通り、「どれか」もまた「いずれか」の類語であり、意味を持つ言葉です。そのため、「AかBいずれかから選べる」と「AかBどれかから選べる」もまた同様にして使うことが可能です。

ちなみに、「いずれか」と言う言葉に比べ、「どれか」と言う言葉は割とフランクに使えるというといった面を持っています。「いずれか」と言う言葉はニュアンス的にかしこまったとか、格式ばったというイメージも強いため、ビジネス文章では最適ですが、会話文としては堅苦しさを感じさせることがあります。

いずれかの類語③なにか

首をかしげる人

「いずれか」の類語の3つ目は、「なにか」です。「いずれか」と言う言葉を漢字に直すと、実は「何か(いずれか)」となります。つまり、「いずれか」と「なにか」は切っても切れない関係にある言葉であり、似たような意味を持つ言葉だと判断することができるのです。

しかし、「なにか」の場合は、「いずれか」や他の類語である「どちらか」や「どれか」に比べ、選択肢にとらわれずに使用できるという特徴を持っています。そのため、選択肢のない文章においても、「なにか」を使えば自ずと答えの提示を求めていることになります。

いずれかを使った例文5選


いずれかを使った例文①好きな味をこの中からいずれか1つお選び下さい

アイスクリーム

「いずれか」を使った例文の1つ目は、「好きな味をこの中からいずれか1つお選びください」です。もしこの例文が、画像のような美味しいそうなアイスを指し示しているとしたら、この例文の前後には、「ミルク、バニラ、チョコ、ストロベリー」といったような、具体的な味に関する選択肢が存在します。

「好きな味をこの中からいずれか1つお選びください」では、選択する項目は1つであると指定しているため、1つだけ選ぶことになりますが、仮に「好きな味をこの中からいずれかからお選びください」であったとしても、基本的に1つのことを選ぶことを意味しますので、1つだけを選ぶことになります。

ただし、この例文が「好きな味をこの中からいずれか2つお選びください」のように、複数の選択が可能であると提示されている場合には、提示された数だけ選ぶことができます。そのため、選択式を設けているお店でも、応用して使える例文だと言えます。

いずれかを使った例文②面接はいずれかの日にちで対応いたします

カレンダー

「いずれか」を使った例文の2つ目は、「面接はいずれかの日にちで対応いたします」です。この例文でもまた、前後には日にちの指定が存在します。そして、この日にちの該当日であれば、面接に対応してもらえるという意図を含んだ例文です。

アルバイトや就職など求人先から、面接のお知らせ文書としてよく目にする機会の多い例文です。面接という単語を変えれば、ビジネス上でも様々な企画・イベント・行事に使用することのできる応用の幅の広い例文です。

ちなみに、ビジネス上でこの例文を使いたい場合は、下記を設けそこに対応日時欄を作り、指定の日にちを羅列していくと、より相手に伝わるわかりやすい文書を作成することができます。また、指定する日にちが少ない場合は、「面接は〇月〇日または〇月〇日のいずれかの日にちで対応いたします」のようにしてもOKです。

いずれかを使った例文③いずれか1つでも当てはまれば採用いたします

面接官

「いずれか」を使った例文の3つ目は、「いずれか1つでも当てはまれば採用いたします」です。特殊技能など、その会社にとって欲しい能力や資格を持った人材をリクルートする際に、求人先が提示するよくある文章の1つでもあります。

この例文もまた、例文の前後には会社が欲しい能力や、資格の一覧や提示が存在し、それに該当する人は採用が約束されていることを意図する例文となっています。当てはまる人が、いささか羨ましい例文ではありますが、逆を言えば当てはまらなければ採用される見込みがないということです。

深読みすると、「いずれか1つでも当てはまれば採用いたします」という例文が求人票にあるということは、指定している能力や資格がない人は、採用しかねるというけん制でもあるのです。就職シーズンは、こういう文言を求人票でよく目にすることもありますが、意図をはっきり読み取ることが大切です。

いずれかを使った例文④いずれか一方でも症状がある時はすぐに来院ください

電子カルテ

「いずれか」を使った例文の4つ目は、いずれか一方でも症状がある時はすぐに来院ください」です。病院からの指示を連想させる例文ですが、この症状があるということは深刻な対応が必要であるということが伺えます。この例文では、1つという表現ではなく一方という表現を使用しています。

一方という表現は、「AかB」や「AまたはB」、さらには「AもしくはB」のように指定項目が2つ存在する場合に用いられ言葉です。そのため、この例文の前後には2つの指定される症状があることがあらかじめわかります。

例えばこの例文の前文には「〇〇という薬には、副作用としてめまいや発熱の症状が起こる場合があります」と表記があるとします。この場合、「いずれか一方でも症状がある時はすぐにご来院ください」のいずれかに該当するのは、めまいと発熱となります。

いずれかを使った例文⑤ログインできない時はいずれかの方法をお試し下さい

パソコンを開く人

いずれかを使った例文の5つ目は、「ログインできない時はいずれかの方法をお試し下さい」です。SNSやブログなど、ログインをする機会も多いものですが、パスワードやIDがわからずにログインできない時の対処法としてよく目にする例文です。

この例文もまた指定項目が存在し、ログインできないときの対処法がいくつか紹介されていることが想像できます。よくあるパターンなら、メールアドレスの確認や生年月日の確認、さらには画像認証といったログインができないときの対処法の指定項目が存在します。

この場合のいずれかは、1つのことを表してはいますが、絶対に1つの項目だけを試さなければならないというわけではありません。制限がない限り、1つ試してみてできない場合は次の方法を試すことができます。1度に2つを選んで試すことはできませんが、1つずつ試すことができる場合でもいずれかの使用は有効です。

いずれかが正しく使えるようになろう!

言葉をきちんと理解している人

「いずれか」と言う言葉は、普段何気なく見聞きしたり、使ったりしている言葉です。しかし、あらためて意味や、使い方、類語について考えてみた時、あれ?と疑問に思うことの多い言葉です。とくに、「いづれか」との使い分けについては、指摘されるまで誤って使っていた人も多いことでしょう。

ビジネスの場では、文書やメールが必須になることもあるため、使う機会も増えます。きちんとした使い方、意味を理解していれば必ず役に立つことがあります。今まで何気なく、「いずれか」と言う言葉を使っていたという人は今一度、使い方や意味を再確認し、正しい使い方ができるように見直しましょう!


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