一身上の都合とは?職務経歴書や転職届けの書き方4選も
一身上の都合とは職務経歴書や転職届け(退職届)に対して記載する退職理由の一つになり、基本的に就職や転職時にしか使わない独特の表現になります。ここではその意味を改めて確認し、状況ごとの書き方や一身上の都合を使う際の注意点も紹介していきます。
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目次
一身上の都合の意味は?
一身上の都合とは転職届け(退職届)に記載する個人的な事柄を意味する
一身上の都合とは転職届け(退職届)に記載する個人的な事柄を意味します。「一身上の都合にて退職」という表記は職務経歴書や履歴書でよく見かける言葉です。新卒の就職活動であればそのような表記はないのですが、転職を重ねるほどにそのような表記が増えていきます。
一身上の都合は転職届け(退職届)を出す際に退職理由の明記回避を意味する
一身上の都合は転職届け(退職届)を出す際に退職理由の明記回避を意味します。基本的に詳細の事情は開示しません、という意図を意味する言葉になりますので、口頭で何故かを質問しても、本当の理由は返ってこないことがほとんどです。また、言える理由でもあえてこのような書き方をする場合も多くなっています。
そのため、基本的に履歴書や職務経歴書に退職理由を示す場合は、一身上の都合と、一身上の都合ではない理由に二分されると言っても過言ではありません。一身上の都合という言葉の意味をしっかり把握しておく必要はないのですが、その使い方や使ってはいけない場面はしっかりと把握しておく必要があります。
一身上の都合を使っていい場合5選
一身上の都合を使っていい場合①職務経歴書に書く退職理由
一身上の都合を使っていい場合の1つ目は、職務経歴書に書く退職理由です。職務経歴書に対して退職理由を書く場合、例えば「やりたいことが変わった」「ステップアップを目指して」などと書かずに、問題のない退職についてはすべて一身上の都合と書きます。
一身上の都合を使っていい場合②円満退職の場合
一身上の都合を使っていい場合の2つ目は、円満退職の場合です。円満退職の場合に職務経歴書や履歴書に書くのは基本的に「一身上の都合」です。例えば病気になったとしても、次の就職に不利になる場合にはあえて退職理由には書かず、特記事項に書いたり面接で口頭で直接やんわり伝えるのがベターと言えます。
一身上の都合を使っていい場合③個人的な理由で退職届を出す場合
一身上の都合を使っていい場合の3つ目は、個人的な理由で退職届を出す場合です。例えばその会社の雰囲気が合わなかったり、人間関係がうまくいかなかったりと様々な退職理由があるかと思いますが、そのような細かい事情は書かなくても大丈夫です。
一身上の都合を使っていい場合④諭旨免職の場合
一身上の都合を使っていい場合の4つ目は、諭旨免職の場合です。諭旨免職とは、懲戒免職の一歩手前で会社に対して何か大きな迷惑をかけた場合に、再就職等に不利になる懲戒免職にはしないが自分から退職してくださいとやんわり伝える退職の形式です。従業員に責任のある退職ですが、理由は一身上の都合と書けます。
一身上の都合を使っていい場合⑤雇用保険受給においてイレギュラーなき場合
一身上の都合を使っていい場合の5つ目は、雇用保険受給においてイレギュラーなき場合です。基本的に雇用保険において一般受給者として申請する予定である場合は、退職理由が重要な部分にはならないので一身上の都合と書いて差支えはありません。
一身上の都合を使ってはいけない場合5選
一身上の都合を使ってはいけない場合①会社都合での退職の場合
一身上の都合を使ってはいけない場合の1つ目は、会社都合での退職の場合です。会社都合の退職なのに、転職届け(退職届)等に一身上の都合と書くと、手続き上不利になることが多くなります。そのため、会社都合の場合ははっきりと会社都合と書き、一身上の都合と記載してはいけません。
一身上の都合を使ってはいけない場合②病気や怪我が理由の退職の場合
一身上の都合を使ってはいけない場合の2つ目は、病気や怪我が理由の退職の場合です。雇用保険において診断書を出せば特定受給資格者として、失業保険を有利に受給できる場合がありますが、一身上の都合と記載して退職すると、受給できない場合がありますので、この場合も一身上の都合以外の理由を明記する必要があります。
一身上の都合を使ってはいけない場合③業務上の事故を理由に退職する場合
一身上の都合を使ってはいけない場合の3つ目は、業務上の事故を理由に退職する場合です。労災保険の対象になるような事故であれば、会社都合として認められるのですが、そうではない事故や会社側の瑕疵を理由に退職する場合には揉めるケースもあり、そこに一身上の都合と記載があると不利になる場合があります。
一身上の都合を使ってはいけない場合④懲戒解雇の場合
一身上の都合を使ってはいけない場合の4つ目は、懲戒解雇の場合です。懲戒解雇は会社からのクビ宣告を意味しています。そのため転職届け(退職届)にはその旨を明記する必要があり、一身上の都合と書くことはできません。もしも転職がうまくいっても退職理由の隠蔽がバレた場合には、それが解雇理由になることもあります。
一身上の都合を使ってはいけない場合⑤雇用保険受給でイレギュラーがある
一身上の都合を使ってはいけない場合の5つ目は、雇用保険受給でイレギュラーがある場合です。基本的に懲戒解雇以外の場合においては、一身上の都合と書くよりも他の理由を書いた方が退職時に有利になります。そのため会社都合や病気、またはその他自己都合以外の退職はその退職理由を明記するのがベターと言えます。
一身上の都合の書き方は?
一身上の都合の書き方①退職届に退職理由として記載する場合
一身上の都合の書き方の1つ目は、退職届に退職理由として記載する場合です。退職届に記載する場合には「一身上の都合で退職いたします」と文章の一部に記入します。退職届はテンプレートがありますので、それに沿って退職日や申し出日等、不備なく提出すればOKです。
一身上の都合の書き方②職務経歴書に退職理由として記載する場合
一身上の都合の書き方の2つ目は職務経歴書に退職理由として記載する場合です。職務経歴書には自分自身が経験してきたいくつかの職歴を記載することになりますが、その場合には「一身上の都合で退職」と書きます。書き方としては体言止めで問題なく、文章の箇所に退職理由を挿入する場合には退職届と同じ書き方になります。
一身上の都合の書き方例文4選
一身上の都合の書き方例文①職務経歴書への記載例
一身上の都合の書き方例文の1つ目は、職務経歴書への記載例を紹介します。職務経歴書への記載については「平成××年××月株式会社××××を一身上の都合で退職」といった形で記載します。年月日を記載する欄が別にある場合には年月日はそちらに記入します。
一身上の都合の書き方例文②退職届への記載例
一身上の都合の書き方例文の2つ目は、退職届への記載例を紹介します。退職届(転職届け)に記載する場合には「令和××年×月××日を持ちまして一身上の都合にて退職いたします。最終勤務日は追ってご相談いたします」といった形で記入します。
有給休暇の消化が可能であれば、最終勤務日と退職日がずれるためこのような書き方になります。特にそういった部分をとぼけるような上司である場合には絶対に明記すべきでしょう。
一身上の都合の書き方例文③退職理由を説明する場合の例文
一身上の都合の書き方例文の3つ目は、退職理由を説明する場合の例文を紹介します。「家族の介護が業務の負担となり、一度介護に専念したく退職を希望いたします。ご迷惑をおかけしますが令和×年×月末日を持ちまして一身上の都合にて退職いたします」といった形で記載することもできます。
あえて退職理由を説明する必要がないことが多いのですが、職場との関係性がしっかり取れていればこのように理由を添えた方が相手も安心しますし、退職後も良好な関係を築けることにも繋がります。
一身上の都合の書き方例文④履歴書への記載例
一身上の都合の書き方例文の4つ目は、履歴書への記載例を紹介します。履歴書についても職務経歴書への記載と同じく「平成××年×月株式会社××を一身上の都合で退職」と記載します。ただし、退職理由については履歴書と職務経歴書両方を提出する場合には、職務経歴書は理由を添えずに「退職」とだけ書く場合もあります。
ちなみに履歴書については職務経歴書以上に形式に添って記入することが重要になります。下記の関連記事は履歴書で多く使われる「貴社規定に従います」という表記について詳細に説明しているおすすめの内容です。こちらもチェックしておくと、転職活動を有利に運ぶことができるでしょう。
一身上の都合を使う時の注意点は?
一身上の都合を使う時の注意点①職務経歴書に記載する場合はよく考える
一身上の都合を使う時の注意点の1つ目は、職務経歴書に記載する場合はよく考えることです。職務経歴書に一身上の都合で退職と書く場合、特に転職回数が多い場合には理由を突っ込まれる可能性が高くなります。そのため、そのような懸念がある場合には文章に退職の理由や自身の考えを添えた方がいい場合もあります。
一身上の都合を使う時の注意点②退職理由が会社に起因する場合は使わない
一身上の都合を使う時の注意点の2つ目は、退職理由が会社に起因する場合は使わないことです。先述している通り、自分の都合ではなく会社の都合で退職する場合、転職届け(退職届)に一身上の都合と記入すると転職や失業保険の受給において不利になる場合があるので、状況ごとに一身上の都合と書いていいか確認しましょう。
一身上の都合を使う時の注意点③テンプレートに添って使う
一身上の都合を使う時の注意点の3つ目は、テンプレートに添って使うことです。一身上の都合と記入する場合には先に例文を紹介していますが、あまり捻らずに例文やテンプレート通りに書いた方がベターです。特に転職の場合に形式に添っていないと、相手方の評価がマイナスになる場合があります。
一身上の都合という言葉を上手く使いこなそう!
一身上の都合という言葉は使い方を間違えると、失業の際や転職の際に不利になる場合もあります。そして一身上の都合という言葉を使いこなせれば転職や退職を有利に進められる状況もあり得ます。退職が頭にない人も、ここで紹介されていることはしっかり覚えておくとゆくゆく役立つ日がくることでしょう。
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