堪能の意味とは?使い方や例文5選!類語や英語表現は?満喫/知識

仕事や日常でよく使われる「堪能」という言葉を、なんとなく使っていませんか?堪能の読み方は「たんのう/かんのう」2種類あることと、その違いはご存知ですか?こちらの記事では、「堪能」の意味や違い、使い方を解説します。例文や類語、英語表現もあわせてご紹介しますのでご覧ください。

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堪能の意味は?

堪能①「たんのう」と読む場合は満足するという意味

堪能できるお寿司

読み方が「たんのう」の場合は、気が済む・納得する・十分に満足するという意味です。日常的に使われるのはこちらの読み方が多いですが、実は「たんのう」は後付けされた読み方と意味なのです。

元々、足りるという言葉から来ている、足りて満足したという意味の「足(た)んぬ」という言葉がありました。この言葉からの当て字として「たんのう」という読み方と意味が後付けされました。

当て字とは、漢字の意味を無視して、読みだけを見て字を当てはめることです。例として「珈琲(コーヒー)」「出鱈目(でたらめ)」などがあります。しかし「堪能」の場合、「かんのう」という読み方まで無視してしまっています。これは「堪」を「たん」と読むのだという勘違いが原因で、今に至るのです。

堪能②「かんのう」と読む場合はすぐれているという意味

堪能すぐれている

読み方が「かんのう」の場合は、技術や芸事・学問などにすぐれている、長けていることです。こちらの読み方は、案外知られていませんが、本来の「堪能」の読み方と意味はこちらなのです。

しかし、「たんのう」に当て字をされてからは、こちらの意味で使う時も「たんのう」と読む認識が広まりました。「英語がたんのうだ」と言っても間違いではありません。しかし「綺麗な景色ををかんのうする」など逆に読むことはありませんので、気を付けましょう。

元々は「かんのう」と読むものが、何故「たんのう」として広まっていったのかは、こちらのサイトでわかりやすく説明されています。背景の文化にも触れられており、読み方と意味の理解が深まりますので、まめ知識として是非ご一読ください。

ジャパンナレッジ 日本語、どうでしょう?

堪能の使い方は?

「堪能する」とはプラスに満たされていること

家族で食事を堪能

堪能する・したを使う時は、楽しんだ時・満足して嬉しい時です。例えば「手料理を堪能した」は「手料理を満喫した」と言い換えることができるように、感情がプラス方向に満たされている時に使います。使っていい場面か悩んだら、「満喫した」に置き換えてみましょう。


例えば「空腹感を堪能した」は間違いです。嫌なことには使いませんので、注意しましょう。「あなたのおかげでイライラを堪能できた」と言ってしまうと、物凄い嫌味になってしまいます。

「堪能である」とは技術を褒めている意味も含めている

英語が堪能です

堪能だ・ですねを使う時は、上手よりもスキルが必要な事柄や、能力が秀でている時です。そのため、褒めている意味も含まれています。相手に「お上手ですね」と言うよりも「ご堪能でいらっしゃいますね」の方が、ワンランク上の褒め方です。

日本人の感性として「私は英語が堪能です」と言うのは、あまり好まれません。「私は能力が秀でていましてね」と言っていることになるからです。日本語の使い方としては、自分に使っても問題ありませんが、違和感を感じる人が多い使い方だということを、覚えておきましょう。

堪能をかんのうと読んではいけない時|楽しんでいる時

楽しんでいる時はたんのう

元々の堪能(かんのう)に当て字されたものが広まって、たんのうと読むようになったことは、先にご説明したとおりです。「英語がたんのうだ」と言っても間違いではありませんし、現在ではそちらの意味でもたんのうと読むことがほとんどです。

しかし「綺麗な景色ををかんのうする」など、満足・楽しい意味で使う堪能をかんのうと読むことはありませんので、気を付けましょう。

堪能の使い方例文5選

堪能の使い方と例文①綺麗な景色を堪能した

綺麗な景色を堪能

堪能の例文1つ目は「綺麗な景色を堪能した」です。「自分の気が済むまで、十分に満足して楽しんだ」という意味で使っています。「ゆっくりと休日を堪能した」「クラシックのコンサートを堪能した」など、楽しいことの感想に幅広く使えます。

強調したい時は、「心ゆくまで(めいっぱい、思う存分)」をあわせると良いでしょう。「美味しい料理を心ゆくまで堪能した」となります。「すごい堪能した」「めっちゃ堪能した」というよりも、綺麗な言い回しになります。

堪能の使い方と例文②自慢の料理をぜひご堪能ください


ご堪能ください

堪能の例文2つ目は「自慢の料理をぜひご堪能ください」です。十分満足して楽しむ意味の堪能を、相手に勧める時に使う例文です。お店などで使われることが多いですね。

後述する同義語「満喫」よりもスマートな言い回しができます。お客様や目上の方に何かを楽しんで欲しい、お勧めしたい時などに、覚えておくと便利です。

堪能の使い方と例文③おいしい料理を心ゆくまで堪能しました

料理を堪能

堪能の例文3つ目は「おいしい料理を心ゆくまで堪能しました」です。「堪能する」を丁寧な言い方にする場合「しました」「しています」などの丁寧語で言います。例えばお店の方に、満足した・楽しんだと伝えたい時は「おいしい料理を心ゆくまで堪能しました」と言えばOKです。

目上の方がセッティングした旅行や食事会などを「楽しめたかい?」などと聞かれた場合は、あえて自分がへりくだる表現「謙譲語」の登場です。「堪能いたしました」と伝えましょう。

堪能の使い方と例文④彼は書画に堪能である

堪能は詳しいこと

堪能の例文4つ目は「彼は書画に堪能である」です。その道に深く通じているという意味の例文です。ただ「詳しい」というよりも、詳しくなるために勉強した、スキルを磨いたことに対して、敬意を払っている言い回しです。「このことについて知識が豊富で、十分に理解することができる」と説明したい時に使うことができます。

堪能の使い方と例文⑤スペイン語がご堪能でいらっしゃいますね

ご堪能ですね

堪能の例文5つ目は「スペイン語がご堪能でいらっしゃいますね」です。こちらは、相手を褒めたい時の例文になります。その技術を習得するまでの努力に、敬意を払いながら褒めていることになるからです。目上の方に「すごいですね」と伝えたいけど、どう言えばいいかわからない時に、是非使ってみてください。

技術や学問に長けているという意味の堪能を、相手に対して使う時の例文です。こちらの方が「お上手ですね」と褒めるよりも喜ばれます。

堪能の反対語は?


堪能(たんのう)の反対語は渇望

堪能反対語渇望

堪能(たんのう)の反対語にあたるのは「渇望(かつぼう)」です。漢字にある通り、喉が渇いた時に水を欲するように、心から望むこと、という意味です。切望、熱望が類語になります。ただ望んでいるだけではなく、強く・心の底からという意味を含んでいるところがポイントです。

渇望の例文として「寝不足により睡眠を渇望する」「優秀な人材を渇望する」や「戦争の終結を渇望する」という使い方ができます。普段ではあまり使わない、少々固い言い回しになります。「めっちゃ欲しい」「ないと困る」という状況を、目上の方に訴えたい時に使えますね。

堪能(かんのう)の反対語は不堪

堪能反対語不堪

堪能(かんのう)の反対語にあたるのは、「不堪(ふかん)」です。こちらの堪は「たん」とは読みませんので注意してください。意味は、芸妓の心得がない・未熟なことや、ふとどきである、貧乏である、と様々です。しかし、現在ではあまり使われていない言葉です。

不堪の例文として慶事の際、「ご同慶に不堪候」と使う場合があります。この場合は「堪える」を「不」で打ち消して「共によろこぶことをこらえられない」という意味になり、現在は「ご同慶の至り」と表現するのが主流です。「堪能である」の反対語としての「不堪」は、現在は滅多に使われない、と覚えておきましょう。

堪能の類語は?

堪能(たんのう)の類語は満喫

堪能楽しむ

堪能(たんのう)の類語「満喫(まんきつ)」は、十分に楽しむ・存分に飲み食いして味わう、という意味です。例文として「好きなバンドのライブを満喫した」「秋の味覚を満喫した」「休日を満喫した」と使うことができます。堪能とほぼ同じ意味・同じ使い方です。

類語ではありませんが、漫画喫茶を略して「漫喫」といいますね。「満喫」と誤変換しやすい単語です。一度変換してしまうと、変換候補の順番が入れ替わって、間違えやすくなってしまいます。変換の際は、しっかり確認しましょう。

堪能(かんのう)の類語は上手・知識豊富

堪能上手褒める

堪能(かんのう)の類語の「上手(じょうず)」は、技術がすぐれている・巧みという意味です。「料理上手だね」「字が上手だね」などと日常的に良く使いますね。手際が良い・お世辞という意味もありますが、そちらは堪能の類語としては使いません。「技量を評価している」と場合の使い方が、堪能と同じです。

「堪能である」の類語として「知識が豊富」があります。「絵画の知識が豊富ですね」などの使い方をします。堪能になるためには知識や練習などの努力が必要、と理解しておけば、言い換えがスムーズにできるでしょう。

堪能の英語表現は?

堪能(たんのう)の英語表現①gusto・enjoy

堪能エンジョイ

堪能(たんのう)の英語表現は「gusto(賞味、楽しみ・歓び)」「enjoy(楽しむ)」です。例文は「I ate the lunch with gusto.(ランチを堪能した)」「Enjoy your meal.(ご賞味ください)」などがあります。

とても満足するという意味の「be satisfied with」を使うこともできます。「I was satisfied with the dinner.(ディナーを堪能した)」

堪能(かんのう)の英語表現②good-command-of

堪能褒める英語

堪能(かんのう)の英語表現は「good command of(~が堪能だ)」です。「She have a good command of English.(彼女は英語が堪能だ)」のように使用します。

「skilful(上手・巧み・熟練)」という単語もあり、「He is a skilful pianist.(彼は巧みなピアニストだ、彼はピアノが堪能だ)」のように使えます。

堪能を使いこなそう!

なんとなく使っていた「堪能」という言葉、理解は深まりましたでしょうか?正しく使っていくために、由来も覚えておくと間違えにくくなるでしょう。

仕事ではもちろん、SNSなどで「連休を心ゆくまで堪能中!」「話題のスイーツを堪能してきました!」や、「連勤つらい。休みを渇望します」など、積極的に使ってみてはいかがでしょうか。

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