朝令暮改の意味や由来とは?メリット・デメリットや朝三暮四との違いも
朝令暮改とは朝の命令を夕方に変えてしまうという意味です。今回は朝令暮改の意味のほか言葉の由来や、臨機応変や二転三転などの類語や反対語、例文、朝三暮四など間違えやすい故事成語、朝令暮改のデメリットやメリットなどについてお伝えしていきます。
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目次
朝令暮改の意味とは?読み方・英語と朝三暮四との違いは?
朝令暮改の意味とは決めごとをすぐに変えてしまうという意味
朝令暮改の意味とは「決めごとをすぐに変えてしまう」という意味です。朝令は朝に下した命令や決定のことで、暮改とはその決定を夕方には覆してしまうということです。朝令暮改の直接的な意味は「朝出した命令を、夕方には別の命令に変えてしまうこと」という意味になります。
使い方としては、ネガティブな表現として使われることが多いです。例えば、朝の会議ではAの方針で行くことが決定し、色々と準備をしていたにも関わらず、夕方に突然Bの方針で行くことになったと知らされ、今までの準備が無駄になる状況を表すときに使います。例文を以下にあげておきますのでご参照ください。
- ・A案で行くというので準備していたが、朝令暮改でB案になってしまった。やめてほしい。
朝令暮改のネガティブな例文
朝令暮改の読み方はちょうれいぼかい
朝令暮改の読み方は「ちょうれいぼかい」です。朝令暮改の朝令の部分を朝礼と書く間違いもしばしば見受けられます。このような場合、朝令暮改の朝令は、朝に下した命令や決定という意味だと理解しておくことで誤字を防ぐことができるでしょう。
朝令暮改の朝令は朝にされた命令や決定事項だと覚えると、誤字をなくすことができます。
朝令暮改の英語表現はConsistency
朝令暮改の英語表現はConsistencyが適当です。Consistencyとは一貫性と訳すことができる英単語になります。朝の命令が夕方には変わってしまう状況を英語で表現するときは、「一貫性がない」という文章で表現するのが良いでしょう。
または理不尽な命令という意味の「Unreasonable instruction」を用いて朝令暮改を表現することも可能です。いずれにしても、朝令暮改を英語で表現するときは一貫性のなさや、筋が通っていない、理屈に合わないといった意味に解釈し英文にすると良いでしょう。
朝令暮改と似ている朝三暮四の由来や意味は言葉巧みに人をだますこと
朝令暮改と似ている言葉に「朝三暮四」という四字熟語があります。朝三暮四の語感や文字は似ていますが、表す意味は異なるので注意が必要です。朝令暮改は一貫性がないことを表現しますが、朝三暮四は言葉巧みに人をだますことを指します。
朝三暮四は猿を飼っていた人が猿に言うことを聞かせるため、「朝に3つの、夕方に4つの木の実をあげよう」と言ったが猿が喜ばず、「では朝4つ、夕方3つにしよう」といったところ喜んで承諾したというエピソードが由来となっています。もらえる木の実は変わらないのに、猿が目先の利益を優先する様子をあらわしています。
朝令暮改の語源や由来とは?
朝三暮四と似ている朝令暮改の語源や由来は中国の古典漢書にある
朝三暮四と似ている朝令暮改の語源や由来は中国の古典漢書にあります。漢書とは、紀元前200年ごろの前漢時代に編纂された書物です。様々な故事や出来事や由来が書かれており、朝令暮改もその出来事のひとつとして掲載されています。
当時は農民の暮らしが厳しく、朝出された命令は夜に覆されるような不安定な状況で、土地を捨てて流浪の民になる農民が多くいました。このことを前漢の政治家が当時の権力者である文帝に直訴したときの文章に、朝令暮改という文字が出てきます。
朝令暮改の語源の原文は漢文
朝令暮改の語源の原文は漢文になります。中国の古典から引用した言葉なので、すべて漢字で書かれています。朝令暮改は最後の「朝令而暮改」にありますのでご参照ください。
勤苦如此、尚復水旱之災、急政暴賦、賦斂不時、朝令而暮改。
引用元: 中国語スクリプト
朝令暮改の使い方や例文は?
朝令暮改の使い方や例文①朝令暮改が頻繁だと残業などのデメリットが多い
朝令暮改の使い方や例文の1つ目は、「朝令暮改が頻繁だと残業などのデメリットが多い」です。朝令暮改が多いと、夕方に方針が変わるまでやっていた作業が無駄になります。無駄になった分の仕事を夕方以降に行うことで、残業などのデメリットが発生する場合も多いでしょう。
- ・朝令暮改が頻繁だと残業などのデメリットが多い
朝令暮改の使い方や例文
朝令暮改の使い方や例文②変化が激しい業界では朝令暮改も致し方ない
朝令暮改の使い方や例文の2つ目は、「変化が激しい業界では朝令暮改も致し方ない」です。朝令暮改はネガティブな使われ方をすることも多いですが、朝と夜の状況がまったく変わってしまう仕事の場合、朝令暮改の命令をする方が良いこともあります。
- ・変化が激しい業界では朝令暮改も致し方ない
朝令暮改の使い方や例文
朝令暮改の類語や反対語は?
朝令暮改の類語①二転三転
朝令暮改の類語の1つ目は「二転三転」です。二転三転とは、事態があっちに向かったりこっちに向かったりすることです。この類語は方向性や方針が定まらないことをあらわす言葉で、ネガティブな表現として使われることも多くある類語です。
- ・事態が二転三転しているので、方針が決められない
二転三転の例文
朝令暮改の類語②朝改暮変
朝令暮改の類語の2つ目は、「朝改暮変」です。朝改暮変とは朝令暮改とほぼ意味は同じですが、より変化が激しいことを表します。朝に変えて、夜にも変えるという意味なので、朝礼暮改よりも度々方針が変わる状況で使われることが多いでしょう。
- ・すぐに状況が変わるので、方針も朝改暮変で落ち着かない
朝改暮変の例文
朝礼の反対語①首尾一貫
朝礼の反対語の1つ目は、「首尾一貫」です。首尾とは首から尾までという意味で、一貫は最初から最後まで貫くという意味になります。最初から最後まで方針や目的が変わらない様子をあらわしており、ポジティブな表現として使われることが多いです。
- ・彼の主張は首尾一貫している
首尾一貫の例文
朝礼の反対語②徹頭徹尾
朝礼の反対語の2つ目は、「徹頭徹尾」です。徹頭徹尾は頭から尾までといういうことであり、徹とは変わらない様子をあらわしています。最初から最後まで変わらないことを表現する言葉で、強い意志で方針や目的を変えないときに使われることが多いです。
- ・体に良い食材を使用することを徹頭徹尾心がけてまいります
徹頭徹尾の例文
朝令暮改のメリット・デメリットは?
朝令暮改のメリットは臨機応変に対応できること
朝令暮改のメリットは臨機応変に対応できることです。ネガティブな表現として使われることの多い朝令暮改ですが、状況によってはメリットをもたらすこともあります。状況の変化が速いビジネスなどでは、朝の状況と夜の状況がまったく変わることもしばしばです。
そういった場合は朝令暮改で状況に応じて方針を変えていくのは悪い方法ではありません。状況に合わせて柔軟に支持や命令を変えていくことで、変わりやすい状況に素早く対応することが可能です。
朝令暮改のデメリットは現場が混乱すること
朝令暮改のデメリットは、命令や方針がすぐ変わることで実際に実務を行う現場の人々が混乱することです。現場の方針が二転三転することで、何が正しいのかをいちいち確認するなど手間がかかったり誤解が生じたりといったデメリットが発生することも多いでしょう。
朝令暮改は悪いことばかりではありませんが、実際に作業を行う人たちにどれぐらい負担やデメリットがあるのかも考慮に入れておく必要があります。
あなたの会社にもいる?朝令暮改上司の上手な対処法は?
朝令暮改上司の上手な対処法①記録を残す
朝令暮改上司の上手な対処法の1つ目は、記録を残すという方法です。朝にどのような指示をされたかということを文章や音声などに残しておくと有効に対処できる可能性があります。可能であれば指示をメールでしてもらうなどして、上司本人が書いた指示を残せるようにすると良いでしょう。
また可能であれば1日の行動スケジュールを上司に提示しておくという方法も有効な場合があります。1日の予定を明確にしておくことで、イレギュラーな仕事を入れられる事態を避けられる可能性が高まります。
朝令暮改上司の上手な対処法②必要以上の仕事をしない
朝令暮改上司の上手な対処法の2つ目は、必要以上の仕事をしないということです。仕事によっては指示は口頭のみで仕事の内容をいちいち記録などできないということも少なくありません。そういった場合は、仕事の正当性を主張できるツールがほとんどないので自己防衛として過剰に適応しないという手段が有効です。
指示を出す上司の方も朝令暮改の指示を出すほど混乱している可能性があります。また朝出した命令を覚えていないこともあるでしょう。そのような場合期待に応えようとするほど要求がエスカレートすることも多いので、できることとできないことを自分で明確にして態度と言葉で対抗していくことも必要でしょう。
朝令暮改上司の上手な対処法③提案をして仕事の主導権を獲得する
朝令暮改上司の上手な対処法の3つ目は、仕事の提案をして仕事の主導権を獲得するという方法です。指示を受けるばかりの立場では、方針を決定するなどの行動ができません。自分から仕事の方法を提案していくことで、自らの仕事の権限を拡大していくことも対処法の一つです。
仕事の権限を拡大していくことで、上司の朝令暮改による影響を抑えることができます。仕事の責任は増えますが、自分で決められることも多くなるのでスケジュール調整がしやすくなるというメリットもできるでしょう。また評価が上がることで、昇給や出世のチャンスを増やすこともできます。
朝令暮改の意味を理解して上手に使えるようになろう
朝令暮改とは朝の指示が夕方には変わってしまうという意味です。指示や命令に一貫性がなく、仕事が無駄になることも多いので、ほとんど場合はネガティブな表現として使われます。ただし状況が刻々と変化する場合には朝令暮改が良い方向に働くこともあります。
また、朝令暮改は朝礼の字と間違えることも多いので誤字には注意しましょう。朝令は朝の命令という意味だと理解すると誤字をなくせます。朝令暮改を正しく使って、周囲の評価を上げていきましょう。
また、下記の記事は「背水の陣」の意味や由来について書かれた記事です。朝令暮改と同じく中国の古典が由来の故事成語なので、朝令暮改と合わせて意味や使い方を知っておくと一目置かれます。使い方や例文、類語も紹介されているので、興味がある方はぜひこの記事とあわせて読んでみてください。
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