「ルソー」の名言や思想とは?夢/画家/ジャンジャック/フランス革命

ジャンジャック・ルソーは18世紀に生きた思想家です。作家でもあったルソーは、権威を嫌い博愛の精神を貫きました。ルソーが描いた夢や生きざま、フランス革命におよぼした影響などを、その名言や思想、残した作品を通して、ご紹介します。

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ルソーとは?

ルソーとはフランス革命に影響を及ぼした「ジャンジャック・ルソー」

「ジャンジャック・ルソー」

ルソーの本名は、「ジャンジャック・ルソー」です。フランスの思想家であり哲学者で、フランス革命のさなか個人の自由を主張する「一般意志」を唱えた人物です。矛盾だらけで過激な人生展開送ったルソーについて、本格的にその思想の統一性などの研究や思想が注目されだしたのは、20世紀半ばになった頃からでした。

当時、「ジャンジャック・ルソー」は、啓蒙思想の代表として最も先進的の思想家でしたが、生前の彼は名誉を受けることはありませんでした。しかしフランス革命以降、1789年にルソーの思想に影響を受けた思想者たちの中で「人権宣言」が広まり、人権革命思想の提唱者の第一人者として一気にその名声が高まりました。

もう一人有名なルソーは絵の具の筆を扱う画家「アンリ・ルソー」

「アンリ・ルソー」がいる

歴史的に代表的なルソーといえば「ジャンジャック・ルソー」と「アンリ・ルソー」がいます。思想家で哲学者のジャンジャック・ルソーとは反対に、絵の具の筆を扱う「アンリ・ルソー」は、素朴派画家で19世紀から20世紀にフランスで活躍しました。アンリ・ルソーの代表作は「戦争」や「眠るジプシー女」などです。

思想家であったジャンジャック・ルソーですが、楽曲の中で「むすんでひらいて」のルーツと思われる楽曲を作曲し、「村の占オペラ」を発表しています。「村の占師」のパントミムの冒頭に現れる旋律が、日本の「むすんでひらいて」のメロディーにとても類似しているというのです。しかしその真相は未だに分かっていません。

ジャンジャック・ルソーはたくさんの名言を残し、フランス革命に影響を与えた思想家でした。時には過激で、時には人間味深い名言ばかりです。下記でご紹介する記事には、人生の選択に迷ったときに心に響く名言をたくさんご紹介しています。ぜひ併せて読んで、自分の人生の糧になる名言を探してみるのもいいですね。

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ルソーの名言5選~その1~

ルソーの名言①社会契約論


社会契約論

ルソーの名言の1つ目は、社会契約論「人民の自由は、国家の強さに比例する」です。封建制度の隷属的な人間関係を強く批判したルソーは、人間の基本的自由を指摘し、「人間の自由が形成された理想的な国家の形態」を主張しました。そして独裁国家は見栄と虚勢に支配されて、いずれ崩壊するだろうと論じました。

「組織として弱い国家の最終目的地は「破綻」であり、その反対に強い国家であれば「繁栄」につながる」と発言しました。しかし、その想像や考え方は簡単なことではなく、世界中の国々を見ても実現する可能性は低いと説いています。なので「組織が強い国ほど国民の幸福度は高いだろう」と考えたのです。

ルソーの名言②孤独な散歩者の夢想

孤独な散歩者の夢想

ルソーの名言の2つ目は、孤独な散歩者の夢想「方便の嘘とは、正真正銘の嘘である。というのは、他人とかあるいは自分の利益のために人を歎くことは、自分の利益を犠牲にしているのと同一で不正だからである。」です。相手のためにと思っていた嘘だとしても、それは一時だけの信用性がない事だと論じているのです。

相手にとっては例え残酷無碍な事実であっても、真実を伝えることは大切なことです。方便の嘘をつくことで、相手も自分も一時は楽になるでしょう。しかし、その後、真実を知った相手はどう思うでしょうか。優しい嘘をついてくれた相手に感謝するか、または本当のことを隠して嘘をつかれたことを恨むか、紙一重ですね。

ルソーの名言③エミールの名言1

エミール

ルソーの名言の3つ目は、エミール「男は、知っていることをしゃべり、女は、人に悦ばれることをしゃべる。」です。男という生き物は、お世辞が苦手で自分の知識を自慢したいという心理が常にあります。逆に、女という生き物は、本能的に相手に合わせることができ、相手がどうしたら喜ぶかを常に考えて行動しています。

男性と女性の違いは、体形やそれぞれ社会的立場や役割などは様々です。また、性行動や出産そして育児など、男女においての役割は異なります。そのため男と女では、脳の機能や構造が違うと考えられてきました。このルソーの「ミエール」の言葉は、まさしく男と女の脳の仕組みと機能、感情、心理の違いを表した名言です。

ルソーの名言5選~その2~


ルソーの名言④新エロイーズ

新エロイーズ

ルソーの名言の4つ目は、新エロイーズ「科学や芸術は、一種の贅沢にすぎない。虚偽の装飾にすぎない。」です。科学的な装飾品や、学術で得た装飾品は、「作り物の美しさ」です。真の美しさは「人間の心の中」にあり、偽りの美しさに惑わされずに、自分が本当に美しいと感じることこそが、最も大切だと論じています。

ルソーの名言⑤エミールの名言2

エミールの名言2

ルソーの名言の5つ目は、エミール「自然を見よ、そして自然が教える道をたどっていけ。自然は絶えず子供を鍛える。」です。自然にはたくさん学ぶことがあります。動物や、植物、空気、天気、気候…、どれも天の恵みであり神のご加護のおかげです。子どもたちに大切なことを学ばせるためには、まずは自然を愛しましょう。

ルソーの思想5選~その1~

ルソーの思想①教育思想

教育思想

ルソーの思想の1つ目は、教育思想です。「子どもの発見」「子どもの発達の段階」「子どもの自然の教育」など、子どもの教育について語っています。教育とは「常に側にいる大人が子どもに教える教育」を指し、自然教育とは「自然現象が人間に与える影響力の大きさ、そして教育の基本になる」ということを論じています。

ルソーが生きた時代は、子どもは「完全な人間」とは認められていませんでした。大人は自分の子ども時代の見方や価値観を忘れ、現在の立場で子どもに教育を押しつけがちだったのです。しかしルソーは、「人間は生まれた時から完全な姿なのではなく、教育や成長の過程によって各々の人格や人生を成形する」と考えたのです。

ルソーの思想②自然状態は強者の支配へ行き着く


自然状態は強者の支配へ行き着く

ルソーの思想の2つ目は、「自然状態は、強者の支配へ行き着く」ということです。「強者」は自分たちの都合のいいルールを作り、「弱者」を抑圧する世界を「自然状態」と論じました。強者と弱者間には不平等が発生し、それが固定化され当たり前の事になります。もはや自然状態では「憐れみの情」は見出せない世界なのです。

ルソーの思想③約束に基づいて社会を作る

約束に基づいて社会を作る

ルソーの思想の3つ目は、「約束に基づいて、社会を作る」ということです。ルソーの問題設定は「市民社会の正当性の原理」「自由と平等の正当性の原理」「向かうべき、市民社会可能性の原理」です。ルソーの考察は「人間が初めて社会を作る地点へと戻り、自然状態からのその過程の思考を実験的に行う」という考え方でした。

ルソーが唱えた政府が設立される第一の目的は、「同意に基づいた政府を設立し、皆の自由を守ること」でした。これはフランス革命の元となり、「問題は正しく設定されているか」「導かれた解答が、問題を原理的に解明しているか」など、市民社会の問題を総合的に、そして広い視野で考えそれを実現しようとしたのです。

ルソーの思想5選~その2~

ルソーの思想④一般意志は専制支配を解決するための原理

一般意志=専制支配を解決するための原理

ルソーの思想の4つ目は、一般意志とは、専制支配を解決するための原理です。不平等が一度固定化してしまったら君主が頂点をとる「支配構造」になります。しかし、君主の力が失われると、国のバランスが崩壊し内戦状態に突入してしまう状態になりかねます。「自由と平等の両立」を社会全体で実現する世界を目指したのです。

ルソーの思想⑤人間不平等起源論

人間不平等起原論

ルソーの思想の5つ目は、人間不平等起源論です。これは「不平等」について語ったもので、「社会では強者が弱者を制圧し、弱者が自ら望んで制圧される行動をとるようになった過程は何か?」という点に着目し、原理論を追求しました。ルソーは「不平等な社会を正当なものとし、原理を示すことができる」と語っています。

18世紀後半、王が絶対的権力を有した絶対君主制の時代に、フランスで起きた市民革命運動に影響を及ぼしたとされたのは、ルソーが論じた「人間不平等起原論」です。「人間は人間らしく、自分らしく、自然と共に生きていく」、そんな思想が市民の心に変化を起こし行動させた革命が、有名な「フランス革命」なのです。

ルソーの主な作品3選

ルソーの主な作品①未だに謎の多い思想書「社会契約論」

未だに謎の多い思想書「社会契約論」

ルソーの主な作品の1つ目は、未だに謎の多い思想書である「社会契約論」です。古くは「民約論」とも訳されており、1762年にフランスで公刊された政治哲学です。「一般意志」というルソーの造語を世に送り出した有名な著書でもあります。ルソーの「人間の本性や自由意思、自然状態である事の大切さ」を論じた内容です。

ルソーの主な作品②最後の独白「孤独な散歩者の夢想」

最後の独白「孤独な散歩者の夢想」

ルソーの主な作品の2つ目は、ルソーの生涯最後の独白「孤独な散歩者の夢想」です。当時世間から総スカンを受けていたルソーが夢想を描いた作品です。「さんざんグチを言って、世への恨み言を吐き出した、でもそれはもうどうでもいいことだ」という内容でした。最終的には人間臭くて人間染みた、大変よい作品となりました。

ルソーの主な作品③孤独を愛したルソーの理想論「人間不平等起源論」

孤独を愛したルソーの理想論「人間不平等起源論」

ルソーの主な作品の3つ目は、原題「人間の間の不平等の起源と、基盤についてのディスクール」で、孤独を愛したルソーの理想論「人間不平等起源論」です。ルソーは人間社会における不平等の起源を探って、自然状態や自然人とは何かについて理論を説き、その不平等さは自然法によって簡単に変わる環境だと語っていました。

ジャンジャック・ルソーとはフランス革命を生き抜いた思想家である

いかがでしたでしょうか。ここまで「ジャンジャック・ルソー」という人物の作品、思想、名言などをご紹介してきました。フランス革命の時代は自分の思い、思想、そして社会的に影響のある発言をとても厳しく制限されていました。そんな中でもジャンジャック・ルソーは、意見をのべ、作品として発表し、名言を残しました。

「ジャンジャック・ルソー」と「アンリ・ルソー」はよく勘違いされます。前者は思想家・文学者であり、後者は画家として成功を収めています。どちらの人物も歴史上欠かせない存在です。人間とは何か、そんな考えを世間に堂々と発表できたジャンジャック・ルソーは、言わば世紀発の「異端児」だったのかもしれませんね。


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