「せっかく」の意味とは|由来・類語・英語は?折角とわざわざの違いも

「せっかく(折角)」は、「せっかくなので」とか「せっかく〇〇したのに」とか、日常生活の中では頻繁に使う言葉の1つです。しかし、本来の意味や由来について知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は、「せっかく」の意味や、英語、「わざわざ」のような類語についてご紹介します。

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せっかく(折角)とは|意味・由来は?

せっかく(折角)の意味とは困難をしながらことを成す様子のこと

せっかく

せっかく(折角)の意味とは、困難をしながらもなんとかことを成したという様子を表したことです。難しいことや厄介なことなど、一筋縄ではいかないことが、そのことの中ではたくさんあったことが伺えます。そんな中でも、ようやく事を成すことができたという時に使う言葉です。

せっかく(折角)という言葉を聞くと、なんとなくネガティブなイメージを思い浮かべる人はたくさんいることでしょう。「せっかく〇〇したのに!」といった、人を非難する際に使う言葉であると認識されがちですが、せっかく(折角)自体は、基本的には努力した、困難した中でもことを成した様子のことを指す言葉なのです。

なので、もしビジネスシーンで使う際は、ネガティブイメージが先行しがちな「せっかく〇〇したのに!」という相手を追い詰めるような発言ではなく、「せっかく〇〇していただき〇〇です」の形で使えるようにするとよいでしょう。

せっかく(折角)の意味とは努力の甲斐が無くなってしまう様子のこと

せっかく

せっかく(折角)には、もう1つ意味が存在します。それが、先ほども少し紹介したネガティブなイメージのものです。どちらかと言えば、現代の日本ではこちらの意味のほうが先行して伝わっている傾向にあります。努力してことを成したのに、その甲斐がなくなってしまった、水の泡になってしまったという意味です。

できれば、使いたくない意味ですが、残念ながら現代ではそういった意味合いで使われていることがほとんどですので、せっかく(折角)という言葉を避けている人もいますし、ビジネスシーンでは目上の人には、なかなか使う機会のない言葉でもあります。

どうしてもせっかく(折角)を使いたいのであれば、相手がこれを聞いてどう思うのか、きちんと頭で考えてから、文章の中に織り込んで使うことをおすすめします。また、適宜、敬語に直して使うことを忘れずに行いましょう。

せっかく(折角)の由来は折角という漢語が元になっている

せっかく

せっかくは、漢字で書くと折角とあらわすことができます。せっかく(折角)の由来は、色々な説があると言われています。その中でも一番知られている由来の説が、漢語にもなっている、昔の中国での出来事を表したものです。

昔、五鹿充宗という役人がいました。この五鹿充宗は、非常に弁が立つ人でこの人に口で敵う人はいませんでした。しかし、あるとき朱雲という人が五鹿充宗を言い負かすという出来事が起こりました。人々は、よく(五)鹿の角を折ってくれた!と朱雲を称えます。これが、由来となったという説もあります。


ちなみに、せっかく(折角)を努力・困難してことを成したという意味で使った場合、同じような言葉として近を詰めるというものがあります。この根を詰めるという言葉の意味や由来について、あなたはご存知ですか?よろしければ、次の記事では根を詰めるの説明をしておりますので、併せて読んでみてくださいね。

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せっかく(折角)とは|使い方・例文は?

使い方と例文①せっかくの機会なのでぜひお会いしましょう

せっかく

使い方と例文の1つ目は、「せっかくの機会なのでぜひお会いしましょう」です。こちらは、せっかく(折角)特有のネガティブなイメージではなく、ポジティブさが伺える例文です。わざわざ時間をかけてくれた相手が、来てくれることに対し、ぜひお会いしたいと伝えた1文でもあります。

「せっかくの機会なのでぜひお会いしましょう」という例文は、相手が対等な立場に使う例文です。相手の立場が、自分よりも上の場合にはもっと丁寧な表現として、「せっかくですので、ぜひお会いさせてください」など、こちらから伺う姿勢を見せるのがベストです。

使い方と例文②せっかくいらしていただいたのにお構いできずに申し訳ない

せっかく

使い方と例文の2つ目は、「せっかくいらしていただいたのにお構いできずに申し訳ない」です。こちらは、簡単に言えば謝罪文にあたる例文です。わざわざ時間を割いていらして下さったのに、ろくに相手をすることが出来なかったことを詫びる例文です。

「せっかくいらしていただいたのにお構いできずに申し訳ない」は、やや上から目線な表現でもあるので、「せっかくいらして頂いたのにも関わらず、ご対応できずに申し訳ありませんでした」など、立場などに応じて応用するのがよいでしょう。

使い方と例文③せっかく声をかけていただいたのに出席できずにすみません

せっかく

使い方と例文の3つ目は、「せっかく声をかけていただいたのに出席できずにすみません」です。飲み会や同窓会、結婚式などでよく使う例文です。声をかけてくれたという好機に対し、どうしても都合がつかずに出席できないときに使うことのできる例文です。


もし、相手が目上の方や重要な案件などに対する例文だとすれば、「せっかくお声を頂戴したのにもかかわらず、出席できずに大変申し訳ありませんでした」などのように、敬語に変換して使うとよいでしょう。状況、立場などを考え、適宜応用して使ってみましょう。

「せっかく」と「わざわざ」の違いは?

せっかくとわざわざの違い①行動するのが自分か他人かの違い

せっかく

せっかくとわざわざの違いの1つ目は、行動するのが自分か他人かの違いです。まず、前提としてせっかくもわざわざも、同様の意味であるということを認識しておいてください。そのうえで、敢えて使い分けるとしたら、行動する人物の違いによって使い分けすることができます。

「せっかく〇〇したのに」のように、せっかくは基本的に自分が動いた場合に使うのが一般的です。そして、「わざわざ〇〇していただいて」のように、わざわざは他人の行動に対して使うことができる言葉で使い分けすることができます。

せっかくとわざわざの違い②わざわざの方が困難度を強調している

せっかく

せっかくとわざわざの違いの2つ目は、わざわざの方が困難度を強調しているという点です。こちらは、ニュアンスの違いであると言い換えることができるのですが、「せっかく〇〇した」と「わざわざ〇〇した」では、イメージ的にわざわざのほうが苦労、困難の度合いが強いように感じます。

先ほど、せっかくは自分の行動、わざわざは他人の行動で使い分けることができると言いましたが、せっかくは自分の体験したことを言い表す言葉であり、わざわざは相手の体験を想像して使う言葉です。そのため、ややわざわざの方が、ニュアンス的に度合いが強いように感じやすいようです。

せっかく(折角)の類語は?

せっかく(折角)の類語①わざわざ

せっかく

せっかく(折角)の類語の1つ目は、わざわざです。先ほども紹介したわざわざは、基本的にせっかくと同じ意味を持つ言葉ですので、類語であると言うことができます。困難、努力の末ことを成すことができた、またそれがなくなってしまった、水の泡になってしまったという時に使うことができます。


せっかく(折角)とわざわざの違いを述べた項目でも紹介した通り、わざわざは相手の行動を想像したり、敬ったりするときに使う言葉ですので、相手を立てて話を進めたいという時には、要所要所でわざわざを織り込んで使うと、非常に丁寧な言い回しをすることができます。

せっかく(折角)の類語②やっと

せっかく

せっかく(折角)の類語の2つ目は、やっとです。「せっかく〇〇した」と「やっと〇〇した」は、意味合い的には同じように使うことができるため、類語と判断することができます。しかし、ニュアンスとして、やっとのほうがポジティブな感じを受けるため、場合によってはやっとを使うのが好ましいこともあります。

せっかく(折角)は、どちらかといえば台無しになってしまうというネガティブなイメージが先行する傾向にあるので、そうではなく努力の甲斐あってことを成した場合には、やっとを使うことでより、山を乗り越えたというアピールをすることもできます。

せっかく(折角)の類語③どうにか

せっかく

せっかく(折角)の類語の3つ目は、どうにかです。どうにかもまた、「どうにか〇〇した」のように、努力・困難の末に事を成したことを表すため、せっかく(折角)の類語と判断できます。しかし、やっと同様、どうにかはせっかく(折角)に比べて、ポジティブな言葉に使われる傾向にある言葉です。

ちなみに、やっとに比べて、どうにかのほうがやや、おとなしいイメージのある言葉です。謙虚さが感じられるため、やっとという言葉よりも、どうにかを使う方が大人な会話が成立しやすい傾向にあります。努力や困難だった状況を、オブラートに包んだ言い方ができるため、ビジネスシーンでも好ましい言葉です。

せっかくの(折角)の英語表現は?

せっかくの英語表現①butを使った表現

せっかく

せっかくの英語表現の1つ目は、butを使った表現です。例えば、「Thanks but nothanks.」という英文は、直訳すると「ありがとう、でもごめんなさい」となりますので、具体的なニュアンスをつけると、「(せっかく〇〇してくれて)ありがとう、でもごめんなさい」となります。

日本語と違い、英語ではせっかく(折角)という明確な言葉が確立しているわけではなく、文章によって様々な言い換えによって、せっかく(折角)を表すため、butを使うことで、せっかく(折角)をニュアンスとして表現することができます。

せっかくの英語表現②all_my_effortsを使った表現

せっかく

せっかくの英語表現の2つ目は、all my effortsを使った表現です。all my effortsは、努力や困難を表す英語の言葉です。つまり、せっかく(折角)の意味の本質にも近い英語表現だと言えます。

all my effortsを使った英語の例文としては、「All my efforts came to nothing.」です。これは、直訳すると、「(せっかく)努力したのに、水の泡になってしまった」という意味なので、ニュアンス的にもせっかくに近しい意味として使うことができます。

せっかく(折角)やわざわざを使ったは相手を不快にさせる言葉は?

相手を不快にさせる言葉①せっかく〇〇したのに!

せっかく

相手を不快にさせる言葉の1つ目は、「せっかく〇〇したのに!」です。自分の努力を相手に伝えるがあまり、相手がどう思うかを考えていない例文のように感じます。もちろん、あなたがどんなにか努力したかを伝える直接的な例文です。なので、ビジネスシーンでは避けるのが好ましいでしょう。

相手を不快にさせる言葉②わざわざ〇〇してあげたのに!

せっかく

相手を不快にさせる言葉の2つ目は、わざわざ〇〇してあげたのに!です。わざわざは本来、相手の行動に使う言葉ですが、自分に敢えて置き換えて使うことで、相手にあなたが想像もできないような努力をしたのよ!と暗に伝えることができます。ヒステリックなイメージにもつながるので、こちらも使用を避けましょう。

せっかく(折角)を正しく使えるようになろう!

せっかく

せっかく(折角)という言葉の本当の意味は、努力した・困難したということを表す言葉です。しかし、一般的には、せっかくを使うことで、相手の努力を称える方法としても使えますし、逆に相手を追い詰める言葉にもなります。

ビジネスシーンにおいて、目上の人にはなかなか使う機会のない言葉ではありますが、意味を知っておけばここぞという時に使うことができます。ぜひみなさんも、正しいせっかく(折角)の意味をきちんと理解し、正しく使えるようにしてみてくださいね。


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