ご承知くださいの意味は?類語や英語・目上の人への使い方や言い換えも
「ご承知ください」は目上の人に使っても大丈夫なのでしょうか?意外と知らない「ご承知ください」の意味や類語、目上の人への使い方など素朴な疑問にお答えします。「ご承知ください」の言い換えとなる「ご承知願います」「ご承知おき」の意味や敬語・英語表現もご紹介していますので、どうぞ参考にしてくださいね!
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目次
ご承知くださいの意味は?
ご承知くださいの意味①知ってください
「ご承知ください」の意味には、まず一つ目に「知っておいてください」があります。「ご承知ください」で使われている「承知」を辞書で調べてみると、現在では「旨を承って知っていること、聞き入れること」というおおよそ2つの意味があります。
「ご承知ください」には、相手の気持ちを汲んだり、事情を察したりという意味までは含まれず、どちらかというと事務的な「(謹んで)事情を知る、わきまえる」という意味になります。
ご承知くださいの意味②聞き入れてください
「ご承知ください」には他にも、「聞き入れてください、承諾してください」の意味があります。こちらも先ほどと同じように、事務的な意味合いの要求や依頼に対して「聞き入れる・同意する」ニュアンスです。事の内容にもよりますが、否応なしに同意するといった意味にもなります。
「承知」「承諾」などの漢語から出た言葉は、幅広く使えるのが特徴でもあり利点とも言えますが、類語と意味を比較すると、きっちりとした境界線が引けず意味があいまいになることがあります。
「承知」は「聞き入れる」という意味の場合には、「承諾」と言い換えができ、意味としては同じになります。ですが、使い方が全く同じというわけではありません。「承諾」については、後ほど意味をご説明したいと思います。
ご承知くださいの類語は?
【ご承知の類語】①ご了承
「承知」の類語である「ご了承」は「よく理解して承知すること」の意味を持ちます。事情を承知するだけにとどまらず、「事情をよく理解し、それでよしとする」というように「理解して」という意味が含まれます。
ほんのわずかな違いではありますが、シンプルに「知っている、聞き入れる」の意味がある「承知」とは異なります。「事情を理解する」ということは、相手の気持ちを汲み取ったり察する意味はあまりないため、「承知」と似たような事務的な手続きなどに使うことが多いといえます。
また、「了承」には「了」の異なる「諒承」があります。意味はおおむね同じになりますが、「了」には「おわる、理解する」という意味があり、「諒」には「まこと、真実」という意味があります。事務的な文面では「了承」、常用外の感じではありますが、気持ちを込めたいのであれば「諒承」と使い分けることもできますよ。
- ・了承:事務的な文面
- ・諒承:気持ちを込めた文面
「了承」と「諒承」の違い
【ご承知の類語】②ご承諾
「ご承諾」は、「承知」と同じく「聞き入れる」という意味がある類語です。「ご承諾」には、「相手の申し出や頼みごとを聞き入れる、引き受けること」というように聞き入れる内容が少し限定され、引き受けるの意味も加わります。「ご承知」よりも「ご承諾」の方が改まった感じになります。
「ご承諾」に使われている「諾(うべなう)」とは、「承諾する、同意する」という意味の雅語的な(「雅語」=洗練されている和語)表現です。「諾」の意味をもう少し詳しく見てみると、「いかにも、もっともだと思って承知する」となり、単純に承知するという意味ではありません。
また「諾」の漢字には、「答える、応答の言葉」という意味があるので、自分や相手が依頼や要求の返事をした引き受けた場合に「承諾した」「承諾する」などと使います。「ご承知」の類語ではありますが、「ご承諾ください」と依頼することはないと覚えていて問題ないでしょう。
【ご承知の類語】③ご承引
「承引」も「承知」の類語で、辞書には「承知し引き受けること、承諾」とあります。「引き受けること」という点では、「承諾」と同じ意味合いになりますが、これも全く同じ意味ではありません。また、辞書によっては「承引」を、古い言葉として扱っていることもあります。
「承諾」の「諾」が、「もっともだと思って引き受ける」意味を持つのに対し、「承引」の「引」には、「引き受ける、承知する、負う」の意味があります。「承諾」よりも「承引」の方が、引き受けて欲しいという意味合いが強くなり、改まった感じも強くなります。
ほとんどの場合が「ご了承」の言葉で間に合いますが、かしこまった文書などでは、類語である「ご承引」を使うと相手方を立てることになります。ただ、依頼を断る場合に「ご承引ください」と使うと個人、ビジネスにかかわらず、何が何でも出来ませんのでご理解くださいというニュアンスになります。
【ご承知の類語】④ご承認
「ご承認」も承知という意味がありますので、類語に分類されます。「ご承認」は、「承知して認めたうえで許す」「(事実として)認めること」という意味があります。「引き受ける、引き受けて依頼や要求にこたえる」というよりも「認める」という行為に焦点を当てています。
「承知」と「承認」は、類語と言っても、要件を引き受けるのか、言い分を聞き入れて認めるのかの点で意味が異なります。「承認」は、ただ願いを聞き入れるのではなく、相手の言い分の正当性、事実性を認めて、「肯定します」と意思表示をするという行為まで入ります。
個人的な頼み事というよりは、学校や会社などの組織的な決め事、国際的な法律、資格などを認め、肯定する類語と覚えておくと良いでしょう。
【ご承知の類語】⑤ご高承
「ご高承」は、「承知」を丁寧に表現した言い方となる類語です。手紙で使われる言葉で、「ご承知の通り」を「ご高承の通り」と言い換えることができます。また、「ご賢察くださいまして」というと改まりすぎる場合に「ご高承くださいまして」と使われることもあります。
ご承知くださいの英語表現は?
【ご承知くださいの英語】①aware
「ご承知ください」の英語の言い換え表現は、「aware」を用います。「aware」には、「~に気が付いて、~を知って」「(物事を)わきまえた、物の分かった」の意味があります。「aware」は形容詞ですので、be動詞と一緒に使い命令形の形にすると、「承知するように」というニュアンスになります。
「ください」にあたる「please」を付けて、「please be aware」とすると「ご承知ください」に近い表現となります。「~についてご承知ください」とするときは「of」を付けて「please be aware of~」になります。
- ・Please be aware of this notification.[この通知についてご承知ください]
ご承知くださいの英語表現〔aware〕
【ご承知くださいの英語】②consent
「ご承知ください」と少し意味合いが異なりますが、「同意を得る」の英語表現をご紹介いたします。「同意」を意味する「consent」を用います。
「please give ...consent ~」または、「please consent to ~」の形にすると、「同意ください」となり「ご了承ください」の意味に近くなります。
- ・please give our consent the proposal.[この提案にご了承ください]
- ・please consent to our notice[弊社の通知状にご了承願います]
ご承知くださいに類似した英語表現〔consent〕
ご承知くださいの使い方は?
【ご承知くださいの使い方】目上の人へは使わない
「承知」という言葉は、尊敬語で使うことはありません。「承知する・承知した」は、「言う」「見る」「聞く」といったように普通に使われている普通語に分類されます。ですので、「承知」は、「おっしゃる」「召し上がる」のように言葉自体に尊敬の意味を持つ敬語とは異なります。
また、「承知」に「お(ご)~する」「お(ご)~申し上げる」などを用いて、尊敬語にすることもありません。「ご承知ください」は、一見すると丁寧な言い方に思えますが、目上の人には使わず、自分は尊敬の意味を込めて使ったつもりでも、使うと失礼にあたります。
分かりにくい場合は、「承知しました」「承知しております」など、自分が返事をするときなど、自分に対して使うと覚えておくと良いでしょう。
【ご承知くださいの使い方】抗議や督促などに使う
「ご承知ください」は、目上の人には使わないと説明しましたが、稀にクレームを伝える文書や督促状といった限定された場面で使うこともあります。どういう場面かといいますと、売掛金の未払いや注文品の不履行への抗議や訴訟など、あまり歓迎される内容ではありません。
「ご承知ください」は丁寧な言い方にも取れて、失礼に当たらないのでは?と思いたくなりますよね。ですが、相手側に「知っているだけで良い」と言い渡していることにもなり、「聞き入れる、引き受ける、認める」といった、相手側の意思は関係ないという態度にも取れてしまいます。
会話のやり取りは、お互いの気持ちの疎通があって初めて成り立ちますよね。「ご承知ください」と言い切ってしまうと、相手の都合を全く考えていない態度になります。お付き合いや将来性のことを考えるなら、余程の場合だけにとどめておいた方が良さそうです。
【ご承知くださいの使い方】文末にはトラブル回避の慣用句を添えて
そうはいっても、現状を何とかしたいときもあり、やむを得ず「ご承知ください」と使わないといけないことも出てきます。取引先やお客さまとの関係をできるだけ続けていくのであれば、「ご承知ください」と言い切るのではなく、文末に相手に猶予を与えるような慣用句を書き足しておく方が良いでしょう。
自分側の言い分をしっかりお相手に伝えたうえで、文末に「何卒折り返しのご回答を願います」や「ご都合もあることとは存じますが、至急ご送付願います」などの慣用句を使いましょう。
「ご承知ください」の言い換え【承知に関する類句】
【ご承知くださいの言い換え】①ご承知願います
「ご承知ください」をやや丁寧に言い換えると、「ご承知願います」となります。「ご承知願います」は、「ご承知ください」よりもやや丁寧な言い方に思えますが、あくまで事務的で無味乾燥な印象となります。
「ご承知願います」も尊敬語としては使えず、お客様や目上の人に使うと失礼にあたりますので、普段のお取引や連絡では使わない方が良い言い回しです。
「ご承知願います」の文例
「ご承知願います」をどのように使うか文例をご紹介いたします。文例では「ご承知願います」ではなく「承知願います」となっておりますので、更に強く言い渡す感じになります。文例通りではなく、「承知願います」を「ご承知願います」と言い換えることもできます。
- ・○○年●月◎日現在、貴殿に対する当方の売掛金は、金○○円になっています。これにつき請求のたびに支払期日を確約されるだけで一回のご送金もありません。よって、本状到達後七日以内にお支払いないときは、あなたを相手とする訴訟を起こしますから承知願います。
【売掛金請求書】
余程不服のときに、「ご承知願います」の「ご」も省き、「承知願います」としますが、そこまで不服でない場合は、「ご承知願います」します。「ご承知願います」以外も文末を謙譲語の形にするのか、丁寧語で済ませるのかで不服な気持ちを表現できますよ。
【ご承知くださいの言い換え】②ご承知おきください
「ご承知おきください」は、「~おく」とそのままの状態を保つという意味がある「ご承知ください」の言い換えになります。「承知しておいてください、知っておいてください」という意味ですが、主にクレームや苦情、他には解雇通知といった、少し込み入った事情の際に使われることの多い言い換え表現です。
「ご承知ください」よりも「ご承知おきください」の方が強く言い渡す言い方のため、いつでも使えるというわけではありません。特に目上の人に使っては失礼にあたります。日頃の連絡では使わない、と覚えておいた方が良いでしょう。
「ご承知おきください」の文例
「ご承知おきください」をどのように使うか、分かりやすく文例をご紹介いたします。普段は書くことのない解雇通知ではありますが、「ご承知おき」の意味がつかみやすいかと思います。
- ・拝啓 当社○○部○○は、本人の都合により●月◎日をもって退職いたしました。つきましては今後、同人は当社とは一切関係がございません。この旨、ご承知おきくださいますよう念のためご通知申し上げます。 敬具
【社員の解雇通知】
解雇された人の信用性、会社以外での責任を負えないような場合に「ご承知おきくださいますよう念のためご通知申し上げます」と使われています。
解雇通知などの場合は、仕事のなくなる相手のことを考えるとはっきりと言いにくい場合もあります。やんわりと伝えたい場合は、「ご承知おきください」の部分を、後述する「お含みおきください」とすることもできます。
【ご承知くださいの言い換え】③お含みおきください
「お含みおきください」は、「ご承知ください」というよりも「ご承知おきください」の言い換えです。先ほどの例のように、「ご承知おきください」では強すぎる言い方の場合に、やんわりと言い換えることができます。
「ご承知おき~」と「お含みおき~」の意味は全く同じではなく、「含む」という言葉が「中に物を持つ、心の中に気持ちを持つ」という意味を持つように「表面には出さないけれども、知っておいてください」「心の中で覚えておいてください」という意味合いがあります。
「ご承知おきください」の使い方としては、金銭面、売買契約の際の条件など、表立って話しにくいことや、控えめに言っておきたいときに使われます。お店や人の信用に関する調査を秘密にしておきたいとき、内密に進めたいときなどの手紙の文末や、控えめに謙遜して相手に知らせたいときにも使われます。
お含みおきくださいの文例
「お含みおきください」の文例をご紹介いたします。先ほど述べた解雇通知の文例もご紹介しています。「お含みおきください」ではなく、「お含みおき願います」と丁寧な言い方になっており、文章も全体的に和らいでいます。
- ・拝啓 弊店○○は事情がありまして、○○年●月◎日限り解雇いたしましたので、今後同人とは全く一切の関係がなくなった次第でございます。つきましては予めご注意までにとりあえず右ご注意申し上げます。何卒お含みおき願います。 敬具
【店員の解雇通知】
信用に関する問い合わせの文例については、縁談や取引の際に調査を依頼する手紙の文末に付け足す形で使われていました。大丈夫とは思うが念のため、大事に至らないように調査依頼する背景には、一昔前まで相手を間違えたばかりに悲運を遂げるということも少なからずあり、神経をとがらせる必要があったようです。
- ・なお、ご調査くださいました事柄につきましては、一切秘密にいたしますからお含みおきください。
- ・なお、回答くださいました事柄につきましては、全て秘密にいたしますからお含みおきください。
【信用に関する問い合わせ】
金銭や信用に関する話は扱いが難しく、相手に承諾や了承と書いてしまうと押しつけがましく気が引けるというときに「お含みおきください」と使われていたようです。
「ご承知ください」の言い換え【敬語表現】
【ご承知くださいの言い換え・敬語】④ご了承くださいますよう~
「ご承知ください」を敬語表現に言い換えるのであれば、「了承」と「ご~申し上げる」を使って「ご了承くださいますようお願い申し上げます」の形にします。事務的な手続きや業務上の連絡などで使います。「諒承」の場合も敬語表現に変わりなく、使い方も同じです。
雑多な業務上の連絡などでも使え、依頼や要求、依頼に添えない場合の断り、まで幅広く使えるので、覚えておくと助かる言い回しです。「申し上げます」を使うと改まりすぎるときは、「ご了承ください」「ご了承くださいませ」を使いましょう。
お詫び文にも使えますが、その際はしっかりとお詫びする文面を入れたうえで、「ご了承くださいますよう~」「ご了承くださいませ」と使うようにしましょう。「ご了承ください」だけではお詫びにならないため、気を付けてくださいね。
【ご承知くださいの言い換え・敬語】⑥ご案内申し上げます
知っておいてほしいことは事務的なこと以外にもいろいろありますよね。会議や発送通知などのビジネス以外にも送別会、新年会、忘年会といった場所や日時の案内は、「ご案内申し上げます」という敬語表現も使えますよ。
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【ご承知くださいの言い換え・敬語】⑦ご通知申し上げます
発送通知、確認通知、確認証明書通知などのビジネス文書に加えて、出産や病気、病気全快、入学、卒業、就職など人生の節目を知らせたいときに「ご通知申し上げます」という言い回しで伝えたい内容をお知らせすることができます。
距離のある人なら、「ご通知申し上げます」ときちんとした敬語表現の方がふさわしいのですが、ごく親しい人などは「お知らせ申し上げます」「お知らせいたします」とした方が、格式張らずに伝えらえます。
「ご承知ください」を正しく知って失礼のないように
「ご承知ください」は、一見丁寧な言い方に思えますが、ビジネス文書などでは、「ご了承ください」を敬語に言い換えて使うのが一般的ですよね。良かれと思って「ご承知ください」とうっかり使ってしまうと、相手方の気持ちを損ねることにもなりかねません。
今はテンプレートが主流になっているので、言葉に迷うこともあまりないかと思いますが、正しく知っておくと相手方に失礼のないよう安心して対応できますね。場面に合わせた敬語を使えるようになっていきたいですね。
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