方々の意味は?皆様との違いや類語や敬語での使い方・ご挨拶例も
方々、方達、皆様、とても似ている言葉ですが、それぞれ意味に違いがあります。また、敬語としての使い方もあるので、異なる点はきちんと知っておきたいですね。よく使われるご挨拶例を見ながら、それぞれの言葉のポイントを押さえていきましょう。
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方々の意味や類語・皆様との違いも
方々の意味①二人以上の人を尊敬していう敬語
方々の意味の1つ目は、「かたがた」と読んで二人以上の人を尊敬していう敬語です。「人」の尊敬語が「方(かた)」となるので、一人だけを対象とする場合は、このまま使用します。二人以上になると、同じ言葉を重ねて「方々」という表現になります。話し言葉としてよく使われますが、やや硬い印象を与えることが特徴です。
方々の意味②二つ以上の動作が併存することを表す言葉
方々の意味の2つ目は、二つ以上の動作が併存することを表す言葉です。この場合は、「お礼方々(かたがた)ご挨拶をする」のように、動作を表す名詞の後に続けて使われます。「お礼をかねてご挨拶する」という意味で、最初に述べられた動作をかねて、次に述べられる動作を行うことを意味します。
動作が併存することを表す場合、いっしょに使用できる名詞は限られています。主に。「お礼・お詫び・お見舞い・ご挨拶・散歩」のような名詞と併せて用いられることがほとんどです。
方々の意味③読み方が変わるとさまざまな方角を示す
方々の意味の2つ目は、「ほうぼう」と読んで、さまざまな場所や方角を示すものです。また、さまざまな場所や方角へ赴くことも意味します。丁寧な言い方となるので、目上の人に使用しても問題のない言葉となっています。
方々の類語は意味によって異なる
方々の類語には、いろいろなものがあります。方々には、異なる三つの意味がありますね。それぞれの意味によって、類語も変わってくるのでリストにまとめてみました。「二人以上の人」の場合は敬意を含んだ表現のみの類語となっています。
- ・二人以上の人:皆様・方達・御一同(ごいちどう)
- ・二つ以上の動作:~をかねて・~がてら・~ついでに
- ・さまざまな方角:あちこち・所々・処々(しょしょ)
意味別の類語まとめ
方々と皆様の違いは他の語句との組み合わせ方にある
方々と皆様の違いは、他の語句との組み合わせ方にあります。どちらも二人以上の人を対象に使える敬語で、話し言葉でもよく用いられていますね。しかし、「方々」は、修飾の語句なしでは使用できないという特徴があります。
「方々にご迷惑をおかけしました」ではなく、「多くの方々にご迷惑をおかけしました」という使い方でなければならないのです。「◯◯社の~」「周囲の~」「ご来場の~」といった語句と併せて使うことが大切です。
「皆様」の場合は、「皆様にご迷惑をおかけしました」のように、修飾の語句がなくても違和感がありませんね。また、「皆様」は不特定多数の人を指して使用することができますが、「方々」は、具体的にどのような繋がりの人か特定する必要があるため、その場にいる全員に対して呼びかけることは難しい言葉です。
方々と人々・方達の違いは敬語としての扱いにある
方々と人々・方達(かたたち)の違いは、敬語としての扱いにあります。「方々」は、尊敬語として扱われますが、「人々」は敬語ではありません。また、「方達」は、「達」という言葉に敬意が含まれていないため、敬語としての扱いは、「方々」よりも低くなります。
「方達」に「達」がつくだけで、敬語としてのグレードが下がるように、ほんの少しの違いが差をつけます。そんな繊細な敬語の扱い方を知るには、いろいろな例を目にしておくのが一番ですね。こちらの記事では、「気をつけて」に関する謙譲語や丁寧語などを詳しく説明しています。
方々を使うときのポイント
使うときのポイント①身内には使用できない
使うときのポイントの1つ目は、二人以上の人を尊敬していう言葉であるため、身内には使用できないことです。敬語は、ウチの者とソトの者とを区別して使い分けます。「方」は、「人」の尊敬語で、対象を高めるという働きがあります。
身内に使ってしまうと、ウチの者を高める表現となってしまうため、避ける必要があります。家族はもちろん、会社関係の付き合いの場合、同じ会社の人間に対して使うことはできません。「弊社の◯◯部署の方々」のような使い方はNGです。
使うときのポイント②不特定の人には使用できない
使うときのポイントの2つ目は、自分がよく知らない、不特定の人を指して使用できないことです。例えば、「駅から家に帰る方々」のような使い方はできません。駅から家に帰る人たちのことを、一人ひとり特定できるわけではありませんね。こちらの場合の使用もNGとなります。
使うときのポイント③結婚式のご挨拶としては使えない
使うときのポイントの3つ目は、結婚式のご挨拶としては使えないことです。「方々」は、同じ言葉が繰り返される「重ね言葉」です。「重ねて繰り返す」ことは、縁起が悪いため、結婚式では使ってはいけないという決まりがあります。「今後も結婚を繰り返す=何度も離婚する」ことを連想させるので、避けられるのです。
使うときのポイント④硬さをとりたいときは皆様に置き換える
使うときのポイントの4つ目は、言葉の響きの硬さをとりたいときは、「皆様」に置き換えると良いということです。「方々」を使うと、硬く突き放したような感じになってしまいます。しかし、言葉を置き換えることで、柔らかく親身な印象を与えることができます。
同じ理由で、目上の人に使う場合も「皆様」が推奨されます。より丁寧な表現とするには「皆様方」とすると良いでしょう。こちらは、二重敬語ではと懸念されることもありますが、問題ありません。とても紛らわしいのですが、こちらで使用される「方」は、尊敬語としての使い方ではないのです。安心して呼びかけてください。
使うときのポイント⑤方角を意味する方々とは表記で使い分ける
使うときのポイントの5つ目は、文章として書く場合、方角を意味する「方々」とは表記で使い分けることです。二人以上の人を尊敬して言う場合は、漢字を使用しますが、方角の場合は、「ほうぼう」と平仮名で表記されることの方が一般的です。表記ひとつで、簡単に見分けられるので便利です。
方々の敬語での使い方・例も
敬語での使い方・例①感謝を伝える!スピーチでのご挨拶
敬語での使い方・例の1つ目は、スピーチでのご挨拶として使うものです。退職のご挨拶という別れの場面や、パーティーなど祝い事の場面で使うことができます。例えば、退職のご挨拶では、「この会社で、多くの方々にご指導いただきました」のように、お世話になった人たちに向けてのメッセージとしてみましょう。
また、パーティーなどの祝い事の場面では、「この場を借りて、ご協力いただいた方々に感謝申し上げます」のように、特定の人たちに向けての感謝のメッセージとすると良いですね。ただし、結婚式での使用だけは、重ね言葉で縁起が悪いため、控えるようにしましょう。
敬語での使い方・例②方達と皆様はNG!特定の人に呼びかける
敬語での使い方・例の2つ目は、特定の人に呼びかけるものです。「方々」は、修飾の語句が付けられるために、どのような人たちに呼びかけているのかを特定することができます。たくさんの人が集まる会場など、使用すると良いでしょう。
例えば、「チケットをお持ちの方々は、こちらの列にお並びください」のように、「チケットを持つ」という特定の条件で呼びかけることが可能です。
このとき、「方達」は敬意が足りないため、不適切となります。また、「皆様」は、「その場にいる全員」という意味もあるので避けた方が良いでしょう。方達と皆様はNGだと、忘れないようにしてくださいね。
敬語での使い方・例③硬くてOK!手紙やメールなどで使う
敬語での使い方・例の3つ目は、手紙やメールなどで使うものです。話し言葉で使用すると、硬さが気になる「方々」ですが、手紙やメールなどの書き言葉としては違和感がありません。お礼やお詫びといった、さまざまな内容で使えます。
例えば、お礼の場合は「たくさんの方々にご来場いただき、今後の励みとなりました」のような使い方が考えられます。また、お詫びでは「ご迷惑をおかけした方々に、重ねてお詫び申し上げます」のような表現で使用すると良いでしょう。
手紙やメールでお礼をする場合は、「感謝いたします」のようなお礼を表す敬語もチェックしておく必要がありますね。こちらの記事では、ビジネスシーンで使用できる、お礼を表す敬語を紹介しています。適切なものを選んで、手紙やメールにも活用しましょう。
方々の英語は
英語①敬語での「方々」
英語の1つ目は、敬語での「方々」として使える「People」です。英語で人を意味する単語ですが、敬語として特別な形に変化することはありません。例えば、「下記の方々~」のような表現では「People named below」のような使い方になります。
ここでポイントなのが、「Peoples」と複数の形にならないことです。「s」を付けなくても、「方々」あるいは「人々」という意味になっているんですね。
英語②二つ以上の動作の「方々」
英語の2つ目は、二つ以上の動作での「方々」です。こちらは、英語でのニュアンスになるといろいろありますが、「~の間」を意味する「while」や、「同時に」という意味の「at the same time」などで説明されます。「お礼方々ご挨拶~」を英語で説明するのは難しそうですね。
英語③場所や方角での「方々」
英語の2つ目は、場所や方角での「方々(ほうぼう)」です。こちらは、英語で「どこでも」や「いたる所」という意味を持つ「everywhere」が当てはまります。また、同じような使い方が可能な「all over」が選ばれることもあります。
方々に似ているけど間違えやすい表現は
ご挨拶などで間違えやすい「諸先輩方」
方々に似ているけど間違えやすい表現の1つ目は、「諸先輩方」です。ご挨拶の表現として、よく用いられそうですが、間違えやすい言葉として有名です。「諸」には、「もろもろの、多くのもの、さまざまなもの」という意味が含まれています。つまり「諸先輩」というだけで「先輩の方々」という意味になります。
また、「先輩方」という表現では、方は「複数の人々」という意味で使用されます。そのため、「諸先輩方」という言葉は、同じ意味がかぶっていて間違いだと主張する意見があります。「諸先輩方」でも良いとされるケースもありますが、念のために、どちらか一つにしておくと良いでしょう。
目上の人で間違えやすい「先生達」
方々に似ているけど間違えやすい表現の2つ目は、「先生達」です。こちらは「方達」と同じように、「達」という言葉に敬意が含まれていないため、目上の人である「先生」には使いにくい言葉となっています。敬意を表すためには、「先生方」という言い方をすると良いですね。
方々の使い分けを徹底しよう
読み方や文脈で、いろいろな意味を持つ「方々」は、使い分けが難しい言葉の一つです。人々の敬語としての表現でも、じつにさまざまな使い方が考えられますね。どちらかというと硬い印象の言葉となるので、フランクな挨拶がしたい場合には不向きかもしれません。
しかし、その場にいる全員を示す「皆様」とは異なり、特定の人を表現することができるので、特定の条件を持つ相手に感謝の気持ちを伝えたり、呼びかけたりするのに使うことができますね。使い分けを徹底することができれば、ビジネスシーンでの使用の幅も広がりますよ。
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