マトリックスの意味は?ビジネスでの使い方は?英語や日本語に数学も

「マトリックス」と言えば映画を思い浮かべる人が多く、本来の意味を知っている方は少ないようです。ビジネス・数学・データ作成などの中でマトリックス(あるいはマトリクス)の言葉が用いられますが、日本語と英語では意味の捉え方が違います。表や数字配列など、マトリックスの意味や使い方をご紹介していきます。

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マトリックスの意味は?

マトリックスの意味①母体・基礎・発生源

発生源

マトリックスの意味、1つ目は「母体」「基礎」「発生源」です。「母体」はマトリックスの元来の意味「生み出すもの」から生じた意味で、「発生源」も同様の連想から生じたと考えられます。「基盤」は「母体」や「発生源」のように、「元になる」イメージから連想された意味です。

マトリックスの意味②(文字や数字の)行列

数字

マトリックスの意味、2つ目は「行列」です。マトリックスの語が表すのは並ぶ意味での行列では無く、数学用語としての意味です。数学用語のマトリックスは計算式を意味し、足し算・引き算といった基本から記法やベクトルなどを用いた複雑なものまで含みます。

マトリックスの意味③鋳型

工房

マトリックスの意味、3つ目は「鋳型(いがた)」です。鋳型とは「溶けた金属を入れて固める工具」のことで、金属系の道具を作る時に用いられます。鋳型で固め作った物は、鋳物と呼ばれます。

マトリックスの由来は?

「子宮」を意味するラテン語が由来

子宮

マトリックスの由来は、「子宮」を意味するラテン語「母=Mater+ix」だと言われています。この言葉を、ラテン語表記から英語表記にしたもの(音写)が「Matrix」です。 日本語では「マトリックス」と読んだり書いたりすることが多いのですが、たまに「マトリクス」と読み書きされることもあります。


現代の主な意味は子宮からの連想「生み出すもの」

生み出す

「子宮」を表していた時(ラテン語)は赤子が宿り育つところとしての「生み出すもの」でしたが、今は「子宮」というよりも「生み出す機能」に着目しているので「マトリックス」=「子宮」では無く「マトリックス」=「生み出すもの・生み出す機能・生み出されるところ」といった意味で使うことが基本です。

中には子宮の形状や状態から「マトリックス」の言葉を科学的な命名に用いることもありますが、一般的には「機能面の特徴」を表す目的で「マトリックス」を使います。また、「生み出す機能」から「マトリックス」は「母体・基盤・基質」の意味で用いられることも多いです。

特に日本語に訳す際は「母体・基盤・基質」といった言葉が当てられることが多いのですが、この表現だと「生み出す機能」や「子宮の形状的特徴」といった元来の意味が伝わりにくいと指摘されることもあります。指摘のことから和訳表記を避け、カタカナで「マトリックス」と表記されることも多いようです。

日本では「映画マトリックス」のイメージが強い

仮想現実

日本では「生み出すもの・生み出す機能・子宮・母体」といった単語としての意味よりも、映画としてのマトリックスのイメージが広く知られています。映画マトリックスは、1999年に公開されたアメリカの作品です。哲学や信仰をテーマとしたSFながらカンフーファイト要素を含み、日本でも人気と知名度を高めました。

映画マトリックスの作中では、コンピュータによる仮想現実をマトリックスと呼んでいます。リローデッド・レボリューション・アニマトリックスといったシリーズ作があり、アメリカコミックやゲームの作品もあります。考察が必要な部分もありますが、現代でも人々の記憶に残り、好んでいる方も多い映画作品です。

マトリックスのビジネスでの使い方は?

ビジネスでの使い方①データまとめの文書作成でよく使う「マトリックス表」

パソコンに向かう

ビジネスシーンでは、データ整理の際に「マトリックス表」という方法が用いられることがあります。マトリックス表というのは、2×2か3×3の縦・横の軸に情報を集め、整理するデータ整理法の一種です。エクセルなどでデータ表を作る時には、マトリックス表と呼ぶことを知らずに使用している方も多いでしょう。


表におけるマトリックスは「マトリクス」と表記されることも多く、マトリックス表を検索するとマトリクス表の言葉も出てきます。どちらにしても同じことを表しているので、違いについて考える必要はありません。実際に表す際も、マトリックス表とマトリクス表のどちらを用いても問題はありません。

ビジネスでの使い方②数学用語マトリクスの応用「マトリックス演算」

プログラミング

「マトリックス演算」は「プログラミング言語のC言語を扱う時に使う数字や記号の配列の一種マトリクスを用いた計算方法」です。この演算は、CPUやAIの発展に関係しています。数字や記号の配列の一種としてのマトリクスは数学用語ですが、数字や記号の配列と言われてもイメージしにくいでしょう。

端的に言えば、「数字や記号の行列をまとめたもの」を言います。3行3列なら9つの数値が存在し、2行2列なら4つ、4行4列なら16つというように数値が書き記されます。マトリクスの左横には「[A]=」や「[B]=」などと表記し、数値がひとまとまりになっていること示します。

マトリクスとよく似たものに「ベクトル」がありますが、ベクトルは「1行1列のマトリクス」のことです。また、現代における数学用語では、マトリックスよりも「マトリクス」の方が一般化しています。そのため、ここでも数学用語に関してはマトリクスと表記しました。しかし、マトリックスでも同じことです。

ビジネスでの使い方③数字や文字のワンタイムキー「マトリックス認証」

ナンバー

「マトリックス認証」とは、パスワード作成方法の一種です。パスワードは「文字や数字を組み合わせたもの」になりますが、それが「一定時間に変わる」ことが大きな特徴とされます。すなわち、「一定時間で毎回違うキーになるパスワード」です。セキュリティ性が高いため、ビジネスシーンでもよく用いられます。

これにより第三者にパスワードを見られたり読み取られたりしても、そのパスワードをかけたものに侵害が及ぶ可能性が低くなります。正当な利用者となる人も自分でパスワードを考え覚えておく手間は無くなりますが、更新されたパスワードが見られる機器を所持する必要はある場合が多いです。

数字や文字の行列が仕組まれており、その縦・横の数字や文字を組み合わせてパスワードを作成してくれます。一定時間が来たら、再び組み合わせを行って新しいパスワードにします。それを一定時間ごとに何度も繰り返しますが、かつてと同じパスワードにならないよう乱数表にするなどの工夫がされています。

ビジネスでの使い方④連携により効率と対応力がUP「マトリックス組織」

組織

「マトリックス組織」は主にビジネス組織における形態の1つで、「異なる組織を縦や横の関係に掛け合わせて社員が各部署に属する形態」を意味します。ビジネスシーンで用いられることが多い形態で、異なるチームに関しても使います。しかし、どのような形態なのか?イマイチ分かりにくいかもしれません。

簡単に言えば「現時点で属している組織・チーム・部署以外にも属する」ことで、それにより「業務対応を柔軟にする」目的があります。マトリックス組織は「双方の組織にとっての利点があるように効率を高める組織形態」ですが、基本的に各組織・チーム・部署に上司がいるため、属する数の分だけ上司が増えます。

ビジネスでの使い方⑤各部署からの学びを活かす「成長マトリックス」

学ぶ

「成長マトリックス」は主にビジネスシーンで用いられる使い方で、「各部署の良い特徴を1つ1つ学ぶことでチームをまとめる力が身に付き、事業アイデアも増えて利益の上昇にも繋がること」を意味します。

いつくもの部署やチームが存在する組織は、それら全ての部署・チームがあって成り立っています。自分の部署やチームだけが出来れば良いということは無く、各自が良い状態である必要があります。それぞれの特化した部分を知っておくことで連携が取りやすくなり、その助け合いによって効率と利益が上がるのです。

以下の記事では、ビジネスメールのマナーについてご紹介しています。ビジネスシーン繋がりでのご紹介になりますが、気になる方はご覧ください。自分にとって不慣れな部署に関した対応であったり、自分以外の詳しい人に聞く・代わるなどを伝える際に役立つ情報があるかもしれません。

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マトリックスの英語での意味は?

意味の基礎は「生み出す行為や機能」

勉強

「マトリックス」は英語ですが、英語と日本語では捉え方に違いがあります。これまでにもお伝えした通り日本語では「母体・基盤・基質」と訳されることが基本であり、元来の意味「生み出すこと・生み出す機能」がイメージされにくい感じになっています。

英語での意味は「生み出すこと・生み出す機能」に着目しているため、元来の意味をイメージしやすい使い方になります。「子宮」や「子宮の形状や状態」「月経」に着目して科学的な命名に用いられることもありますが、英語における「マトリックス」=「子宮」の使い方は、現代では古い英語の表現とされています。

古くは「子宮」の意味でも用いた

妊婦さん

先述の通り、英語におけるマトリックスは「子宮」の意味で用いるのが一般的であった時代もあります。英語にはラテン語を語源としている単語が多く存在し、古い英語は今よりもラテン語の意味を強く持っていました。しかし時が流れて、意味合いが変化した英語もたくさんあります。マトリックスもその一つです。

現代でもラテン語由来の意味「子宮」で使われることもありますが、一般的には「生み出すこと・生み出す機能」に着目して用いられます。「生み出す」ことは様々な科学的場面で生じることなので、そのような意味の着目の仕方にした方が使いやすかったと考えられます。

「子宮」だと「生み出す」という機能的なことよりも「子宮そのもの」のイメージが強くなってしまうため、「生み出す」の意味で使うことを繰り返していくうちに「子宮」よりも「生み出す」意味が定着したのでしょう。また、英語では「成長」や「発展」の意味で用いられることも多いです。

英語と日本語では読み方が異なる

勉強

「マトリックス」と読むのは日本語の読み方で、英語では「Matrix」を「メイトリクス」のように読みます。英語における読み方を考えると「マトリックス」よりも「マトリクス」と言った方が近いのかもしれませんが、日本では「マトリックス」の方が一般的であり、知っている人も多いです。

その理由は「映画マトリックス」の影響ですが、なぜ「マトリックス」というカタカナ表記にしたのか?が問題です。恐らく「メイトリクス」と言う時に「リ」と「ク」の間に「ッ」があるように聞こえるからですが、どうしてメイトリクスでは無くマトリックスの表現を用いたのか?について、本当のところは定かではありません。

映画だけで無い「マトリックス」ビジネスや数学など各意味で正しく使おう!

ビジネスシーン・数字配列を表す数学用語・データなどの表作成の中で登場する「マトリックス」は、日本語で「母体・基盤・基質・行列・鋳型」などを表す言葉です。由来はラテン語で「子宮」を表す語でありますが、現代の英語では「子宮そのもの」よりも「子宮の機能性」である「生み出す」に着目した使い方が一般的です。

マトリックス表・マトリックス演算・マトリックス認証など使い方は様々であり、科学的な命名でも見かけることがあります。日本では映画マトリックスのイメージが強くなりがちですが、「時と場合によって用語としての使い方があること」や「英語では生み出す機能に着目した使い方が多いこと」は覚えておきましょう。


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