留意の意味は?注意との違いや類語・健康や事項などでの使い方も
よく「留意する」や「留意事項」といった言葉を、書類などで目にしますよね。手紙でも、「ご留意ください」というフレーズを、頻繁に見かけます。でも、似ている単語の「注意」との違いを、きちんと説明できますか?今回は、この「留意」の意味を、類語や正しい使い方と併せてご紹介いたします。
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留意の意味や注意との違い
留意の意味や注意との違い①留意の意味は心に留めて意識すること
「留意」とは、ある事柄や物事を心に留めて意識する、という意味です。心の片隅にそっと置いて、残しておくようなイメージを持つと、違いが分かりやすいかもしれません。
漢字を分析して考えてみましょう。「留」には「留まる、その場に引き留める」、「意」には「心で思っていること、考え」という意味があります。ですから、「留意」は「ある事柄を常に心掛けて、それにいつも気を配ること」を指します。
留意の意味や注意との違い②「注意」よりも危険度が低い
「留意」は、「注意」よりも危険度が低いという違いがあります。どちらも、気にかけて意識しなければならないこと、という点では一緒ですが、「留意」は必ずその点を守らなくても、大きな危害が無い場合が多いです。逆に、気にかけておかないと危険が伴う場合には、「注意」を使う傾向があります。
こちらも、漢字を分析して考えてみましょう。「注」には「一点に集中する、注ぐ」という意味があります。ですから「注意」は、より神経を集中させる必要がある状況や、そういった危険が伴う事柄に対して用いられます。
例えば、「飛び出し注意」とは言いますが、「飛び出し留意」とは言いませんよね。危険を知らせて、より気にかけてもらうためには、「留意」では弱いので、「注意」の方が使われます。
留意の意味や注意との違い③「細心の」などは付けられない
「細心の注意」とは言いますが、「留意」に「細心の」といった言葉を付けることはできません。「頭に留めておく」という意味の「留意」と、「隅々の細かい点まで気にかける」という意味の「細心の」では、意味が不釣り合いになってしまうからです。「細心の」という言葉を使いたい時には、「注意」を選ぶのが妥当でしょう。
このように、「注意」と「留意」では、気をつける意識の度合いが違います。似たような意味だからといって、安易に置き換えはできません。前後に補足的な表現がある時には、特に注意しましょう。
留意の類語や対義語
留意の類語や対義語①用心
留意の類語、1つ目は、「用心」です。「用心」には、「万が一の事が起こらないように、もしくは起こっても対応できるように備えておく心構え」という意味があります。常に気を配っておく、という点では、「留意」と一緒ですね。
しかし、対象となる事柄は「留意」と違います。「留意」の場合は、これから起きる事柄だけでなく、守るべきルールや手順なども含まれますが、「用心」の場合は、起こると予測される悪い事柄や危険な出来事の時にのみ用いられます。「火の用心」などがその一例です。
留意の類語や対義語②警戒
留意の類語、2つ目は、「警戒」です。「警戒」には、「起きるかもしれない悪い事態や状況に備えて、事前に用心しておくこと」という意味があります。こちらも、常に気を配っておく、という点では「留意」と同じですね。
ただし、「用心」同様、ネガティブな物事のみが対象となります。そして、「留意」や「用心」は。主に心構えや意識を指して用いられるのに対し、「警戒」では具体的な行動を伴うことが多いです。「夜道を警戒して歩く」などがその一例でしょう。
留意の類語や対義語③油断
留意の対義語、1つ目は、「油断」です。「油断」には、「気を許すこと、それによって注意を怠ること」という意味があります。常に気を配る、という点で、「留意」と正反対の言葉ですね。
それ以外にも、あらゆる点を気にかけなればならない、という点でも違いがあります。「留意」の場合、文脈から想像できる特定の事柄のみが対象となりますが、「油断」を用いる場合は、身の回りや特定の状況のあらゆる事柄全てが、気にかけるべき対象となります。
そのため、「油断してミスした」とは言えますが、「留意していなかったのでミスした」とそのまま言うと、「何に留意していなかったのか?」と疑問を持たれてしまいます。「油断」を置き換えて表現したい場合には、「○○に留意していなかったためミスした」という言い方をしましょう。
留意の類語や対義語④失念
留意の対義語、2つ目は、「失念」です。「失念」は、「うっかり忘れてしまうこと」を指します。常に心に留めておくべき点を、何らかの理由やミスで忘れてしまっていた場合などに、用いるフレーズです。
また、「留意」は意識の問題であるのに対し、「失念」は、より具体的な行動に対して用いられます。例えば、「メールの返信を失念する」、「パスワードを失念する」などです。留意していた事柄も含め、何かを忘れてしまった際に使える便利な表現です。ぜひ覚えておきましょう。詳しい使い方は、下記記事をご参照ください。
留意の使い方や例文5選
留意の使い方や例文5選①留意する
留意の使い方や例文、1つ目は、「留意する」という使い方です。一般に、「留意」だけで使われることはほとんどなく、このように「する」を付けて用いられます。例えば、「締め切りに留意する」、「リクエスト内容に留意しつつ書く」などです。
なお、「締め切りに注意する」という表現に置き換えた場合には、「留意」の時よりも切迫感が出ます。締め切り日が迫っていて焦っている、または、以前に締め切り日を守れなくて困った経験がある、というニュアンスがプラスされるので、違いに気をつけてくださいね。
- ・服装に留意する。
- ・予算に留意しながら仕事を進める。
留意するを使った例文
留意の使い方や例文5選②留意点
留意の使い方や例文、2つ目は、「留意点」という使い方です。「留意しておいてほしい点」を指して用います。相手に知らせておきたい点がある際に、この表現を使って伝えることができます。
特に、「注意点」としてしまうと、ニュアンスが強くなりすぎてしまうような場合には、この表現がぴったりでしょう。より柔らかく聞こえるので、目上の人やお客様などに対して使いたい場合に、とても便利です。
なお、自分が気にかけておきたい点についても、「留意点」を使うことができます。例えば、新しい仕事を任された時に、「この仕事を進めていく上で、何か留意点はありますか?」といった質問をすることができます。仕事のコツを教えてもらいつつ、知性もアピールできるので、積極的に使ってみてくださいね。
- ・当施設のご利用にあたっての留意点を掲載いたしますので、ご一読ください。
- ・このプロジェクトを進めていく上で、何か留意点はありますか?
留意点を使った例文
留意の使い方や例文5選③留意事項
留意の使い方や例文、3つ目は、「留意事項」という使い方です。ビジネスシーンにおいて、1番よく見かける使われ方ですよね。こちらも、「覚えておいてほしい事柄」がある場合に用いられます。
「留意点」とほぼ同義ですが、留意点がたくさんあり、一覧となっているような状態を指して、「留意事項」と使われる場合が多いです。「下記留意点をご確認ください」より、「下記留意事項をご確認ください」という方が、確認すべき内容が多いことが、よりはっきりと伝わります。
- ・下記留意事項をご確認の上、お申し込みください。
- ・この作業にあたっての留意事項をお配りします。
留意事項を使った例文
留意の使い方や例文5選④健康にご留意ください
留意の使い方や例文、4つ目は、「健康にご留意ください」という使い方です。「お体に」もよく使われます。「留意」には、「気をつける、心がける」という意味もありますから、「健康に気をつけながらお過ごしください」というメッセージになります。メールや手紙の最後に、この言葉を添えることが多いです。
なお、「ご注意ください」に置き換えることも可能です。ただし、その場合は、既に体調を崩していたり、何らかの不調を抱えている相手にのみ使われます。単に相手を気遣う一言として用いる時は、「ご留意」が正解なので、混同しないようにしましょう。
- ・健康にご留意の上、ますますのご活躍を期待いたしております。
- ・くれぐれもお体にご留意ください。
健康にご留意くださいを使った例文
留意の使い方や例文5選⑤ご留意のほど宜しくお願いいたします
留意の使い方や例文、5つ目は、「ご留意のほど宜しくお願いいたします」という使い方です。クッション言葉となる「ほど」を加え、さらに「宜しくお願いいたします」で文を締めているので、とても丁寧な響きになります。
何かをお願いする時に、重宝する言い回しですので、覚えておきましょう。他にも、「ご留意のほどお願い申し上げます」や「ご留意のほどお願いいたします」という表現に置き換えることも可能です。
- ・以上の点、ご留意のほど宜しくお願いいたします。
- ・猛暑の折、ご健康には一段とご留意のほどお願い申し上げます。
ご留意のほど宜しくお願いいたしますを使った例文
留意の英語表現や英文例
「note」を使って表現する
留意の英語表現や英文例、1つ目は、「note」を使った英語表現です。「note」には、「注意して心に留めておく」という意味がありますので、「留意」を表現するのにぴったりな単語です。
「Please note that~」と言えば「~にご留意ください」という文を作ることができます。また、「点、項目」という意味の「point」と「~するための」という意味の「to ~」を組み合わせて、「point to note」とすれば、「留意点、留意事項」というニュアンスを伝えることができます。
- ・Here is the list of points to note. (こちらが留意事項一覧です)
- ・Please note that we are closed every Monday. (毎週月曜日は定休日のためご留意ください)
noteを使った例文
「attention」を使って表現する
留意の英語表現や英文例、2つ目は、「attention」を使った英語表現です。「attention」には、「注目、気配り」といった意味があります。常に気にかけておく、という点で、「留意」を表すのに便利な単語です。
先ほども出てきた「point」と、「~の」という意味の「of ~」を組み合わせて、「point of attention」とすれば、「気にかけるべき事項」という意味になり、留意事項を表すフレーズとして仕えます。
- ・Here is the points of attention. (こちらが留意事項です)
attentionを使った例文
「remember」を使って表現する
留意の英語表現や英文例、3つ目は、「remember」を使った英語表現です。「remember」には「覚えておく、記憶しておく」という意味があります。気をつけてほしいというよりも、覚えておいてほしいというニュアンスが強く伝わる言い回しです。
先ほども出てきた「point to ~」と組み合わせて、「point to remember」とすると「覚えておいてほしい事項」という意味になり、留意事項を指す別の英語表現です。
- ・I read the points to remember. (留意事項を一読する)
「remember」を使った例文
留意を使いこなしてスムーズな仕事を!
いかがでしたか。「留意」は、「心に留めて意識していること」を指し、「注意」よりも危険度が低い時に用いられます。類語には「用心」や「警戒」があり、「留意事項」や「ご健康にご留意ください」といった形で、ビジネスシーンでも多用されます。「留意」の使い方に留意して、さらにテキパキ仕事をこなしてくださいね。
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