「保証」「保障」「補償」の違いは?使い分け方や使用例も分かりやすく解説!
「保証」「保障」「補償」の違いをご存知ですか?どれも読み方は「ほしょう」ですが、意味は全く違います。この記事では「保証」「保障」「補償」の意味や、どのように使い分けると良いのかをご紹介します。3つの「ほしょう」の違いをしっかり確認してくださいね!
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目次
意味|「保証」「保障」「補償」の違い・使い分け方は?
保証|間違いないこと・確かな約束
保証は、間違いないことや確かな約束です。証は確かであるしるしです。保証はその証を保つことから、「間違いない」「大丈夫だ」と約束し、もしも問題があった時には責任を取ることを意味しています。保証は「損はさせません」と相手に安心感を与える目的で使用されます。
保障|侵害から守ること・守るための仕組みや備え
保障は、侵害から守ることや守るための仕組みや備えです。障には砦や「防ぐ」の意味もあり、保障は障を保つことから守るという意味になります。権利・自由・安全など、侵害されることが想定されるものを守るべく備え、実際に侵害された時に対処する行動や仕組みを表しています。
保障は、侵害や損害が発生することを前提としており、その前提となっている状態から守るための仕組みです。この「守る」という意味を持つのは保障だけであり、約束ではなく仕組みであることを覚えておくと、使い分けに役立ちます。約束の場合は「保証」となることに注意してください。
補償|損害を補うこと
補償は、損害を補うことです。発生した損害・損失を金銭や物品で穴埋めして補い、償うことを意味しています。保証や保障との大きな違いは、補償は損害が発生したことが前提となっている点です。この損害の有無を軸に考えると、使い分けに役立ちます。
損害を軸とした「ほしょう」の使い分け方
表記 | 発生状態 | 前提 | 損害発生後の対応 |
保証 | ○発生していない | ○発生しない | 責任をとる(方法は事前取決めor事後相談) |
保障 | ○発生していない | △発生が見込まれる | 仕組みに従って対処する |
補償 | ×発生した | ×既に損した | 埋め合わせをする |
保険|「保証」「保障」「補償」の違い・使い分け方は?
保証|年金保険
保証は、年金保険で用いられる表記です。年金保険は、支払われる金額や支払い開始時期が予め決められており、被保険者の生死に関係なく保険金の支払いが約束されています。そのため、年金保険の分野においては、「保証期間付終身年金」などのように「保証」の表記が用いられます。
保証は、保険の説明ではあまり使われません。リスクに備える保険の説明で保証の表記を多用するサイトなどには注意しましょう。また、「保証保険」という商品もありますが、実態は債務不履行のリスクに備える「保障」です。債権者に安心してもらうための保険の意味合いで、名称に保証が使われています。
保障|生命保険・医療保険
保障は、生命保険や医療保険などで用いられる表記です。被保険者が亡くなった時、特定の状態になった時など、いつ起こるか判らないリスクに備え、そのリスクから本人や家族を守るのが生命保険や医療保険です。そのため、「死亡保障」「医療保障」などのように保障の表記が用いられます。
補償|損害保険
補償は、損害保険で用いられる表記です。損害保険は、損害が発生した際にその損失を補うものです。そのため、補償の表記が用いられます。尚、損害保険会社が取り扱う医療保険では、「医療補償」のように補償の表記が用いられることがあります。
ただ、損害保険には、ケガによる通院・入院・手術などに対する補償が行われる傷害保険があります。そのため、混乱しないように、傷害保険の場合には「通院補償」のように補償の表記を用いて、医療保険の場合には「通院保障」などのように保障の表記を用いるのが一般的です。
「保証」の使用例3選
①身元を保証する
1つめの使用例は、「身元を保証する」です。身元に間違いがないことを約束しているので、保証が使われます。正当性に重点を置いた使い方です。同じ意味合いで、宝石・絵画・ブランド品などが本物であることや高品質であること示す場合も保証が使われます。
②人柄を保証する
2つめの使用例は、「人柄を保証する」です。対象者の人柄に問題がないことを伝えて相手に安心感を与えるので、保証と表記されます。安心感に重点を置いた使い方です。ただ、このような意味合いで用いられた保証は根拠が曖昧で、伴う責任も軽くなりがちです。
③価格を保証する
3つめの使用例は、「価格を保証する」です。「○円をお支払いします」や「この金額にします」などと約束しているので、保証を使います。
家電製品などには、メーカーの保証書が付いてきますね。そこに記されている保証期間は、間違いなく使える期間を示しているというよりは、修理費を無料にする期間を示す意味合いが強いです。ですが、壊れることが前提ではなく安心してもらうための約束事なので、やはり「保証書」「保証期間」と表記されます。
また、賃貸経営で家賃収入の最低額を約束するシステムも、「家賃保証システム」と表記されます。入居者が少ないことに備える保障や、不足分を埋める補償ではありません。入居の有無に限らず一定の金額が大家に支払われることが約束されているので、表記は保証です。
「保障」の使用例3選
①社会保障制度のあり方を問う
1つめの使用例は、「社会保障制度のあり方を問う」です。社会保障は、税金や保険料などの形でお金を集めて、困った時に備えています。仕組みであり、いざという時に困った人の生活を守る役割を担っているので、保障の表記を使います。
②安全保障条約を締結する
2つめの使用例は、「安全保障条約を締結する」です。安全を確約しているのではなく、安全を守るための仕組みを取決めているので、「保障」が使われています。
「安全」と「ほしょう」は、注意が必要な組み合わせです。保障と保証のどちらでも意味が通じる一方で、意味は全く違うことに注意してください。「安全に過ごす権利の保護」やそのための仕組みなら保障、「必ず守る」という約束なら保証です。どちらの意味なのかを注意深く考えて、正しく使い分けましょう。
③言論の自由を保障する
3つめの使用例は、「言論の自由を保障する」です。言葉によって自分の意見を表明する権利は、民主主義の原則であり、日本国憲法の規定によって守られています。いちいち検閲を受けるようなこともなく、表現や発表の仕方は自由です。その自由権を守る仕組み・決まり事なので、保障を使います。
ここで注意しておきたいのは、権利の行使には必ず義務が伴うことです。内容や発表方法には注意を払い、最後まで責任を持ちましょう。言論の自由の「ほしょう」は、保障であって保証ではありません。何を言っても良いと思っている人は、保証と勘違いしていますよ。
「補償」の使用例3選
①損害を補償する
1つめの使用例は、「損害を補償する」です。補償には元から損害・損失を埋め合わせる意味がありますが、敢えて「損害を補償」という形で使われることはよくあります。補償の基本的な使われ方で、保証や保障との違いは歴然です。
「損害をほしょうする」という際に、保証や保障が使われていたら意味が通りませんよね。必ず損害を与えられるのでは安心できるはずもないし、損害は守られる対象ではありません。迷わずに使い分けができることでしょう。
②休業補償の対象となる
2つめの使用例は、「休業補償の対象となる」です。休業補償は、労災による休業で収入が減少した際に、その一部を補うものです。損失を埋め合わせるものなので、補償が使われます。
③万が一の際には補償がある
3つめの使用例は、「万が一の際には補償がある」です。補償と表記することで、事故などが起きた場合には損失を埋め合わせてもらえる、との意味になります。
これを「万が一の際には保障がある」と表記すると、生命保険の死亡保険金などについて語っていることになります。補償と保障のどちらを用いるかで、「万が一」とはどのような事態なのか、想定される内容が大きく変わることに注意してください。意味に応じて、正しく使い分けましょう。
「保証」「保障」「補償」の意味を把握して正しく使い分けよう
「保証」「保障」「補償」は、意味が解ってしまえば自ずと使い分けできるようになるでしょう。迷った時は、同じ意味の別の言葉に言い換えたり、他の表記で意図した通りの意味になるかを考えたりしてみると良いですよ。意味をしっかり把握して、正しく使い分けましょう。
使い分けが難しい漢字は、「ほしょう」以外にもたくさんあります。以下の記事は、その中の一つである「おすすめ」について、意味や使い方を紹介しています。こちらも是非、参考にしてみてくださいね。
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