煩雑の読み方はぼんざつ?繁雑との意味の違いや類語・英語表現も
煩雑という言葉の正しい読み方を知っていますか?「ぼんざつ」は実は間違い!正しい読み方は「はんざつ」といいます。似たような意味の「繁雑」や「複雑」との違いや、類語、使い方の例文、英語表現などについて、この記事で分かりやすく解説します。
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目次
煩雑の読み方はぼんざつ?
煩雑の読み方は「ぼんざつ」ではなく「はんざつ」
煩雑の読み方は「ぼんざつ」ではなく「はんざつ」が正解です。正しく読めていましたか?この煩雑という言葉は、「ぼんざつ」とは読みません。「煩雑(はんざつ)な~」「~で煩雑(はんざつ)だ」というような形で使われる言葉です。
煩雑を「ぼんざつ」と読むのは間違い
日本語には同じ単語でも複数の読み方をするものもありますが、煩雑の読み方は「はんざつ」のみで、「ぼんざつ」という読み方はありません。間違えて「ぼんざつ」で覚えてしまっていた人は「ぼんざつ」ではなく「はんざつ」と正しく覚え直しておきましょう。
煩に「ぼんざつ」の「ぼん」という読み方はある
煩雑を「ぼんざつ」と読んでしまう要因に、「煩」の字に「ぼん」の読み方があることが考えられます。「煩悩(ぼんのう)」と書いた場合は「ぼん」と読みますし、煩雑より煩悩の方がどちらかといえば目にする機会が多いかも知れません。しかし熟語の数でいえば「煩」の字は「はん」と読むことの方が圧倒的に多いです。
煩雑の意味とは?
煩雑の意味はこみいっていてわずらわしいこと
煩雑の意味は、こみいっていてわずらわしいこと、面倒なまでにこみいっていることです。この「わずらわしい」「面倒なまでに」という感情が他のよく似た熟語との違いになりますので、単純に「こみいっていること」ではなく、こみいっていて「わずらわしいこと」であると正確に覚えておきましょう。
「煩」の意味はわずらわしいこと
煩雑の「煩」の漢字の意味は、わずらわしいことです。わずらわしいというのは、面倒くさい、できれば避けたいという気持ちです。ちなみに、わずらわしいを漢字で書くと「煩わしい」となります。煩雑の類語としても使われる言葉です。
「雑」の意味は混じり合っていること
煩雑の「雑」の漢字の意味は、色々なものが混じり合っていることです。「雑然とした部屋」は片付けられていなくてごちゃごちゃとした部屋のことですし、「雑草」といえば自然に生えている多種多様な草のことを指します。
煩雑と繁雑の意味の違いは?
繁雑の読み方は「はんざつ」
煩雑によく似た言葉に「繁雑」というものもあり、読み方は同じく「はんざつ」です。「繁」は草木などが生い茂っている様子を表す漢字です。草木が雑多にごちゃごちゃと生えている様子をイメージとして持っておくと、言葉の使い分けを考えるときに役に立ちます。
繁雑の意味はやることが多くてごたごたすること
繁雑の意味は、やることが多くてごたごたすることです。煩雑と一見すると同じようにみえますね。煩雑も繁雑も読み方は「はんざつ」で意味も似ているので同じ言葉として使われることがあり、類語として紹介している辞書も多いです。しかし、実はこの2つの言葉には明確な違いがあります。
煩雑と繁雑の意味の違いは面倒臭さの有無
よく似た言葉の煩雑と繁雑の意味の違いは、そのことに対して面倒臭さを感じているかどうかという点です。それぞれの言葉の意味を思い出してみてください。煩雑は「こみいっていてわずらわしいこと」、繁雑は「やることが多くてごたごたしていること」でしたね。
煩雑の方には、やらなければいけないこと、考えなければならないことが非常に入り組んでいて、それに対して面倒臭い・嫌だと感じているというニュアンスがあります。一方の繁雑には、やることは多くてまとまりがないものの、それに対してマイナスの気持ちを抱いているわけではない、という違いがあります。
つまり、やらなければいけないことに対して嫌な思いをしている面が強いときは「煩雑」、やらなければいけないことの量の多さを示したいときは「繁雑」を使うのだと覚えておけばよいでしょう。
煩雑の類語5選
煩雑の類語①複雑
煩雑の類語の1つ目は、複雑です。こちらも煩雑や繁雑とよく似た言葉ですね。類語としてよく紹介されています。複雑には、重なり混じり合ってこみいっていることという意味があります。煩雑に比べて、わずらわしい、面倒臭いと感じる思いがあるとは限りません。
煩雑の類語②面倒
煩雑の類語の2つ目は、面倒です。手間がかかって大変なこと、不快なことなどの意味があります。「煩雑な仕事」を「面倒な仕事」というように言い換えることができます。ただし面倒ではあっても、煩雑なわけではない状況もあるので、その点は注意して使うようにしましょう。
煩雑の類語③厄介
煩雑の類語の3つ目は、厄介です。こちらも面倒と同じく、手間がかかって大変なことを表す言葉です。「~で煩雑だ」を「~で厄介だ」とそのまま置き換えても意味が通じることが多いでしょう。ただし、厄介には誰かの世話をするという意味もあるので、「厄介」を「煩雑」に置き換えるときには注意が必要です。
煩雑の類語④ややこしい
煩雑の類語の4つ目は、ややこしいです。こみいっていて分かりにくいことという意味があります。「ややこ」というのは赤ちゃんのことで、赤ちゃんのように分かりにくく理解が難しい様子を表現しています。ちなみに「ややこしい」の対義語は「大人しい」となります。
煩雑の類語⑤わずらわしい
煩雑の類語の5つ目は、わずらわしいです。漢字で書くと「煩わしい」となります。煩雑の「煩」の字が使われていることから分かるように、ほとんど同じ意味で使うことができます。ただ、物事がこみいっているというよりは、面倒臭い、大変だ、という気持ちを強く表しています。
煩雑の対義語3選
煩雑の対義語①簡略
煩雑の対義語の1つ目は、簡略です。簡単の「簡」と、省略の「略」の字を合わせた熟語なので、意味は分かりやすいですね。簡単で手間がかからないことを意味する言葉です。「煩雑な手順」はややこしくて分かりにくい手順ですが、「簡略な手順」は難しいところが省略された分かりやすい手順です。
煩雑の対義語②簡易
煩雑の対義語の2つ目は、簡易です。こちらも簡単の「簡」の字と、容易の「易」の字を合わせた熟語です。意味は、簡単でたやすいことです。手軽とも言い換えられます。簡易なことなら、煩雑なことのようにわずらわしさを感じたり面倒臭さを覚えたりはしないでしょう。
煩雑の対義語③簡素
煩雑の対義語の3つ目は、簡素です。やはり簡単の「簡」の字と、質素の「素」の字を合わせた熟語で、意味は無駄がなく簡単なことです。煩雑はごちゃごちゃとこみいっていてわずらわしいもの、簡素はすっきりシンプルにまとめられているものをさします。
煩雑の使い方例文5選
煩雑の例文①煩雑な仕事にうんざりする
煩雑の例文の1つ目は「煩雑な仕事にうんざりする。」です。たとえば提出しなければならない書類が膨大にあり、それぞれ書式と報告先と期限が異なり、並行して打ち合わせがぎっしり詰まっている、というように想像するだけでうんざりしてしまいそうな仕事がまさに「煩雑な仕事」と言えるでしょう。
煩雑の例文②こんなに煩雑な依頼とは思わなかった
煩雑の例文の2つ目は「こんなに煩雑な依頼とは思わなかった。」です。依頼を受けてみたら最初に聞いていたものとは違って面倒臭いことがたくさんあるような状況だったのかも知れません。逆に簡易な依頼なら、誰にでもできそうなたやすい依頼と考えられますね。
煩雑の例文③使い方が煩雑で分かりにくい
煩雑の例文の3つ目は「使い方が煩雑で分かりにくい。」です。みなさんも経験のある状況ではないでしょうか。新しい電化製品やアプリなど、使い方を説明されても何をどうすればいいのかピンと来ない、手順がややこしくて面倒だ、そんなときも煩雑を使うことができます。
煩雑の例文④煩雑な人間関係にへとへとだ
煩雑の例文の4つ目は「煩雑な人間関係にへとへとだ。」です。煩雑は、物事だけでなく、人間関係などに対しても使うことができます。一見しただけでは分からないこみいった人間関係に巻き込まれると神経がすり減ってしまいますよね。そんな面倒な人間関係は煩雑であるといえるでしょう。
煩雑の例文⑤煩雑すぎるシステムに目が回る
煩雑の例文の5つ目は「煩雑すぎるシステムに目が回る。」です。目が回ってしまうほど、ややこしく分かりにくいシステムなのだろうと想像できます。いったいどんなシステムなのでしょうか。この反対にシンプルで分かりやすいシステムなら「簡素なシステム」と言い表すことができます。
煩雑の英語表現3選
煩雑の英語表現①complicated
煩雑の英語表現の1つ目は「complicated」です。ひどくこみいった、複雑な、という意味を持つ形容詞です。たとえば「煩雑な作業」を「complicated」を使って表現すると「complicated work」となります。
煩雑の英語表現②complex
煩雑の英語表現の2つ目は「complex」です。コンプレックスというと日本語では劣等感という意味で用いられることが多い言葉ですが、辞書的な意味は、複雑な、入り組んだ、というものです。たとえば「この課題は煩雑だ。」という文章は「This problem is complex.」と訳すことができます。
煩雑の英語表現③intricate
煩雑の英語表現の3つ目は「intricate」です。複雑な、もつれた、という意味の言葉です。「complicated」や「complex」と比べるとやや硬い言い回しになります。たとえば政治家が取り組むような「煩雑な問題」を「intricate issue」と表現します。
煩雑と繁雑と複雑の使い分け練習問題3選
煩雑と繁雑と複雑の使い分け練習問題①手順が難解で××だ
煩雑と繁雑と複雑を使い分けるための練習問題の1つ目は「手順が難解で××だ。」です。この××には、煩雑・繁雑・複雑のうちどの言葉が入るでしょうか?意味がとても似ている3つの言葉ですが、ポイントを抑えておけばきちんと使い分けることができます。
ここまでに紹介した3つの言葉の意味をふまえて、どの言葉が適切か考えてみてください。答えと問題の解説は記事の続きにあります。
煩雑と繁雑と複雑の使い分け練習問題②やることが多くて××だ
煩雑と繁雑と複雑を使い分けるための練習問題の2つ目は「やることが多くて××だ。」です。この××には、煩雑・繁雑・複雑のうちどの言葉が入るでしょうか?3つの言葉を使い分けるためのポイントは、その物事に対して面倒臭いという気持ちがあるかどうかでしたね。
煩雑と繁雑と複雑の使い分け練習問題③××すぎて見たくもない書類だ
煩雑と繁雑と複雑を使い分けるための練習問題の3つ目は「××すぎて見たくもない書類だ。」です。この××には、煩雑・繁雑・複雑のうちどの言葉が入るでしょうか?これまでの2つの問題と、文章の内容が少し違っていることに気付きましたか?さあ、それでは答えと解説の発表です。
煩雑と繁雑の使い分け方の練習問題の解答3選
煩雑と繁雑の使い分け練習問題解答①正解は複雑
煩雑と繁雑の使い分け練習問題の解答と解説、1つ目の問題の正解は「複雑」でした。「手順が難解で複雑だ。」になります。見分けるポイントは2つあります。
1つ目は、手順が難解であるということは、単純に量が多いだけではないということです。ここから繁雑ではないと推測できます。2つ目は、そのことに対して面倒だと感じているかまでは分からないということです。この2つのポイントから、わずらわしさが強調される煩雑よりも、複雑が適していると言えるのです。
煩雑と繁雑の使い分け練習問題解答②正解は繁雑
煩雑と繁雑の使い分け練習問題の解答と解説、2つ目の問題の正解は「繁雑」でした。「やることが多くて繁雑だ。」になります。見分けるポイントは2つあります。
1つ目は、やることが多いと言ってはいるが、それが分かりにくいとは言っていません。そのため、複雑ではないと推測できます。2つ目は、作業量が多いことを面倒だと感じているとも書いていない点です。この2つのポイントから、答えは繁雑であると考えられるのです。
繁雑の使い分け練習問題解答③正解は煩雑
煩雑と繁雑の使い分け練習問題の解答と解説、3つ目の問題の正解は「煩雑」でした。「煩雑すぎて見たくもない書類だ。」になります。見分けるポイントは1つだけです。
煩雑という言葉は、繁雑や複雑と違い、そのことに対するわずらわしさ、面倒臭さに主眼があるということを解説していましたね。この文章にはまさに「見たくもない」というマイナスの気持ちが表れています。そのため、この問題の正解は「煩雑」であると言えるのです。
煩雑と繁雑の意味の違いを知り正しく使い分けよう!
煩雑は「ぼんざつ」と読み間違えることがあったり、読み方が同じで意味もよく似ている「繁雑」という言葉があったりと、正しく使うのは難しい言葉です。しかし、難しいからこそしっかり使いこなせればかっこいいですよね。これらの言葉の意味と使い方の違いを理解し、正しい日本語を使っていきましょう!
使い分けが難しい正しい日本語については、以下の記事でも紹介しています。今よりもっと日本語力をあげたい人はぜひ読んでみてくださいね。
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