ペンディングの使い方と意味は？ビジネスの保留状態と事項とは

ビジネス用語のペンディングってどんな意味？

ビジネス用語の「ペンディング」の意味

ビジネス用語である「ペンディング」の意味についてご説明します。この言葉は英語の「pending」が由来となっており、「一旦決断を見送りにする」「決定を先送りする」「物事を意図的に保留する」という意味で使われます。この言葉には「何かを取りやめる」という意味はないので使用する時は注意が必要です。

「ペンディング」が使われる場面

「ペンディング」という言葉が使用される場面についてご説明します。この言葉は主にビジネスシーンで使われる言葉で、特にコンサルティング業界やIT業界などで多用される言葉と言われています。プログラミングやクライアントとの話し合いなどが行き詰まった時などに、この「ペンディング」がよく使用されています。

またIT業界ではない他業界でも、この言葉は頻繁に使用されます。使用される場面として、取引先の会社との商談や会議、話し合い、伝達事項などがあります。日常生活の中ではあまり聞き慣れない言葉ですが、ビジネスにおいては必ずと言って良いほど使用される言葉となっています。

この言葉は県庁や市役所などの公務員や、官僚なども使う言葉です。意味は同じく「保留」「先送り」という意味ですが、中央官庁などでは「P」と略されて使うことが多いです。この表現は、企業などのビジネス上ではあまり使われないので注意しましょう。

ビジネスにおいて「ペンディング」が必要となるシーン

ビジネスにおいて「ペンディング」が必要となるシーンをご説明します。この言葉はネガティブなイメージを持つ言葉ですので、あまり使わないほうが良い言葉です。しかしビジネスにおいてはどうしても「ペンディング」せざるを得ない場面があります。それは「重要度が低いにも関わらず意見がまとまらない議題」に対してです。

会議や商談には、優先すべき事柄や重要事項があります。しかし他の重要度の低い議題で手間取ってしまい、なかなか本題に入ることができない場面がビジネスではよくあります。そういった時に、優先度が低い案件を「ペンディング」する必要があるのです。先に優先度の高い議題を扱うことで、話し合いを円滑に進められます。

「ペンディング」は、使い所の見極めが大切です。行き詰まった案件全てを「ペンディング」すれば良いわけではありません。商談において最も大切なのは何か、この議題は今話しあう必要があるのかどうかなどを判断し、有効にペンディングを使いましょう。

ペンディングの言葉の使い方と例文

ペンディングの使い方例文①この議題は一旦ペンディングしましょう

ペンディングの使い方例文の1例目として、「この議題は一旦ペンディングしましょう」という使い方があります。この場合は「保留」という意味合いが強い使われ方です。他の議題に移りたい場合や、不確定事項が多くこれ以上の決定が出来ない場合などに、このような使い方をします。

「この議題は一旦保留にしましょう」という言い方をしてしまうと、突き放したような印象を与えてしまい、関係にひびが入ってしまう恐れがあります。相手との関係を壊さないように議題を放置したり、結論を先送りにしたい場合などに使える言葉です。

ペンディングの使い方例文②今日の会議はペンディングになりました

ペンディングの使い方例文の2例目として、「今日の会議はペンディングになりました」という例文があります。こちらは「保留」よりも「先送り」という意味合いで使われています。また、ペンディングには「中止」と意味はありません。会議が完全になくなったのではなく、先延ばしとなっただけの状態です。

もしペンディングの意味を曖昧に解釈し「ペンディング＝中止」と思っていた場合、こういった場面で思わぬミスを引き起こす原因になります。こういったカタカナのビジネス言葉は、文脈の中で解釈するだけでなく、きちんと意味を理解する必要があるのです。

ペンディングの使い方例文③この問題は随分前からペンディング状態だ

ペンディングの使い方例文の3例目として、「この問題は随分前からペンディング状態だ」という例文があります。ペンディングとは「先送り」の意味ですが、いつまでも先送りにしていいわけではありません。「ペンディング」状態の議題は後々必ず解決する必要があります。

この例文のような使い方をする場合は、かなり批判的な意見が込められていると考えてよいでしょう。ペンディングした問題は放置せず、すぐに解決するよう努力しなくてはならないのです。

「ペンディング」を使用するときの言いまわし

「ペンディング」を使用する際の言いまわしについてご説明します。この言葉は、文脈によって「ペンディングにする」「ペンディングとする」「ペンディングする」など、様々な言い回しがなされます。どのような言い回しをすればよいのか悩んでしまうかもしれません。しかし、どの言い方も間違いではありません。

また、ペンディングにはいくつかの意味がありますが、言い方で細かいニュアンスが変わることもありません。「この言い方だとこういった意味になってしまう」などということはありませんので、言い回しは気にせずに使ってみてください。

ペンディングの語源の英語の意味は？

ペンディングの語源は英語の「pending」

日本語の「ペンディング」の言葉の語源は、英語の「pending」です。この単語は「pend」という英語の形容詞系となっており、「未決定の状態のままである」「宙ぶらりんである」という意味があります。日本語の「ペンディング」と、ほとんど同じ意味で使われる言葉ですが、違った意味を持つ場合もあります。

「ペンディング」の他にも、英語が元になっているビジネス用語は溢れています。こちらに関連記事を載せておきますので、興味があるかたは参考にしてみてください。

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日本語の「ペンディング」との意味の違いとは

日本語の「ペンディング」と英語の「pending」の違いとは何か、ご説明します。ほとんど同じ意味で使われる2つの言葉ですが、英語の「pending」には日本語にはない意味があります。それは「災害などが差し迫っている」「何かが起ころうとしている」という意味です。

「Danger is pending.（危険が差し迫っている）」などのように、今まさに物事が動き出そうとしているような状態を表すことができます。この用法は、日本語の「ペンディング」にはないものです。ですので、「戦争が起こりそうだ」という状況を「戦争がペンディングしている」と言うことはできません。

なぜ先送りと言わずにわざわざペンディングと言うのか？

「ペンディング」と言う理由①日本語の「先送り」「保留」は印象が悪いから

「ペンディング」と言う理由の1つ目に、日本語の「先送り」「保留」という言い方は印象が悪い、ということがあります。日本人は物事をはっきり伝えることを嫌う傾向にあり、曖昧な言葉で角を立てないようにします。特にネガティブな事を伝える時は、なるべくオブラートに包んだ言い方を好みます。

もし「この案件は先送りにしましょう」とはっきり言ってしまうと、相手の気分を損なってしまう可能性があります。ビジネスにおいて取引先の機嫌を悪くするような事態は、会社の信用や今後の商談に悪影響を及ぼしかねません。

そのため、「先送り」「保留」という日本語の使用は避け、英語の「ペンディング」という言い方を使うことで、相手に与える印象を良くしようとしているのです。意味の違いはほとんどないので、伝えたいニュアンスはそのままに相手への印象のみを良い方向に変えることができます。

「ペンディング」と言う理由②語感が柔らかく前向きなイメージがあるから

「ペンディング」と言う理由の2つ目に、語感が柔らかく、前向きなイメージがある、ということがあります。「先送り」「見送り」という言葉は堅苦しくよそよそしい印象を与えます。これらと比較し、「ペンディング」は半濁音の「ペ」が最初に来ていることもあり、柔らかい印象を与えます。

また、「先送り」という言葉を使うと「互いの意見が噛み合わなかった」という暗いイメージをもたらしてしまいます。しかし「ペンディング」という言葉には「一旦話を持ち帰り、改めて考え直す」というニュアンスが含まれています。相手側に、今後明るい方向に転化するという期待を持ってもらうことができるのです。

ペンディングという言葉を使用するときの注意点は？

ペンディングという言葉を使うときの注意点①多用しすぎない

ペンディングという言葉を使うときの注意点の1点目として、多用しすぎないということがあります。ペンディングは日本語の「保留」などに比べてイメージが良く、使いやすい言葉です。しかし、本来持っている意味は「結果を出すのを後回しにする」といったネガティブなものです。

使いやすいからといろんな場面で「ペンディング」を多用すると、結果的に印象を悪くし、信頼も失ってしまいます。ペンディングは元々良い意味ではないと理解し、なるべく「ペンディング」しないように気を配ることが大切です。

ペンディングという言葉を使うときの注意点②保留した問題は解決する

ペンディングという言葉を使うときの注意点の2点目として、保留した問題は解決するということがあります。ペンディングには「中止する」「取りやめる」といった意味は含まれていません。「ペンディングをした＝解決」というわけではなく、ただ宙ぶらりんの状態で放置しているだけです。

「ペンディング」した問題の中には他企業との案件もあるでしょう。そういった場合、もし案件を解決せずに放置していては相手に迷惑をかけてしまうことになります。「いつまでに結論がでるのか」をはっきり相手に提示し、解決に向けて働きかける必要があります。

「ペンディング」した案件の中には、「却下したかったが、その場の空気を悪くしないために一旦保留にした」というようなものもあるでしょう。そのような案件も、そのままなかったことにするのではなく、きちんと結論を伝えなくてはなりません。

ペンディングという言葉を使うときの注意点③ペンディング事項を共有する

ペンディングという言葉を使うときの注意点の3点目として、ペンディング事項を共有するということがあります。ビジネスでは日々多くの問題が起き、様々な議題が持ち上がります。新たな議題と向き合う中で、ペンディングした問題のことは忘れてしまいがちになります。

つまり、1人ないしは少人数でペンディング事項を抱えるということは、「ペンディングした議題を忘れやすい状況を作っている」のと同じなのです。ペンディング事項は後々解決する必要があるものです。保留した事柄をきちんと整理し、なるべく大勢で共有することが大切なのです。

「ペンディング」の使用頻度には注意が必要

「ペンディング」は、柔らかく前向きな印象を与え、マイナスの意味合いをやわらげてくれる言葉です。ネガティブなイメージが軽くなるので、印象が重要なビジネスにおいて欠かせない用語の一つです。しかし全ての問題をペンディングすれば良いわけではありません。ペンディングが必要な場面を見極めることが何より重要です。