歳神様とは?祀り方や松の内の時期・お正月や歳徳神との関係も
お正月にお迎えする神様である「歳神様」ですが、実は神社などで祀られている神様とはまた違う神様なのです。そこで今回は、お正月飾りや松の内などにも深く関係している歳神様をお札や神棚などで祀る時の正しい時期・祀り方や歳神様に関するトリビアをご紹介していきます!
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歳神様はどんな神様?
歳神様・歳徳神とは生活に関する様々な物を司る神様の総称
お正月にお迎えする神様として知られている歳神様・歳徳神様ですが、歳神様とは元々日本の各地域で信仰されていた神様や、古来から日本人の生活に無くてはならない農耕・豊穣に関する神様を表していました。現在では、それぞれの神様が同一視されて「歳神様」という総称で呼ばれるようになったとされています。
また歳神様・歳徳神様とはいっても、地域によって神様の名前や内容が異なっている場合もあります。一般的には一年間の五穀豊穣や豊作を司るとされている「穀物神」と「神道の豊穣神」、一年に一度初日の出とともに家に訪れる神様「来訪神」などといった神様を総じて「歳神様」と呼びます。
お正月に迎える歳神様とは一年の幸せをお祈りするための神様
歳神様・歳徳神様といえば「お正月」というイメージが定着していますが、歳神様をお正月にお迎えするのには古来から五穀豊穣・長寿・無病息災・家内安全などといった生活の様々な面において「一年の幸せをお祈りする」という意味が込められています。
歳神様の祀り方と祀る時期とは?
歳神様に関するお正月飾りを飾る時期は主に12月13日から松の内まで
歳神様・歳徳神様をお迎えする時や、祀る時に用いられるお正月飾りは大きく分けて「一年間の幸せを祈願する」という意味と「厄災を払いのける」という意味が込められており、より歳神様のパワーを効果的に受けるためには適切な時期に正しい祀り方をする必要があります。
お正月飾りを飾り始める時期は一般的に12月13日が適切であり、この日以降はいつでもお正月飾りを飾り始めても良いとされています。なかでも12月28日は、末広がりを意味する「8」が入っていることから、お正月飾りを飾る日としても縁起の良い日とされています。
また、お正月飾りは基本的に松の内まで飾っておくのが一般的です。「松の内」と呼ばれる時期は地域で異なりますが、多くの場合関東や九州は1月7日、関西を中心とした地域では1月15日が松の内とされています。松の内の後にお正月飾りを片づける時は、神社のどんど焼きやお炊き上げで処分してもらうと良いでしょう。
歳神様の祀り方①お札
歳神様の祀り方の1つ目にご紹介するのが「お札」を用いた祀り方です。「お札」と聞くと、魔除けなどといったイメージを持たれがちですが、お正月飾りの1つであるお札は大歳神様や御年神様・若歳神様の3柱の神様の姿がそれぞれ描かれたお札であり、神様からの恵みに感謝するためのものであるとされています。
お札で歳神様を祀る時には、3本の幣束を割りばしなどでお札挟むようにして立て、小さい鏡餅をお供えしましょう。神棚がある場合は神棚で祀ります。また祀る場所は、家の中でも家族が集まる場所や静かで高い場所に祀るのが一般的とされています。方角については南向きまたは東向きに祀るのが良いでしょう。
歳神様の祀り方②鏡餅
歳神様の祀り方として2つ目にご紹介するのが「鏡餅」を用いた祀り方です。大小2つの餅を重ねた鏡餅は、お正月飾りのなかでも極めてポピュラーな物の1つといえるでしょう。そんな鏡餅も、古来より神様にお供えする食べ物である「神饌(しんせん)」の1つであったり、歳神様の御神体・依り代などといった役割があります。
鏡餅を用いて歳神様を祀る時には、必ず大小2つの餅を用意します。これはそれぞれ陰・陽の側面を意味しており、福徳が重なると考えられていたことから縁起が良いとされています。鏡餅は床の間に飾るのが一般的ですが、自宅に床の間がない場合はリビングボードの上などといった高い場所で東向きまたは南向きに祀りましょう。
関西・関東などといった地域によって鏡餅の飾り方は異なっていますが、基本的には「三方」という台に白い奉書紙(または四方紅)を敷き、裏白やシデなどの葉の上に鏡餅・橙を乗せます。昆布・黒豆・串柿などといった縁起の良い食べ物を飾る地域もあります。
歳神様の祀り方③神棚
歳神様の祀り方として3つ目にご紹介するのが「神棚」を用いた祀り方です。神道を信仰する方にとっては身近なものといえる神棚は、身近に存在する八百万の神々を祀るために用いられる棚であり、歳神様も一緒に祀ることができます。神棚の左右にスペースがある場合は、神棚を中央に歳神様を右側にして祀りましょう。
神棚で歳神様を祀る時は、家の中でも家族が礼拝やお供えをしやすい場所や日の光が当たる部屋にしましょう。基本的には人の目の高さより上の場所、東向きになるようにして祀るのが一般的です。ドアの上や浴室・トイレなどといった不浄なものが溜まりやすい場所や仏壇と向かい合う場所には設置しないようにしましょう。
また御神座の順位に注意しましょう。一般的には神棚の中央が最上位であり、神棚に向かって右が2番目、左が3番目となっています。
歳神様の祀り方④門松
歳神様の祀り方として4つ目にご紹介するのが「門松」を用いた祀り方です。お正月飾りの定番ともいえる門松は、一般的に門の前などに飾られることが多いですが、これは「歳神様が迷わず家に辿りつけるための目印」という役割を持っているからなのです。
歳神様の依り代の1つでもある門松を飾る時期は、古来から「正月事初め」「松迎え」とされている12月13日が適切な時期とされています。現在では、クリスマスを終えてから正月飾りの用意をするのが定番になっていることから、門松を飾る時期は12月26日頃が一般的であるとされています。
門松で歳神様をお迎えする時に注意すべきなのは「大晦日にあたる12月31日は避ける」ことです。12月31日に門松や正月飾りを用意することは「一夜飾り」と呼ばれる行為であり、歳神様をないがしろにしていると考えられてきたことから縁起が悪いとされています。遅くても12月30日までには飾るようにしましょう。
歳神様の祀り方⑤歳神様に関するものと一緒に置いてはダメなもの
歳神様の祀り方として5つ目にご紹介するのが「歳神様に関するものと一緒に置いてはダメなもの」です。神棚などで他の神様と一緒に祀ることができる歳神様・歳徳神様ですが、松の内まで飾る食べ物やお正月飾りなどといった歳神様に関するものを飾る時には一緒に置いてはいけないものも存在するのです。
それはニンニクなどといった「臭いのきつい食べ物」や、普段から神棚で祀っている神様(=氏神様)に関する食べ物です。特に氏神様に関する食べ物は知らない人も少なくありません。歳神様がお正月にお迎えする神様であるのに対して、氏神様は地域を守護する神様という異なる神様であることから分けて祀ると良いでしょう。
歳神様とお正月との関係は?
お正月にお迎えする歳神様は先祖の霊であるとされている
歳神様とお正月が深く結びついている理由の1つとして「歳神様は先祖の霊である」という考え方にあります。日本人には古くから、作物や道具などの万物に命があるという考え方があり、人間が死んだ後には「祖霊」という姿になって田や山の神になり、お正月には子孫繁栄の様子を見守るために家にやって来るとされています。
現在では一年を代表する行事の1つとしても知られるお正月・松の内ですが、元々は先祖を祀るための行事であり、現在でいうお盆と同じようなイベントとされていました。しかし、仏教の浸透や人々のライフスタイルの変化などから、歳神様を迎えて一年の幸せを祈願するという行事に変化したとされています。
お正月に食べるおせち料理やお雑煮も歳神様と関係がある
お正月ならではの代表的な料理ともいえる「おせち料理」や「お雑煮」も、実は歳神様と深く関係があるとされています。地域によって味が異なることでも知られているこれらの料理ですが、お雑煮はかつてお供えものとして飾っていた餅を食べることで歳神様の加護を受けるという意味を持っていました。
おせち料理も歳神様へのお供えものとしての役割を持っています。おせち料理を食べる時に用いる「祝い箸」は、両端が細くなっているのが特徴的ですが、あの形は歳神様と一緒におせち料理・お食事をいただけるようにという意味が込められているのです。
お正月にもらえるお年玉は歳神様からの贈り物
また、子ども達にとっては待ち遠しいイベントの1つでもあるのが「お年玉」です。現在では「子ども達へのちょっとしたお小遣い」としてのイメージが定着していますが、その起源は正月に作る丸餅で「歳神様の魂が分け与えられる」という意味で贈られたものであり、現在のような金銭ではなく「餅」を贈ったとされています。
お正月以外の歳神様・歳徳神様
お正月以外の歳神様・歳徳神様①なまはげ
青森県を中心に親しまれている「なまはげ」は、恐ろし姿子が子ども達のトラウマの一つにもなっていますが、実は歳神様の化身とされており、大晦日から元旦の間に訪れたなまはげをもてなすことで厄災から家を守ってくれるとされています。ドンドンと音を立てて家に来るのも、家に付いた厄を落とすという意味があります。
お正月以外の歳神様・歳徳神様②恵方巻き
節分の時期になると多くの人が口にする「恵方巻き」ですが、恵方巻きを食べる時に向く方角である「恵方」というのが、歳神様がいる場所の方角であるとされており、節分自体が歳神様に深く関係する行事でもあるのです。
お正月に歳神様を迎えて幸せな一年にしよう!
新しい年のスタートにあたる日の行事である「お正月」は日本古来から親しまれてきたイベントであり、日常生活の様々な場面で幸せをもたらしてくれる歳神様・歳徳神様と深く関係しているものでもあります。ぜひお正月には正しい祀り方・迎え方で歳神様をお迎えしましょう!
日本でも深く親しまれている「お正月」ですが、国や地域が変わればスタイルも大きく異なります。なかでも「旧正月」と呼ばれる日は中国や韓国では様々な過ごし方をするといわれています。関連記事では、そんな「旧正月」とはどんな日なのかを解説している記事を掲載していますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
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