聖人君子とは?品行方正などの類語や対義語・皮肉ではない使い方も
「聖人君子」と聞くとどのような人物がイメージされますか?「聖人君子」は褒め言葉として使用されますが、堅物な人物への皮肉めいた使い方をされることもあります。そんな複雑な「聖人君子」の、正しい意味や使い方、対義語や類語について紹介していきたいと思います。
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聖人君子とは?対義語や類語も
聖人君子とは①徳と学識に優れた立派な人物
聖人君子についての1つ目は、徳と学識に優れた立派な人物を表すための言葉だということです。徳とは、身についた品性や人格のことを意味します。優れた徳を持つとされるのが「聖人」となります。「君子」は、学識を持ち、人々の模範となる人物のことを指します。「聖人」と「君子」という語から成る、四文字熟語です。
聖人君子とは②「偉大・崇高・高貴」の中国の聖人がルーツ
聖人君子についての2つ目は、中国の儒教における聖人がルーツということです。聖人というと、キリスト教のイメージが強いかもしれませんが、中国でも古くから聖人という概念がありました。紀元前500年前後の人物で、儒学の祖とされる孔子も、聖人として位置づけられています。
ちなみに、儒教における聖人は「偉大・崇高・高貴」の三つを備えた、完全な人物のことを言います。また、君子は、儒教において聖人に次ぐ者だとされています。
聖人君子とは③堅物という意味で皮肉として使われることも
聖人君子についての3つ目は、良い意味ではなく、堅物という意味で皮肉として使われるケースもあるということです。聖人のように完全すぎると、融通が利かない人物として捉えられるため、皮肉として使われるのだと考えられています。堅物を褒めているのか、皮肉なのか、前後の文脈で判断するようにしましょう。
聖人君子の対義語①小人閑居
聖人君子の対義語の1つ目は、「小人閑居(しょうじんかんきょ)」です。こちらは、「聖人」の対義語で、「凡庸・下劣・下賤」の三つを備えた人物を指す「小人」と、することなく暇であるという意味の「閑居」という言葉を組み合わせた四文字熟語です。
簡単にいうと、学も徳もなく、何もしない人物のことを指していう言葉となっています。褒め言葉としての聖人君子とは、まさに逆の意味となっていますね。
聖人君子の対義語②蕩児愚人
聖人君子の対義語の2つ目は、「蕩児愚人(とうじぐじん)」です。「蕩児」は、身持ちのよくない者や、本業を忘れて酒色にふける者という意味があります。つまり、日頃の行いが悪い人ですね。また、「愚人」は、知恵や思慮が足りない愚かな人という意味を持ちます。行いが悪い、愚かな人を指していう対義語です。
聖人君子の類語①名僧知識
聖人君子の類語の1つ目は、「名僧知識(めいそうちしき)」です。「名僧」は、仏教の名高い僧侶を意味します。「知識」は、一般的な意味のものではなく、仏教の悟りのことを指しています。つまり、悟りを得た名高い僧侶のことを意味する類語なんですね。聖人が儒教の最高峰なら、名僧知識は仏教の最高峰ですね。
聖人君子の類語②品行方正
聖人君子の類語の2つ目は、「品行方正(ひんこうほうせい)」です。「品行」は、人のふだんの行いを意味します。「方正」は、人の行いや心の持ち方が正しいことです。日頃の行いや人格が立派な人を指す類語ですね。異なる点は、学識については触れていないことです。
聖人君子の使い方
使い方①褒め言葉として使う
使い方の1つ目は、褒め言葉として使うものです。優れた人格と学識を持っている人を指していう言葉ですが、褒め言葉として使われる場合、優れた人格に重点が置かれる傾向にあります。学識のあるなしに関係なく、人格者として評価されているのです。
例えば、「いつも穏やかな、◯◯さんのような人こそ、聖人君子というのだと思う」のような使い方が考えられます。人格的に優れるというのは大変なことなので、褒め言葉として使う相手がいるのは、素晴らしいことですね。
使い方②皮肉として使う
使い方の2つ目は、皮肉として使うものです。真面目で融通が利かないと判断した人に対して使われることが多いようです。例えば、相手によかれと思ってアドバイスをした人に、「◯◯さんって、本当に聖人君子ですよね」と返した場合は、褒め言葉ではなく皮肉ですね。
真面目すぎることや、優等生のような態度が気にいらないという意味で、皮肉として使われます。感じ方や捉え方は人それぞれですが、皮肉で言われた場合、その人との関係についてよく考えた方がよいかもしれませんね。
使い方③堅物を説得するために使う
使い方の3つ目は、堅物すぎる人や真面目すぎる人を説得するために使うものです。厳しくルールを守ろうとする人や、頑なにハメを外そうとしない人を、聖人君子と比較することで安心させようとしている可能性があります。
「聖人君子だって、そこまで厳しくしないよ」や、「聖人君子じゃないんだから、たまにはパーッと騒ぎましょうよ」のような使い方が考えられます。これなら、普通の人らしく一緒に楽しもうと、堅物相手に説得することができますね。
使い方④謙遜するために使う
使い方の4つ目は、人格や行いを褒められたときなどに、謙遜するために使うものです。この場合、「聖人君子じゃないので、そこまで人間ができていませんよ」のように、否定形を使いながら話していきます。謙虚な姿勢を保ちたいときに、ぜひ使ってみてください。
謙虚な姿勢を保つには、四文字熟語の使い方だけでなく、敬語の使い方も押さえておく必要がありますね。特に、へりくだった言い方で相手を立てる謙譲語は、いろいろと勉強になります。こちらの記事では、「聞く」に関する敬語表現がまとめられているので、チェックしてみましょう。
使い方⑤理想を否定するために使う
使い方の5つ目は、理想を否定するために使うものです。学校の教師や警察官など、信頼される職業の人を対象にすることが多い使い方です。例えば、「教師だからといって、聖人君子だとは限らない」や、「警察官とて聖人君子の集まりじゃない」のように、一般的に理想とされる姿を否定します。
使い方⑥語源のままの意味で使う
使い方の6つ目は、語源のままの意味で使うものです。ルーツを辿れば、「聖人」は、中国の儒教における最高の人格者で、学識を備えた人を指していう言葉ですね。また、「君子」は聖人に次ぐ者として捉えられています。いわば、儒教におけるツートップですね。
儒教での聖人は、周王朝の武王や儒学者の孔子などが例として挙げられます。儒教に興味のある人や、専門分野の人などは、「こちらの文献は、中国の聖人君子について記したものだ」のような使い方をしているのかもしれませんね。
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語①聖人に夢なし
慣用句・四文字熟語の1つ目は、「聖人に夢なし」です。完全な人とされる聖人は、迷いや雑念を持ちません。そのため、普通の人のように、俗世間のことに煩わされることがないと考えられています。心配することが何もないため、夢も見ないほど、安らかに眠ることができるという意味の慣用句です。
聖人には、安らかな眠りが保証されていますが、一般人だとそうもいきませんね。俗世間のいろいろな悩みを抱えて、夢をみるどころか、眠れない夜をすごすこともありそうです。こちらの記事では、眠いのに寝ることができない心理と、早く寝る方法について紹介しています。眠れない夜の対策にどうぞ。
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語②君子危うきに近寄らず
慣用句・四文字熟語の2つ目は、「君子危うきに近寄らず」です。学識があり、徳の高い人は、危険だと分かっていることには、最初から近づかないことを意味する慣用句です。学識があることから、危険を判断する能力も高いのかもしれませんね。身を守るために、常に覚えておきたい言葉です。
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語③守護聖人
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語の3つ目は、「守護聖人」です。こちらは、キリスト教における聖人のことです。守護霊と同じような意味で、職業や地域などを守護する聖人を指す四文字熟語となっています。ちなみに、有名な大天使ミカエルは、警察官の守護聖人とされています。
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語④君子豹変
聖人や君子を使った慣用句・四文字熟語の4つ目は、「君子豹変(くんしひょうへん)」です。学識があり、徳の高い人は、間違いを認めるとすぐに改めるという意味の四文字熟語です。ただし、変わり身の早い人や、無節操な人を表すために用いられることもあります。できれば、前者の意味で使われるようにしたい言葉ですね。
聖人君子の皮肉ではない使い方に挑戦してみよう
素晴らしい人を褒めるための言葉である聖人君子ですが、現在は皮肉として使われるケースが多いようです。確かに、素直に褒め言葉として使うには、聖人も君子も立派な人すぎますね。しかし、堅物を説得したり、謙遜したりするなど、褒め言葉や皮肉ではない使い方もたくさんあります。
もともとの語源のままの意味で使う機会は、ほとんどありませんが、他の使い方は可能ですね。対義語や類語などもあわせて、使い方の豊富なバリエーションに挑戦してみませんか?
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