いらっしゃいますかの電話等での使い方!敬語のおられますかは間違い?
電話対応等で使う「~様は、いらっしゃいますか?」という言葉使いですが、「いらっしゃる」は敬語なのでしょうか。また、「おられますか」との違いは何でしょうか。ビジネス敬語として正しいのはどちらなのか、ビジネスパーソンとして恥ずかしくないように勉強しましょう!
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目次
【場面別】いらっしゃいますかの使い方・例文は?
所在を尋ねる場面:(名前)様はいらっしゃいますか?
相手の所在を尋ねる場面では、「(名前)様は、いらっしゃいますか?」を使います。電話を目的の人に取り次いでもらいたいときにも使えますね。「居る」の尊敬語「いらっしゃる」を使うことで、相手に敬意を払った尋ね方になります。
お客様を招き入れる場面:こちらにいらして下さい
お客様を招き入れる場面では、「こちらにいらして下さい」を使います。会議室や応接間などにお客様を招き入れる際に、「こっちに来て」という意味になります。目上の人やお客様に対して「来る」ことをお願いするときは「いらっしゃる」と尊敬語に直しましょう。
「来る」の尊敬語として、他にも「お見えになる」があります。こちらは訪問者であるお客様が「来た」ことを自分側の人間に伝えるときに使う言葉で、「お客様がお見えになりました」と使います。お客様本人に対して「こちらにお見えになってください」と誘導するのは間違いですので気をつけましょう。
相手の予定を聞く場面:何時頃いらっしゃいますか?
相手の予定を聞く場面では、「何時頃いらっしゃいますか?」を使います。何時に「来る」のかを知りたい時、「来る」を「いらっしゃる」と尊敬語に直して聞きましょう。また、どんな方法で「来る」のか、交通手段を聞きたい場合も「お車でいらっしゃいますか?」という風に尊敬語に直しましょう。
状態を尋ねる場面:いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
状態を尋ねる場面では、「いかがお過ごしでいらっしゃいますか?」を使います。目上の人に手紙を書く・メールを打つ場合などで、冒頭で「お元気ですか?」とするよりも、「余寒まだ去りやらぬこの頃ですが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?」とした方が丁寧です。また、久しぶりに会う相手への挨拶などでも使えます。
「ご無沙汰しております。いかがお過ごしでいらっしゃいましたか?」という使い方ですね。どちらも相手への敬意を感じる丁寧な言葉ではありますが、口頭ではかしこまった印象が強いのでフォーマル向けの表現として使いましょう。親しい間柄や同僚間では気取っている感じに捉えられることもあります。
手紙やメールにおいて、書き出し文を迷うことはありませんか?用事を伝えるだけの文では味気なく、場合によっては失礼なことになりかねません。こちらの記事で社内メールの書き出しと返信の書き方についてまとめられていますので、円滑なコミュニケーションを築くためにもぜひ参考にしてくださいね。
相手を褒める場面:~がお上手でいらっしゃいますね
相手を褒める場合では、「~がお上手でいらっしゃいますね」を使います。パワーポイントを使ったミーティングが魅力的だったなら「パワーポイントがお上手でいらっしゃいますね」、言葉に説得力があったなら「お話上手でいらっしゃいますね」など応用しやすいですね。
注意する点は美化語を使う際に「お上手」の「お」を取ることです。名詞の頭に「お」や「ご」をつけた用語を美化語と言い、2つ目の例では「お話」がそれにあたります。この場合、「お話がお上手で~」とするとくどくなるので、「お話上手で~」とするのが良いでしょう。
「いらっしゃる」というのは、「来る・行く・居る」の尊敬語です。「部長が居る=部長がいらっしゃる」・「お客様が来る=お客様がいらっしゃる」など、適用される言葉の範囲が広いため、様々なビジネスシーンで活用されます。敬語の基本ですので、言葉の意味を正しく理解して使いましょう。
いらっしゃいますでしょうか・おられますかは間違い?
「いらっしゃいますでしょうか」は二重敬語
二重敬語という見解があるのが「いらっしゃいますでしょうか」です。一見、礼儀正しく丁寧な言葉使いのように思えるのですが、「ます」と「です(でしょうか)」が続いているため正しくないという意見があります。その一方で電話対応や会社の受付などでもよく耳にする表現で、違和感を感じない人もいるでしょう。
このように、時代と共に言葉は変化していくものではありますが、ビジネスマナーの厳しい職場では注意が必要です。気になるようであれば「いらっしゃいますか」という聞き方にするのが良いでしょう。
文法的に正しいのは「いらっしゃる」
文法的に正しいのは「いらっしゃる」です。敬語には尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類があり、「いる(居る)」の尊敬語は「いらっしゃる」です。尊敬語というのは相手の所有物や動作、状態を高める表現となり、相手への敬意を表すことになります。
そのため、目上の人に対して所在や状態を確認する際には「部長はこちらにいらっしゃいますか?」・「部長は経理部に所属されていらっしゃいますか?」などと敬意を払った言葉使いをするようにしましょう。
地域によっては「おられますか」も間違いではない
地域によって敬語であるかの認識が異なるのが「おられますか」です。主に関東地方では「おる」は謙譲語という認識で、これに尊敬語の助動詞「られる」をつけるのは間違いだとして不快に感じる人もいるようです。しかし、関西地方では「おる」を一般動詞として認識することが多く、その場合には何の問題もない語法なのです。
そのため「おられる」は、「いる」よりも丁寧で、「いらっしゃる」よりもあらたまっていないという位置づけで使用されることが多いのです。「おる」に「ます」をつけた「おられますか」も同様に、関西圏では敬語と認識されることが多いのでしょう。
文法的に「おります」は謙譲語
文法的に「おります」は謙譲語です。上記で述べたように地域や年齢層によっても認識が異なりますが、文法として「おる」は謙譲語で自分や自分側の人物がへりくだる時に使う言葉です。どうしても「おられますか」と言いたい場合は、自分側の上司に対してだけ使うようにしましょう。
「おられますか」は、「おる」に尊敬語の助動詞「られる」を付けることで丁寧な言葉にはなりますが、身内に対してだけ使えるという認識を忘れないことです。そのため、他社へ訪問した際に担当者の所在を「おられますか」と尋ねるのはやめた方が良いでしょう。「いらっしゃいますか」とするのが無難です。
「部長が早急に対処するようにと言っていた」という文を、「部長が早急に対処するようにとおっしゃっていらっしゃった。」というと、何だか仰々しく聞こえます。これは「言う=おっしゃる」と、「いる=いらっしゃる」という風に、尊敬語が続いたことによります。そのため、この場合は「部長が早急に対処するようにとおっしゃっておられた。」とするのが良いでしょう。「いらっしゃる」を「おられる」という丁寧語にすることで仰々しさを抑えることができるのです。このように「尊敬語」が続く場合、くどくなりすぎるのを防ぐために「おられます」と直すのは良い例です。
いらっしゃいますかを英語にすると?
英語では「IsMr./Ms.(名前)available?」
いらっしゃいますかを英語にすると「Is Mr./Ms.(名前) available?」です。「available」は「可能」という意味で、ビジネスでは良く使う言葉です。人に対しては「手が空いている」・「時間がある」という風になるので、「(名前)さんと、今お話できますか?」というニュアンスになります。
英語では「MayIspeak/talktoMr./Ms.(名前)?」
いらっしゃいますかを英語にすると「May I speak/talk to Mr./Ms.(名前)?」です。「speak」と「talk」は両方とも「話す」という意味で、どちらを使っても構いません。ただ、「speak」の方がややフォーマルな印象がするので、日常会話では「talk」の方が良く使われます。
また、「talk to~」は何か話したいことや伝えたいことがあるというニュアンスが含まれるため、一方的に用事を伝えたいという時に使います。お互いに話し合いたいというニュアンスを含めたいなら「talk with~」に変えて下さいね。
ビジネスシーンでは、何か確認したいことが出てきた場合に「そのまま待っててほしいな」と思うことがありますよね。そんな時は「Would you hold on a second,please?」と言うのが丁寧な対応です。日本語に直訳すれば「少しの間(受話器を)持っていてくれませんか?」となり意味がわかりませんが、これは電話で「そのままお待ちください」の決まり文句のようなものです。そのまま覚えましょう。長くて覚えにくいなら「Hold on,please.」でも大丈夫です。いきなり電話口から英語で話しかけられ驚いたときも、「Hold on,please.」だけは言えるようにしておきましょう。
いらっしゃいますか以外も!電話対応で気を付けたい敬語は?
電話対応で気を付けたい敬語①(名前)部長でございますね
電話対応で気を付けたい敬語1つ目は、「(名前)部長でございますね」です。電話対応で新人がやってしまいがちなのが自分の上司に敬称を付けることです。主任・部長・課長など、普段呼んでいる敬称は社外の人に対応するときは、はずしましょう。
取り次ぎを依頼されたら「(名前)ですね。少々お待ちください。」と言いましょう。相手の上司に電話を取り次いでもらいたい場合は敬称が必要ですので、注意してくださいね。
電話対応で気を付けたい敬語②申し上げておきます
電話対応で気を付けたい敬語2つ目は、「申し上げておきます」です。電話口で伝言を頼まれたときに言ってしまいそうになりますが、正しくは「申し伝えておきます」です。「申し上げる」は尊敬語で目上の人に使う言葉ですが、社外の人に対応するときは上司に対する表現も謙譲語に直しましょう。
お客様が最も敬うべき存在だという考え方です。会話に出てくるのが例え上司であろうと、お客様の前ではへりくだって表現します。社内の人間しかいない場面で上司本人に対して話す場合は「申し上げます」としてくださいね。
電話対応で気を付けたい敬語③頂戴してもよろしいでしょうか?
電話対応で気を付けたい敬語3つ目は、「頂戴してもよろしいでしょうか?」です。電話で相手の名前や電話番号など聞き逃してしまったときの表現ですが、正しくは「お伺いしてもよろしいでしょうか?」です。「頂戴する」とは物を貰う時に使う謙譲語の表現で、相手の名前や電話番号を聞くときには使いません。
話の腰を折ることになるので、「恐れ入ります、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」と、クッション言葉を入れると更に良いですね。
電話対応で良く使うのが、クッション言葉です。何か依頼するときや断りを入れる時に丁寧に聞こえるように使う言葉で「恐れ入りますが」・「あいにくですが」・「差支えなければ」などがあります。電話対応はお互いに顔の見えない状態です。その分、シンプルな言い方はぶっきらぼうに捉えられたり、不機嫌だと誤解される原因になります。クッション言葉を使うことで優しい表現になるので、相手に気持ちよく会話してもらうためにもマスターしておきましょう。
「いらっしゃいますか」を正しく使って円満なビジネスライフを送ろう!
ビジネスパーソンにとって敬語は基本中の基本ですから、今さら人には聞けないこともあるでしょう。「いらっしゃいますか」は活用範囲が広く、様々な場面で使います。その分、敬語だと思っていたら逆に相手を下げる表現だったり、丁寧に話すあまり二重敬語になったりと間違った使い方をしないように注意が必要です。
また、言葉は使う人によって変化していくものです。自分や同世代では通じる表現が、世代によっては失礼だと捉えられることがあることを覚えておきましょう。「いらっしゃいますか」の使い方を正しく理解して、円満なビジネスライフを送りましょう!
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