「持っていく」の敬語とは?尊敬語・謙譲語・丁寧語のビジネス例文
「持っていく」を敬語で言う時、困った経験はありませんか?敬語には尊敬語・丁寧語・謙譲語があり、慣れていない人には使い分けが大変です。今回は「持っていく」の敬語である「お持ちします」「持参します」などの使い方を詳しくまとめてみたので、参考にしてみてください。
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目次
「持っていく」の敬語の使い方例文3選【尊敬語】
尊敬語の「持っていく」の使い方①「お持ちくださる」
「持っていく」の尊敬語の1つ目は、「お持ちくださる」です。これは、取引先や目上の人に持っていくことをお願いする場合に使われる敬語表現です。「お手数ですが、○○をお持ちくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。」のように使われます。
ビジネスシーンにおいて、取引先の相手にはよく使われるフレーズですが、目上の方にお願いごとをするというのは極力避けたいところです。目上の方には、やむを得ない事情がある場合のみ、この敬語表現を使いましょう。
尊敬語の「持っていく」の使い方②「持っていかれる」
「持っていく」の尊敬語の2つ目は、「持っていかれる」です。これは、目上の人が何かをどこかに持っていく場合に使います。目上の人に対して、「こちらが本日持っていかれる予定の資料です。」のように使います。
尊敬語の「持っていく」の使い方③「お持ちになる」
「持っていく」の尊敬語の3つ目は、「お持ちになる」です。これは、来客や目上の方が何かを持っていく場合に、その動作を勧める場合に使われます。「よろしければ、傘をお持ちになりますか?」のように使われます。
「お持ちになる」は、相手を気遣うための敬語とも言えます。そのような敬語は他にもたくさんあるので、合わせて覚えておくと役立ちます。「『お体に気をつけて』の敬語は?体調を気遣う年賀状やメールも」という記事も、参考記事として是非見てみてください。
「持っていく」の敬語の使い方例文3選【謙譲語】
謙譲語の「持っていく」の使い方①「持参します」
「持っていく」の謙譲語の1つ目は、「持参します」です。謙譲語は、自分をへりくだるときに使う敬語で、相手の立場を高める時に使われます。例文としては、取引相手へのプレゼンや、顧客に対して、「次回見本品を持参します。」のように使われます。
「持参します」という言い回しは、少し堅苦しいような表現に思われますが、これは使う人の好みです。「持参します」と同じ意味の「持って参ります」の方が自然で使いやすいという人もいます。どちらも正解なので、自分に合った方を使いましょう。
謙譲語の「持っていく」の使い方②「お持ちします」
「持っていく」の謙譲語の2つ目は、「お持ちします」です。これは、相手のために自分が何かを持ってきたり、届けたりする場合に使います。ビジネスシーンでは、何かを持ってくるように言われた場合に「すぐにお持ちします。」のように使われています。
逆に、目上の人に何か持ってきてもらいたい場合は、「お持ちします」の形が変わり、「お持ちになっていただくことは可能でしょうか?」となります。「お持ちする」というのは、自分が行う動作についての敬語なので、相手に行動してもらう意味を含めた「お持ちになって」という敬語表現が正解となります。
謙譲語の「持っていく」の使い方③「持って参ります」
「持っていく」の謙譲語の3つ目は、「持って参ります」です。自分が目上の人に対して、何かを届ける旨を表すために使われます。かなりへりくだった表現なので、自分より立場が下の人や同期に使うべきではない敬語です。「すぐに書類を持って参ります。」のように使われます。
「持っていく」の敬語の使い方例文3選【丁寧語】
丁寧語の「持っていく」の使い方①「持っていきます」
「持っていく」の丁寧語の1つ目は、「持っていきます。」です。これは、一番聞き慣れた敬語であり、使われる頻度の多い敬語表現です。自分が何かを持っていく場合に使われる敬語表現で、意思表示のために使われます。「私が資料を持っていきます。」のように使われます。
丁寧語の「持っていく」の使い方②「お持ちします」
「持っていく」の丁寧語の2つ目は、「お持ちします」です。気づかれた方もいらっしゃると思いますが、「お持ちする」という言葉は謙譲語にあたります。丁寧語は、尊敬語や謙譲語と合わせて使われることの多い敬語表現で、語尾に「~です」「~ます」等のですます言葉がつくものは、全て丁寧語になります。
例文としては、「今から資料をお持ちします。」「本日、サンプルをお持ちしました。」のように使われます。謙譲語にしては使いやすい敬語なので、積極的に活用することをおすすめします。
丁寧語の「持っていく」の使い方③「お持ちいただきます」
「持っていく」の丁寧語の3つ目は、「お持ちいただきます」です。こちらは、尊敬語と丁寧語の混合パターンで、相手に何かを持ってきてもらいたい時に使います。「当日は、お名前の入った本人確認の証明書をお持ちいただけますでしょうか?」のように使われます。
「お持ちいただきます」は、事務的手続きの場面においてよく使われる敬語です。そういったお仕事をされている方に、合わせて見ていただきたい記事「ご覧くださいの類語・英語は?見てもらうの敬語の使い方・例文13選!」も、是非参考にしてみてください。
「持っていく」の間違った敬語や使い方の注意点は?
間違った敬語の使い方例文①「メモをご持参します」
「持っていく」の間違った敬語と使い方その1は、「ご持参します」です。敬語に慣れている方は、すぐに違和感を感じるかもしれませんが、実は比較的多く間違って使われています。「持参する」というのは謙譲語ですが、これは自分を低く表す言葉です。そこに「ご」をつけることで、自分に敬語を使っていることになります。
また、相手に対して「ご持参ください」という敬語表現も、実は間違った使い方となります。「ご持参」の部分が二重敬語となってしまっているので、間違い敬語ということになりますが、あまりにも広く使われているので、正しい敬語として定着しつつあります。周りに敬語に厳しい人がいる場合には、使わない方が無難です。
間違った敬語の使い方例文②「こちらをお持ちしてください」
「持っていく」の間違った敬語と使い方その2は、「お持ちしてください」です。「お持ちする」というのは、自分が行う動作についての敬語なので、「お持ちしてください」という敬語表現は間違いとなります。正しくは「こちらをお持ちになってください。」です。
間違った敬語の使い方例文③「書類をお持ちになりますので」
「持っていく」の間違った敬語の使い方の例文その3は、「書類をお持ちになりますので」です。「自分が書類を持ちます」という意味で使うと、自分で自分を敬うような敬語表現になってしまいますので不適切です。この場合は、「私が書類をお持ちいたします。」という表現に言い換えることで、正しい使い方となります。
また、「相手が書類を持っていることの確認」として使う場合も、伝わりづらいので不適切となります。この場合は、「〇〇様は書類をお持ちだということですので、このままお手続きいただけます。」と言い換えることで自然な敬語表現となります。
間違った敬語の使い方例文④「持って参ってください」
「持っていく」の間違った敬語の使い方の例文その4は、「持って参ってください」です。余このような使い方をする人はいないかと思いますが、ごく稀に見かける使い方です。「参る」という敬語表現は謙譲語なので、自分を低くする言葉遣いです。なので、相手に対して「参れ」という意味で使うことは失礼になります。
敬語表現には、自分を低めるか相手を高めるかの2種類しか使われませんが、「自分を高める言葉」というものも存在し、「尊大語」と呼ばれています。これらは、アニメやゲームでよく聞くことがあるかと思います。例文は、「俺様がいただく」「持って参れ」などが挙げられますが、現実で使うととても痛々しい表現です。
それ以前に、「自分を高める言葉」というのは、ビジネスシーンにおいて御法度ともいえる言葉遣いですので、使われることはまずあり得ません。とはいえ、ここまでわかりやすい例ではないにしろ、知らず知らずのうちに尊大語を使ってしまっている、ということは十分にあり得ますので、気をつけてみてください。
「持っていく」の使い方の注意点①敬語の種類を理解する
「持っていく」の使い方の注意点その1は、尊敬語・謙譲語・丁寧語をしっかり理解して使うことです。相手が何かを持っていくことを表すときは尊敬語と丁寧語を、自分が相手に何かを持っていくときは謙譲語と丁寧語を使いましょう。
「持っていく」の敬語は本当に多くの使い方があり、混乱してしまうこともあるかと思います。相手が何かを持っていくときに謙譲語を使わないようにし、逆に、相手に何かを持っていくときに尊敬語を使わないように気をつければ大丈夫です。
「持っていく」の使い方の注意点②尊敬語を先に覚える
「持っていく」の使い方の注意点その2は、最初に尊敬語から使い慣れることです。尊敬語は、相手を高める言葉ですが、仮に間違えて自分に尊敬語を使ってしまっても、新人なら笑って済まされるレベルです。
しかし、謙譲語の使い方を間違えた場合は、少し事情が変わってきます。謙譲語は、自分を低める言葉ですので、間違えて相手に使ってしまうと相手を低めてしまいます。つまり、相手を貶しているような表現になってしまうので、場面によってはトラブルにもなりかねません。謙譲語の取り扱いは十分に注意が必要です。
「持っていく」の使い方の注意点③自分が届ける場合も「お」をつける
「持っていく」の使い方の注意点その3は、「お持ちします」のように、自分の動作に「お(ご)」をつけても問題の無い言葉を把握することです。「お持ちします」は、一見すると尊大語のように思えますが、謙譲語なので使っても大丈夫です。しかし「ご持参します」は、尊大語となり、間違った使い方なので注意してください。
自分が行う動作に対して「お(ご)」をつける言葉は、「お持ちします」の他にも「お調べいたします」や「お待ちしております」など多くあります。その一つである「ご連絡差し上げます」についてまとめた記事『ご連絡差し上げます』は敬語?ご連絡申し上げる/ご連絡いたします」もありますので、合わせて見てみてください。
「持っていく」の使い方の注意点④他のビジネス敬語と合わせて覚える
「持っていく」の使い方の注意点その4は、「持っていく」の敬語の使い方を、他のビジネス敬語と合わせて覚えるようにすることです。例えば、「持参する」と合わせて使える敬語には、「いたします」「ご確認ください」「宜しくお願い申し上げます」などが挙げられます。これらだけでも、いくつか例文が思い浮かびますね。
上の敬語を組み合わせると、「持参しましたので、ご確認の程宜しくお願いいたします。」や「当日資料を持参いたしますので、ご確認の程宜しくお願い申し上げます。」など、会話の他にメールでも使える例文が完成します。ぜひ、他の敬語も一緒に覚えてみてください。
「持っていく」の敬語を使い分けられるようにしましょう
「持っていく」の敬語表現は多数存在するため、正しく使い分けることが難しいです。ですが、ビジネスシーンにおいて敬語の使い分けは、できないといけないビジネススキルの一つです。「持っていく」はもちろん、それ以外の敬語も、尊敬語・謙譲語・丁寧語をしっかり使い分けられるようになりましょう。
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