「ご連絡させていただきました」は正しい敬語?電話やメールの類語は?
「ご連絡させていただきました」という敬語表現はビジネスのシーンにおいて非常によく使われる表現になりますが、一方で似た表現に「ご連絡いたしました」という表現もあります。電話やメールにおいて、どの表現を使うのがベストなのか、またその使い方を紹介していきます。
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目次
「ご連絡させていただきました」が使うべきではない不適切な敬語の理由は?
「ご連絡させていただきました」が不適切な敬語の理由①押しつけがましい
「ご連絡させていただきました」が不適切な敬語の理由の1つ目として、押しつけがましいということが挙げられます。「連絡させていただく」という言葉は「相手に連絡してあげる」という要素がある言い回しになります。そのためたとえそれを丁寧に伝わる敬語表現に直したとしても失礼に当たるのです。
「お電話差し上げる」というような表現もあるのですが、この表現も同じ理由でNGな敬語表現であると言われています。「ご連絡させていただきました」一般的に耳慣れた敬語ではあるものの、失礼だと感じる人が少なくない表現であることは意識する必要があるでしょう。
「ご連絡させていただきました」が不適切な敬語の理由②謙譲語を含む表現
「ご連絡させていただきました」が不適切な敬語の理由の2つ目として、謙譲語を含む表現が挙げられます。「ご連絡させていただきました」には「相手にお願いされて連絡してあげる」というニュアンスが含まれており、相手に対して遜る謙譲語を使うにあたってそのようなニュアンスを込めることはできません。
そのため、「ご連絡させていただきました」が謙譲語である限り、この表現は敬語として間違った表現であることになるのです。このように「ご連絡させていただきました」は敬語として間違っており、相手に対して失礼な印象を与える言い回しなので、使わないのが賢明であると言えます。
「ご連絡させていただきました」の正しい敬語の使い方例文【メール】
メールにおける正しい敬語の使い方例文①ご連絡いたしました
「ご連絡させていただきました」のメールにおける正しい敬語の使い方例文の1つ目として「ご連絡いたしました」が挙げられます。この表現は「ご連絡させていただきました」に比べると丁寧さに欠ける表現と感じる人もいるかもしれませんが、「ご連絡させていただきました」に一番近い、正しい敬語表現になります。
明日のミーティングの件でご連絡いたしました。
メールにおける正しい敬語の使い方例文②ご連絡になります
「ご連絡させていただきました」のメールにおける正しい敬語の使い方例文の2つ目として「ご連絡になります」が挙げられます。この表現は「ご連絡いたしました」と同じくらいの頻度で使われる敬語表現であり、ビジネスのシーンでは毎日と言っても大げさではないほど使用頻度が高い言い回しになります。
来週の研修会についてのご連絡になります。
メールにおける正しい敬語の使い方例文③共有いたします
「ご連絡させていただきました」のメールにおける正しい敬語の使い方例文の3つ目として「共有いたします」が挙げられます。「共有する」という表現については「ご連絡」という表現よりも既存の情報を公開するニュアンスが強い表現です。報告の要素以外の連絡事項で使うことができる敬語表現になります。
お疲れ様です。先日行われました研修会の内容について共有いたします。
メールにおける正しい敬語の使い方例文④お伝えいたします
「ご連絡させていただきました」のメールにおける正しい敬語の使い方例文の4つ目として「お伝えいたします」が挙げられます。この表現は「ご連絡」も含む様々な事項を伝える際に使われる敬語表現になります。伝える事項が非常に漠然としており、日本語ならではの表現であると言えるでしょう。
来週実施のOJTのタイムテーブルをお伝えいたします。
「ご連絡させていただきました」の正しい敬語の使い方例文【電話】
電話における正しい敬語の使い方例文①先日お話しました件でございますが
電話における正しい敬語の使い方例文の1つ目として「先日お話しました件でございますが」が挙げられます。この表現は「ご連絡させていただきました」という言葉が示す「連絡している」という要素を具体的に表した言い回しになります。直接話をしている場合にはこの表現を使うことで話が手っ取り早く進むことでしょう。
先日お話しました件でございますが、納期が延期となりました。当初はかなりタイトなスケジュールだったため延期となり一安心しております。
電話における正しい敬語の使い方例文②ご相談の件でございますが
電話における正しい敬語の使い方例文の2つ目として「ご相談の件でございますが」が挙げられます。電話においては「先日お話しました件でございますが」と「いつどのように話を進めていた件なのか」を伝えることで「ご連絡させていただきました」の代わりの表現として使うことができ、意思疎通しやすくなります。
ご相談の件でございますが、無事ご希望の便を押さえることができました。
電話における正しい敬語の使い方例文③お伝えしていた件でございますが
電話における正しい敬語の使い方例文の3つ目として「お伝えしていた件でございますが」が挙げられます。この表現は先述した2つの表現に比べると漠然とした表現になっていますが、汎用性の高い表現であると言えます。電話でこそ力を発揮する表現です。メールだと何の件か認識がずれた時に本題に入るまで時間を要します。
お伝えしていた件でございますが、タイムテーブルが変更になりましたので追ってメールでご連絡させていただきます。
電話における正しい敬語の使い方例文④ご連絡申し上げます
電話における正しい敬語の使い方例文の4つ目として「ご連絡申し上げます」という表現が挙げられます。この表現は電話でよく使われる表現ですが、ビジネスメールでも活用できる表現になります。非常に丁寧な印象であり、相手方の心象が良くなる表現です。
新規プロジェクトの件でご連絡申し上げます。
連絡するの類語と敬語は?
「ご連絡いたしました」の類語と敬語①ご一報
連絡するの類語と敬語の1つ目として「ご一報」という表現が挙げられます。この表現は「連絡」という表現を丁寧に言い直した表現になります。また「連絡」という表現は単なる「YES/NO」から内容が思い連絡事項までを網羅していますが「ご一報」については軽い内容の連絡に限定された表現です。
「ご連絡いたしました」の類語と敬語②お知らせ
連絡するの類語と敬語の2つ目として「お知らせ」が挙げられます。「お知らせ」も「ご一報」と同じように軽いニュアンスの連絡事項を指す言葉です。「ご一報」よりも肩の力を抜いて使うことができる敬語表現であり、距離が近い人に対しては「お知らせ」を使った方がいいでしょう。
「ご連絡いたしました」の類語と敬語③申し伝え
連絡するの類語と敬語の3つ目として「申し伝え」が挙げられます。この表現はビジネスライクな表現であり、会社内や組織内での連絡を指して使う言い回しになります。この表現が使われる場合には基本的に業務連絡であり、連絡の重要度は高くなります。特に電話で使われる表現になります。
「ご連絡させていただきました」の正しい英語の使い方は?
「ご連絡させていただきました」の英語訳3選
「ご連絡いたしました」の英語訳を紹介します。「連絡する」というニュアンスを伝える動詞としては主に「inform」を使います。しかしながら「伝える」「教える」といったニュアンスが強い場合は「tell(過去形はtold)」を使います。状況に応じて動詞を使い分けるとニュアンスが細かく表現できます。
また、3つ目の例文は「情報を提供する」という日本語を英語に翻訳したものですが「ご連絡いたしました」というニュアンスで日本語に訳すことができる表現です。中学や高校の英語で習った単語の意味が拡大解釈されることが多くなっているので、その点を認識しておくと英文翻訳を手掛けやすくなることでしょう。
- ・I informed you that ~.(~についてご連絡いたしました)
- ・I told you that ~.(~についてあなたにお伝えしました)
- ・I gave you some information about ~.(~についてお伝えしました)
「ご連絡いたしました」の英語訳
「ご連絡させていただきました」の英語は状況に応じて翻訳する
「ご連絡いたしました」の英語は状況に応じて翻訳する必要があります。3つの英文翻訳の例をお伝えしていますが、これ以外の表現でも「連絡いたしました」に代わる表現は翻訳できます。例えばそれを電話で伝えた場合は「call」という動詞を使います。メールは「send」という動詞を使います。
日本語における「ご連絡」というワードが非常に幅広いものを意味しているので、英語では様々な動詞で「ご連絡」という言葉を表現することになります。慣れないうちは難しいかもしれませんが、一般的な動詞を日ごろ深く突き詰めていくことで英文翻訳の幅が広がっていきますので意識しましょう。
「ご連絡させていただきました」以外に間違った連絡する意味の敬語は?
間違った連絡する意味の敬語①ご連絡差し上げます
間違った連絡する意味の敬語の1つ目として、ご連絡差し上げますという表現が挙げられます。この表現は頼まれておらず、そちら側から連絡をするのが当たり前の状況で恩着せがましく「差し上げる」という言い回しを使っているために失礼だと感じる人が少なくない言い回しになっていますので使用は控えるようにしましょう。
何故この表現が間違っているのかは下記の「お電話差し上げる」という表現についてまとめた関連記事を見ると分かりやすいかと思います。こちらの記事と併せて読むことで、敬語表現に対してのより深い理解を可能とすることでしょう。
間違った連絡する意味の敬語②お話させていただく
間違った連絡する意味の敬語の2つ目として「お話させていただく」が挙げられます。この表現も「ご連絡させていただきました」の「ご連絡」が「お話」にすり替えられている表現であり、使用を控えた方がいい言い回しです。「させていただく」という表現は多くの場合、失礼に当たる敬語になります。
連絡する意味の敬語の使い方の注意点は?
連絡する意味の敬語の使い方の注意点①「させていただく」は使わない
連絡する意味の敬語の使い方の注意点の1つ目として「させていただく」は使わないことが挙げられます。「ご連絡させていただきました」という表現は非常に丁寧な言い回しに見えるかもしれませんが、先述したように差し出がましい印象を与えるリスクと敬語の使い方として間違っているリスクがあります。
その表現が失礼に受け取られたり、間違った日本語表現を使っているとしてビジネスパーソンとしての資質に欠けていると判断されたらせっかく相手を気遣って丁寧な言葉遣いを選んだにもかかわらず本末転倒となってしまいます。正しい敬語の使用を心がけるようにしましょう。
連絡する意味の敬語の使い方の注意点②状況に応じて表現を使い分ける
連絡する意味の敬語の使い方の注意点の2つ目として、状況に応じて表現を使い分けることが挙げられます。会話や電話、そしてメールや文書において「連絡する」の敬語表現をどのように使うか、そのバリエーションについては先述しましたがそれらを使い分けることで相手に意図と敬意が十分に伝わることでしょう。
「ご連絡いたしました」という表現にこだわらず、状況に応じて類語や言い換えの表現を使い分けることでビジネスのシーンにおいてより良いコミュニケーションが実現することでしょう。前後の文脈にも気を付けながら適切な表現を選択していくことで、より相手に意図が伝わりやすい文章になることでしょう。
ご連絡させていただきましたという敬語の使い方を見直そう!
「ご連絡させていただきました」という敬語表現は使わずに、その類語や言い換えの表現を、正しい敬語を意識しながら使った方が良さそうです。こういった間違った敬語が一般的に使われている例はあるものの、やはり日本人として正しい日本語を意識した方がお互いに気持ちのいいコミュニケーションが取れることでしょう。
「ご連絡させていただきました」という言い回しを電話等で使っていると注意されることがあるかもしれませんし逆に自分が部下に注意をするシチュエーションもあるかもしれません。そういった機会を一つ一つ大事にして日ごろから正しい日本語を意識することで、ビジネスパーソンとしてステップアップしていけることでしょう!
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