卒論の先行研究の調べ方って?上手くまとめる書き方や論文中の使い方についても!

大学生活の集大成ともいえる「卒論」ですが、書き始めたばかりの方のなかには「先行研究の調べ方がわからない」という人も多いのではないでしょうか?今回は、卒論の先行研究の調べ方・まとめ方についてご紹介していきます。卒論の書き方に不安を抱えている方はぜひご覧ください。

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【書籍・文献編】卒論の先行研究の調べ方とは?

①図書館のレファレンスサービスを利用する

図書館で本を探す人

卒論の参考となる文献や先行研究を調べる時に、最も頼りになるのが「図書館」です。公共図書館以外にも、各大学には多彩な分野に特化した図書館が存在しています。館内では文献探しに便利なサービスやデータ集の利用ができるようになっているため、卒論の書き方や調べ方に迷った時にはぜひ利用してみましょう。

特に館内で利用できる「レファレンスサービス」は、司書に書きたいテーマや欲しい先行研究・文献の内容を相談することで、おすすめの文献をセレクトしてもらえます。卒論を書き始めた方におすすめです。また、レファレンスサービスを利用することで、通常では閲覧不可になっている閉架書庫の利用ができる場合もありますよ。

②論文の取り寄せを行う

たくさんの論文がまとめられた本

大学図書館の多くは、卒論の書き方やまとめ方に迷った時の支援サービスが数多く展開されているのです。なかでも「論文の取り寄せ、借り受け」は、在籍している大学以外の学校、他府県の公共図書館が収集する先行研究や論文の閲覧ができる方法となっています。

また、図書館によって少しずつ異なりますが、論文を取り寄せる際には「コピー」または「図書」の2種類で選べることが多いうえ、特定の大学しか取り扱っていない文献の閲覧も可能です。取り寄せ先の図書館や文献の内容によっては、取り寄せに料金が発生する場合もあるため、自分の学校の図書館で調べておきましょう。

③ゼミの教授から紹介してもらう

卒論を書いている生徒達

多くの大学では、卒論を書き始める学年になった際に、研究したいテーマに合わせた「ゼミ」に所属することになる場合があります。ゼミには歴代の先輩がまとめた論文や例が収集されているため、先行研究の調べ方やまとめ方に迷った時には、ゼミの教授に先輩の卒論を見せてもらえるように頼むという方法もおすすめです。

ゼミの教授から同じテーマ・課題を扱っている先輩の卒論を見せてもらえたら、ぜひ最後の参考文献欄をチェックしてみましょう。気になる文献や先行研究などを図書館で閲覧してみることで、多彩なまとめ例を見れたり、より多角的に先行研究を比較できますよ!


④各大学の紀要から調べる

図書館の中を歩く人

多くの大学、研究所には、毎年1回「紀要」と呼ばれる本を出しています。紀要とは、その大学内で取り扱っているテーマに合わせた研究論文や卒業生がまとめた卒論などの本文や抄録が掲載されている刊行物です。各論文の参考文献欄をチェックし、自分が書きたいテーマに合った文献を見つけたら、図書館で探してみましょう。

【インターネット編】卒論の先行研究の調べ方とは?

①Web-OPACを活用する

シンプルなノートパソコン

大学図書館や各地域の公共図書館には、館内の全資料の検索ができる「Web-OPAC(オパック)」が用意されています。Web-OPACは図書館・地域ごとに用意されており、各図書館で扱う資料はもちろん、特定の地域内にある全ての図書館から必要な先行研究の有無を調べられる点が魅力的です。

内容の閲覧はできませんが、資料がある図書館や場所、貸し出し状況などの検索が素早くできるため「普段は図書館をあまり利用しない」という方にも大変便利なサイトといえます。先行研究の調べ方に困っているという方はぜひ使ってみてください。

②CiNii(サイニー)を活用する

パソコンで調べものをする人

インターネットから論文、参考文献を探す方法として代表的なものが「CiNii」です。国立情報学研究所が運営する学術論文、資料の探索サイトであり、日本国内の大学図書館の書籍や博士論文などを簡単に検索できるようになっています。

検索方法は、普通のインターネット検索方法と同様に検索欄に研究テーマやキーワードなどを記入するだけです。なかにはインターネット上で本文の閲覧が可能となっている場合もあります。先行研究を調べ方に困った時だけでなく、書き方やまとめ方の例を見たい時にもおすすめしたい方法です。


「CiNii Articles」

③J-STAGEを活用する

パソコンで資料をまとめる女性

卒論のテーマや分野によっては、大学にある文献だけでは網羅できない場合もあることでしょう。そんな時に試して欲しい方法が「J-STAGE」です。CiNiiと比較すると扱う資料数は少ないですが、かなりニッチな分野も扱っており、学術雑誌の記事や資料なども閲覧できるサイトとなっています。

各記事・資料は「どこの学術雑誌、論文の一部か」などの出典も明記されているうえ、内容の間違いや矛盾などをチェックする「査読」が行われているものも多い点も魅力的です。「卒論のテーマは決まったものの、文献の書き方やまとめ方に悩む」という時にも大変便利ですよ。

「J-STAGE」

卒論の先行研究をのまとめ方・載せ方例は?

①先行研究・文献情報は論文の最後にまとめる

たくさんの資料

卒論を書く時には、充実した内容を書くために多くの先行研究や論文を扱うため「どんな文献か、著者は誰なのか、いつチェックしたサイトなのか」をしっかり最後の「参考文献」欄でまとめておきましょう。

また、以下の例のように、Webサイトを参考にした場合はURLを、書籍の場合は巻数やページ、読み方などを記載しておくことが大切です。

    参考文献欄の書き方例

  • 【書籍の場合】加藤彰彦(2016)『貧困児童―子どもの貧困からの脱出』三省堂書店
  • 【サイトの場合】厚生労働省(2008)「全国家庭児童調査」<URLを記載> 2017年10月3日アクセス
  • 【論文の場合】戸室健作(2013)「近年における都道府県別貧困率の推移について―ワーキングプアを中心に」,『山形大学紀要』43(2)

②文を引用する時は本文中で出典を明記する

分厚い資料

卒論を書く時には「先行研究との比較をして自分なりの結論をまとめる」という書き方をする場合もあり、先行研究の文章を「引用」する人も少なくありません。

引用のなかでも、自分の論文に先行研究の文章を掲載するという使い方は「直接引用」と呼ばれています。以下の例のように引用部分、出典などを文末で明記することが必要です。また、自分が書いた文と引用部分が混ざらないように、記載する時には鍵カッコや引用記号を使って、読者にもわかりやすく表現するようにしましょう。

    直接引用の書き方例

  • 「……である」(山口,2010,p.98)と定義される。
  • 山口(2010)は、「……である」(p.98)と定義している。

③画像の引用は端に出典を明記する

本が並んだ棚

先行研究は、文章だけでなく実際の数値や研究結果を図表にしてまとめている文系も少なくありません。そこで図表を引用することで、より自分の論文や研究内容に説得力を持たせることができます。一般的な書き方としては、図の場合は下部、表を用いる時には表の上部にタイトル、説明などを記載します。

また、実際に図表を引用する際には、文章の直接引用と同様に出典を明記しておく必要があります。あくまで図表の見やすさが重要なため、例のような書き方で引用元の論文を記載しておきましょう。また、図表について論じる場合には、本文中でも簡単に説明しておくことも大切です。

    図表を引用する時の書き方例

  • “『本のタイトル』(1998)より”
  • 出典:国際連合人口部(2010)世界人口推計2010年改訂版 より

卒論で先行研究を活用する時の注意点とは?

①コピペは厳禁

パソコンを使う人

卒論は、正しい情報を用いて自分なりの考えや結論を論理的にまとめる必要があるため、他の論文や情報をそのままコピペすることは絶対にしてはいけません。論文自体の信ぴょう性が落ちてしまうだけでなく、著作権侵害に該当してしまうこともあります。

また、文章の一部を変えて記載しても、コピペチェックツールなどですぐにわかってしまうため、あくまで自分の考えをまとめることが大切です。「先行研究はあくまで参考程度」という考え方で活用するとともに、引用する際にはしっかり出典を明記するようにしましょう。

②信憑性・確立した情報がある文献を活用すること

分厚い辞書とメガネ

昨今はインターネット上に豊富な情報が掲載されていることから「参考にしたい先行研究、文献にネットの情報を使う」という方も少なくありません。しかし、ネット上の資料は基本的に「誰かがすぐに情報を書き換えられる、消去できる」という特徴があるうえ、出典が明らかにされていないものも多いのです。

ネットの情報を活用する際には、情報の出典だけでなく、そのサイトや研究資料を提供、運営している団体をチェックしておきましょう。また、アクセス時の日時やURLを記載しておくことで、読者が実際のサイトを後から確認しやすくなるためおすすめですよ。

③先行研究の感想・まとめにならないように書くこと

たくさんの情報が書かれた本

卒論はあくまで「学生自身の考察や主張をまとめるもの」であるため、先行研究に対する感想文やまとめ文になってしまってはいけません。そのため、自分だけがわかる表現、ひとりよがりな文章にならないように、文体や表現方法には十分注意するようにしましょう。

先行研究を参考に説得力のある卒論を書いてみよう!

大学生活の集大成ともいえる卒論は、様々な先行研究を参考にすることで、より説得力のある魅力的な論文が書けるようになります。「もうすぐ卒論を書き始める」「先行研究の調べ方がわからない」という方は、ぜひ今回ご紹介した調べ方や書き方の例を参考にしながら、ぜひ卒論を書いてみましょう。

先行研究を用いて卒論やレポートを書く時は、自分自身の「考察」の書き方によって、より信憑性・魅力を高められます。そこで関連記事では、卒論やレポートにおける考察の書き方・例文についてまとめた記事を掲載しています。卒論やレポートの書き方にお悩みの方は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

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