基本給15万円は低い?安い給料・給与・月給の生活費の内訳とは?

就職・転職を考えているとき、給与の額も重要な判断基準になりますが、気になっている会社が「基本給15万円」だとしたら、それは低いのでしょうか? 基本給とは何か、給与と給料の違い、手取り額の算出方法、基本給15万円の生活水準、基本給が安い場合のメリット・デメリットなど、気になる方はぜひご覧ください。

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そもそも基本給とは?

基本給とは手当等を除いた「基本賃金」のこと

給料

月々に支給される給与には、残業手当や通勤手当、家族手当などの各種手当や、業績によって支給される歩合給などが含まれています。そのうち、各種手当や歩合給を除いた基本となる賃金のことを「基本給」といいます。基本給は、年齢・能力・学歴・勤続年数などを基準に定められています。

給与は「基準内賃金」と「基準外賃金」に分けられる

通勤

各種手当などを含めて受け取る総支給額を「給与」といいますが、給与は「基準内賃金」と「基準外賃金」に分けられます。「基準内賃金」は基本給に加えて、役職手当など固定された手当を指しており、「所定内給与」ともいわれます。一方「基準外賃金」は、通勤手当や、時間外労働手当など月によって変動する手当のことです。

基本給と月給・給料の違い

働く

月給とは、変動する手当である「基準外賃金」を含まない、所定労働時間に対して毎月支払われる「基準内賃金」のことをいいます。つまり「基本給+固定された手当=基準内賃金=月給」ということになります。また、「給料」は基本給のことを指しています。

基本給15万円は低い?

15万円の給料は20代前半ならそんなに低いわけではない

統計

基本給15万円は20代前半の初任給の平均額くらいと言われています。まだ20代前半であるのなら、決して低いわけではないといえますが、年齢が上がるにつれて平均基本給額も高くなっていきます。全年齢の中でみると15万円の給料は低いといえます。

15万円の給料は初任給で低いとはいえない

お金

初任給の基本給は約13万円~19万円と推測されています。15万円の給料は初任給では高いともいえませんが、決して低いともいえない金額です。

大卒など各学歴別の初任給

初任給

それでは、基本給15万円はどのくらいの水準にあたるのか、大卒など各学歴別の初任給と、年代別の給与データを参考に比較しながらみていきましょう。

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、学歴別にみた男女計の初任給は以下の結果となっています。


平成30年賃金構造基本統計調査(初任給/厚生労働省)

大学院修士課程修了 238,700 円
大卒 206,700 円
高専・短大卒 181,400 円
高校卒 165,100 円

初任給から基本給を推測する

計算機

初任給とは、基本給に固定された手当を加えた所定内給与(基準内賃金)額のことです。厚生労働省「基本給8-1所定内給与に占める基本給の割合」によると、所定内給与に占める基本給の割合はだいたい80%前後ですから、上記の初任給額を8掛けすると、あくまで目安ですが基本給額が推測できます。

初任給から推測される基本給額

大学院修士課程修了 190,960 円
大卒 165,360 円
高専・短大卒 145,120 円
高校卒 132,080 円

年代別の給与

年代別

以下の表は、平成30年の年代別所定内給与の平均額です。また、右列に初任給の例と同様の計算方法で基本給額の推測を記します。

年代別所定内給与【男女計】(平成30年/厚生労働省)

年代(歳) 所定内給与額 推定基本給額
20~24 209,500円 167,600円
25~29 238,700円 190,960円
30~34 266,400円 213,120円
35~39 289,400円 231,520円
40~44 311,400円 249,120円
45~49 331,800円 265,440円
50~54 348,300円 278,640円
55~59 343,000円 274,400円

以上の計算結果を参考に考えてみると、基本給15万円は、20代前半では平均より少し低いですが、ほぼ平均に近い金額だといえます。しかし、20代後半以降からは徐々に推定基本給が上がっていく傾向をふまえると、やはり15万円の給料は低いと言えそうです。

基本給15万円で一人暮らしはできる?

安い生活費に抑えれば一人暮らしをすることは可能

女性

以上のシミュレーションから、安い生活費に抑えれば、基本給15万円で一人暮らしはできるということが分かりました。このシミュレーションでは、各種手当やボーナスを含めていないので、これらが支給される場合は、もっと余裕のあるプランを立てられます。

基本給15万円の手取り額

手取り

給与は基本給(給料)と各種手当を合わせたものですが、手当が何も付かなければ、基本給だけが給与となります。そして、基本給から社会保険料や税金などを引かれた金額が、実際の手取り額です。例えば、東京都世田谷区に住んでいる場合、基本給15万円の社会保険料と税金の内訳は以下になります。

    東京都世田谷区に住んでいる場合の社会保険料と税金内訳

  • 健康保険料:7,425円
  • 厚生年金保険料:13,725円
  • 所得税:1,858円(年間22,300円)
  • 都区民税:4,333円(年間52,000円)

以上の社会保険料と税金などの合計が27,341円となり、実際の手取り額は「150,000円-27,341円=122,659円」となります。この手取り額を元に、基本給15万円で一人暮らしをする場合の生活費内訳をシミュレーションしてみたいと思います。

基本給15万円の手取り額からみる生活費


基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳①家賃

家賃

家賃の目安としてよくいわれるのは「月収の3分の1」の金額です。 この金額を超えてしまうと、家計を圧迫するといわれています。 そうすると、手取り額122,659円の3分の1は「40,886円」となります。 住む場所によって安いかどうかは変わってきますが、だいたいこの金額を目安にすると良いでしょう。

基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳②水道・光熱費

電気

総務省統計局による家計調査年報(単身世帯/2018年10-12月)によると、単身世帯の水道・光熱費の月額は10,393円です。各項目の内訳は以下の通りです。

総務省統計局による家計調査年報(単身世帯/2018年10-12月)

電気 4,828円
ガス 2,449円
水道 2,087円
その他光熱(灯油など) 1,029円

基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳③通信費

スマホ

通信費の内訳はスマートフォンやインターネット接続料などになります。 スマートフォンの場合は、大手キャリアと契約するか、格安SIMを使うかで料金が異なります。

通信費の内訳

大手キャリアの場合 月額7,000~9,500円ほど
格安SIM の場合 月額2,300~4,600円ほど

料金の幅は、各種プランによる違いや、端末料金が含まれているかなどの条件によって変わってきます。インターネット接続料は、統計によると単身世帯で月額1,271円です。料金が安い格安SIMを選択すると、通信費の合計は約5,000円になります。

基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳④食費

食事

統計によると、単身世帯のひと月あたりの食費は47,034円です。 節約を心がけると、30,000~40,000円の安い金額に抑えることも可能です。 その場合、自炊が基本となります。 食費は無理に節約しすぎると体調を崩す原因にもなりますので、あまり切り詰めすぎないようにしましょう。

基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳⑤日用品

日用品

日用品とは、生活していくために必要な物のことで、衛生用品や洗剤、掃除用品、化粧品などがそれにあたります。 統計による単身者の各項目の月額は以下の通りです。

日用品内訳

家事雑貨(食器、タオルなど) 1,104円
家事用消耗品(ティッシュ・トイレットペーパー、洗剤、ラップなど) 1,172円
石けん類・化粧品 2,410円
合計 4,686円

基本給15万円の手取り額からみる生活費内訳⑥交際費・諸経費


趣味

これまでの項目で出した予算を合計すると、約108,000円になります。 これらは生活していくために最低限必要な項目なので、手取り額から108,000円を引いた残額が交際費・諸経費に当てられます。

交際費・諸経費内訳

交際費・諸経費 14,659円 (手取り額122,659円-108,000円)

上の計算から、交際費・諸経費に使える金額は約15,000円です。この中で、交際費、医療費、趣味・娯楽費、貯蓄などをやりくりします。

基本給が15万円の会社に勤めるメリット・デメリットは?

基本給15万円の会社に勤めるメリット|勤める人によって異なる

メリット

基本給15万円の会社に勤めるメリットは勤める人によって異なります。会社により規則や基準に違いがあるため、自分に合っていると思える会社であればメリットはあると言えるでしょう。

「基本給15万円の会社は○○な所」という基準はないからです。仕事が忙しくないのかといえば、基本給に関係なく忙しい会社はたくさんあります。また、基本給が低い分だけ手当がたくさん支給されるのでは?と考えるかもしれませんが、そうとも限らない場合もあります。

基本給15万円の会社に勤めるデメリット①ボーナス・退職金が安い

ボーナス

ボーナスや退職金の算出方法は会社によって異なりますが、一般的には基本給を元に計算されています。基本給が低い会社は手当で給与を補填しているケースが多いのですが、総支給額が15万円を超えていても、ボーナスや退職金は基本給をベースにしているので、そんなに高くならないということが起こります。

基本給15万円の会社に勤めるデメリット②残業代が安い

残業

残業代は、給与からボーナスや通勤手当などを引いた金額を1ヶ月の所定労働時間数で割った「1時間当たりの賃金額」を元に算出されています。「1時間当たりの賃金額」は基本給に一部手当を含んだものになりますので、基本給が低いとその分残業代も安い金額となってしまいます。

基本給15万円の会社に勤めるデメリット③給与が低い可能性がある

下がる

基本給が低い会社は手当で補填している所が多いのですが、手当は急に無くなることがあります。 例えば、皆勤手当の場合、1日でも欠勤してしまえば手当は支給されなくなります。 また、会社の都合で手当そのものが無くなることもあり得ます。 そうすると、手当で補填していた分が無くなり、給与が低くなってしまいます。

新社会人におすすめの書籍は?

新社会人におすすめの書籍①入社1年目ビジネスマナーの教科書

ビジネス

一般的なビジネスマナーに加えて、話し方、ファッション、冠婚葬祭の基礎知識など、社会人として求められるマナー全般を身につけるための情報が網羅されています。イラストや図表も多く、読みやすくまとめてあります。

新社会人におすすめの書籍②仕事に追われない仕事術マニャーナの法則完全版

仕事術

仕事を効率よく進めていくためには、時間を管理し、有効活用することが求められます。2007年に刊行され大きな反響を呼んだ『マニャーナの法則』を改訂した本書は、そのためのタイムマネジメント術について書かれています。仕事を効率化し、「本当の仕事」をする時間を生み出すために、ぜひ読みたい一冊です。

新社会人におすすめの書籍③ストレスを操るメンタル強化術

ストレス

メンタリストとして有名なDaiGoさんの著書です。社会に出て働くと、どうしてもストレスを感じることが増えていきます。そんな中で、ストレスをどう解消し、メンタルを鍛えていくかが重要になります。本書では、メンタルを強化するための具体的なメソッドが記されています。

新社会人におすすめの書籍④習慣が10割

習慣

社会人になれば、早起きなどの生活習慣から貯金や健康管理まで、様々な新しい習慣を身につけなければならないでしょう。どうすれば習慣化されるのか、その具体的なポイントを記した本です。

新社会人におすすめの書籍⑤働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」

働く

京セラの創業者であり、あまりにも有名な経営者である稲森和夫氏の書籍です。なぜ働くのか、働くことは何をもたらすのか。その問いに真正面から向き合い、労働を全肯定する稲森氏の言葉は、仕事をする上での根本的な価値観を自分に問いかけるきっかけとなるでしょう。

基本給15万円が低いかは様々な条件から判断する

お金

一般的に基本給15万円は低いといえますが、自分のライフスタイルや価値観に照らし合わせて納得できるか否か、そして、最終的には仕事内容や勤務時間、勤続年数などをトータルに考えて判断する必要があるでしょう。

基本給が一万円上がるとどう変わるのか、基本給16万円の生活についての記事がありますので、こちらの記事も併せてご覧ください。

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