消費税の基準期間とは?2年前の課税売上高で納税義務を判断

課税事業者の判定に使われる基準期間は個人事業主、法人かによって異なります。特に法人は基準期間が分かりにくいため、ここでしっかりと確認しておきましょう。今回は、消費税の基準期間と納税義務が発生する条件について解説します。

消費税の基準期間とは

課税事業者は、基準期間と特定期間での判定が一般的です。まずは、基準期間について解説します。

納税義務を判定する期間

課税事業者の判定は、決まった期間内で行うことになっており、そのひとつが基準期間と呼ばれる期間です。基準期間は個人事業主、法人によって定義されている期間が異なることに注意しましょう。 基準期間の条件だけをみて、納税義務がないと判断してしまうのは危険です。特定期間での条件、また例外をしっかりと把握しておきましょう。

個人は前々年

個人事業主の基準期間は前々年と定められています。例えば、当年が2015年である場合、課税事業者の判定に使われる基準期間はその2年前の2013年です。2013年の1月1日から12月31日までの1年間の課税売上高が対象になります。
基本的に設立してから2年は納税義務がありません。例外を確認し、本当に納税義務がないのか確認してみましょう。

法人は前々事業年度

法人の基準期間は前々事業年度です。つまり、当期の2期前の課税売上高が課税事業者の判定の対象となります。個人事業主の基準期間よりもややこしく、事業年度を変更した場合は基準期間が1年に満たない可能性があるのです。 基準期間が1年に満たない場合の条件もあるため、チェックしましょう。

基準期間の課税売上高1,000万円以下は免税

基準期間の課税売上高の金額で課税事業者の判定を行います。課税売上高が1,000万円以下である場合は、基本的に免税です。 基準期間の課税売上高が1,000万円を超過する場合、その法人または個人事業主は課税事業者と判定される、ということになります。つまり、基準期間は2期前あるいは2年前のため、設立したばかりの法人や、個人事業主は基準期間が存在しないケースがあるのです。 上記の課税事業者となる条件を見てみると、基準期間内の課税売上高であるため、設立してから2年間は消費税が免税されることになります。

決算期変更で基準期間1年未満の場合

基準期間が1年未満の場合、どうなるのか解説します。

基準期間が1年未満の場合の規定

2年前(あるいは2期前)の基準期間の課税売上高が1,000万円以下であれば必ず免税となるわけではありません。免税となるのは、基準期間が1年あり尚且つ課税売上高が1,000万円以下である場合になります。 基準期間が1年に満たない場合は、1年分(12カ月)に換算する必要があるのです。

基準期間が1年未満の場合は按分

按分とは、「振り分け・割り振り」という意味です。つまり、この場合、1年未満の事業で発生した課税売上高を12個(カ月)に割り振ります。
簡単な理屈を説明すると、基準期間に該当する期間の課税売上高をすべて足し合わせ、平均金額を出し、それを均等に12カ月に割り振る、ということです。按分した結果、12カ月の課税売上高が1,000万円を超過する場合は、課税事業者となります。

基準期間が1年未満の場合の計算例

例えば、基準期間が5カ月でその間の課税売上高が500万円だとしましょう。まずは、1カ月あたりにいくらの課税売上高が出ているのかを計算します。 計算すると(500万円÷5カ月=100万円)1カ月当たり100万円の課税売上高があるとわかるのです。これを12カ月換算にすると(100万円×12カ月=1200万円)、1200万円になることがわかります。 12カ月換算にすると課税売上高は1,000万円を超えることになり、課税事業者と判定されます。

開業2年未満で課税事業者になる場合

上述したように、基本的に開業してから2年までの間は免税です。しかし、場合によっては納税義務が発生する可能性があるため、条件を確認しておきましょう。

特定期間の課税売上高1,000万円超

基準期間と同様、特定期間も個人事業主、法人でその定義されている期間が異なります。個人事業主は前年の1月1日から6月30日まで、法人は前事業年度の前半6カ月が特定期間です。 この期間での課税売上高が1,000万円を超過していると、課税事業者と判定されます。特定期間は基準期間とは異なり、1年前(前事業年度)の課税売上高で判定する点に注意しましょう。

資本金1,000万円以上の法人

会社を設立するには資本金が必要です。その資本金が1,000万円以上であると、基準期間、特定期間にかかわらず課税事業者と判定されます。 増資を行った場合について触れておきます。1期目で増資を行った結果、資本金が1,000万円以上になった場合、その事業年度の納税義務はありません。ただし、2期目になった時点ではすでに資本金が1,000万円以上のため、納税義務が発生します。

特定新規設立法人

設立したばかりで基準期間が存在しない法人の中には「特定新規設立法人」に該当する場合があります。その場合、納税義務が発生することに注意しましょう。 特定新規設立法人の条件は2つです。ひとつは、設立時に第三者がその会社の株式を間接的あるいは直接的に50%以上保有した場合、もうひとつは、その第三者と第三者と特殊な関係にある法人の基準期間の課税売上高が5億円を超える場合です。

まとめ

個人事業主の基準期間は2年前、法人は前々事業年度です。単純に「2年前」とだけ覚えてしまうと、法人の場合は勘違いしてしまう可能性があります。また、課税事業者の判定は基準期間だけでなく、特定期間でも行われることに注意しましょう。

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