雌雄を決するの意味と読み方とは?語源や由来と類語や英語表現も
「雌雄を決する」という言葉は、聞いたことがありますか。意味だけでなく、読み方も難しそうな言葉ですね。語源や由来を調べてみると、いろいろなことが分かってきますよ。類語や英語表現などと一緒に、まとめて詳しくなってみましょう。
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目次
雌雄を決するの意味とは?読み方は?
雌雄を決するの意味と読み方①戦って勝敗をきめること
雌雄を決するの意味と読み方の1つ目は、「雌雄」は「しゆう」と読み、戦って勝敗をきめることを意味する表現となります。「雌」と「雄」のどちらに該当するのかを、ハッキリさせようというのですね。
「雌」は「めす」という読み方にもなり、動物の女性にあたる方という意味のほかに、「弱いもの」も意味します。「雄」は「おす」という読み方にもなり、動物の男性にあたる方という意味のほかに、「強いもの」という意味にもなります。つまり、戦って負けたものを「雌」、勝ったものを「雄」として判断しているのです。
物事の勝敗にまつわる表現は、この他にもたくさんあります。こちらの記事では、「勝てば官軍」ということわざの意味などをまとめているので、気になる方はぜひご覧ください。
雌雄を決するの意味と読み方②戦って優劣をきめること
雌雄を決するの意味と読み方の2つ目は、戦って優劣をきめることでもあるということです。「雌雄(しゆう)」という読み方をする場合、とくに「雄」には「優れているもの」という意味も含まれます。そのため、どちらが優れていてどちらが劣っているのか、ハッキリさせようという意味にもなります。
雌雄を決するの意味と読み方③戦ってけりをつけること
雌雄を決するの意味と読み方の3つ目は、戦ってけりをつけることを意味する表現でもあることです。「雌雄(しゆう)」という読み方をされる場合、とくに長年の因縁や、複雑にこじれてしまった出来事に対して、けりをつけるという意味で使われることが多い言葉となっています。
雌雄を決するの語源や由来は?
雌雄を決するの語源や由来①中国の歴史書が由来
雌雄を決するの語源や由来の1つ目は、中国の歴史書に由来するというものです。中国の歴史家である「司馬遷(しばせん)」が、紀元前91年に完成させたと言われている、『史記』という歴史書に記されたエピソードがもととなっています。
合計130巻ともなる大作で、二千年以上にわたる歴史が記されていると言われています。「雌雄を決する」のエピソードが記載されているのは、『史記』の本記・巻7、項羽本記と呼ばれているものです。
中国の歴史書の原典となった書であるだけに、『史記』は、現代まで残る多くの故事成語の宝庫となっています。例えば、こちらの記事で紹介されている「背水の陣」という表現も、『史記』が由来だとされています。気になる方は、併せてチェックしてみましょう。
雌雄を決するの語源や由来②長年の争いによって生まれた言葉が語源
雌雄を決するの語源や由来の2つ目は、長年の争いによって生まれた言葉が語源だということです。「項羽(こうう)と劉邦(りゅうほう)の戦い」としても知られる戦いにおいて、項羽が発した言葉だとされています。数年にわたる、長い戦いに決着をつけるために、劉邦に一騎打ちを申し込んだときのものだと伝えられています。
(司馬遷・史記-本記[関羽本記])項王、漢王に謂ひて曰く、天下匈匈たること数歳なる者は、徒だ吾が両人を以てのみ。願はくば漢王と挑戦して、雌雄を決せん。徒に天下の民の父子を苦しむること毋れ、と
引用元: ことわざ図書館
国も兵士も疲弊しきっていたので、早めに決着をつけたかったんですね。しかし、皮肉なことに劉邦から一騎打ちを断られてしまったため、決着をつけるには至りませんでした。由来となったこちらのエピソードが転じて、「雌雄を決する」には、こじれた物事に対して「けりをつける」という意味が含まれるようにもなりました。
雌雄を決するの語源や由来③差別的に感じるのは価値観の違いが原因
雌雄を決するの語源や由来の3つ目は、差別的に感じられるのは、価値観の違いが原因だということです。「雌」と「雄」が比べられることから、男女差別を連想することが多い表現だと言われています。
しかし、「項羽と劉邦の戦い」が行われたのは、紀元前206年から紀元前202年のことです。戦争に明け暮れることが多く、強い武将が権力を握る時代であったため、現代とは価値観が大きく異なりますね。戦うことができない女性が「弱いもの」とされるには、十分な時代背景だったと考えられます。
男女平等が訴えられる現代と、語源が誕生した時代では、価値観が異なるため差別的に聞こえるんですね。「雌雄を決する」がこの先も使われ続ける表現となるのか、興味深く感じられる人も多いのではないでしょうか。
雌雄を決するの使い方や例文は?
使い方や例文①勝敗をはっきりさせるときに使う
使い方や例文の1つ目は、勝敗をはっきりさせるときに使うものです。戦争が遠いものとなった現代では、スポーツやビジネスなどが、メインの戦いの場ですね。ここ一番の、大舞台となる場面で使います。スポーツであれば決勝戦、ビジネスでいえば商取引などですね。また、投票で勝ち負けが決まる、政治でも使われます。
例えば、「明日はいよいよ甲子園の雌雄を決する日だ、どちらが優勝してもおかしくはない」のような例文が考えられます。勝敗がハッキリと分かる、大勝負のときに使ってみましょう。
使い方や例文②優劣をつけるときに使う
使い方や例文の2つ目は、優劣をつけるときに使うものです。人の能力や魅力、物の品質など、優れているものを選ぶときに使われる傾向にあります。人が何らかの結果を出したときや、コンペや売上で、品物の優劣がハッキリと別れるときに使ってみると良いでしょう。
例えば、「どちらが彼女にふさわしい男か、雌雄を決することにしよう」のような例文が考えられます。この場合、選ばれた方が、男性としての魅力に優れていることになりますね。
使い方や例文③けりをつけるときに使う
使い方や例文の3つ目は、けりをつけるときに使うものです。長年のライバル関係にあるもの同士で使うことができますね。均衡しているとされる評価や実力を周囲の者に改めてもらい、ライバル関係に終止符を打つときに使ってみると良いでしょう。
例えば、「長年、市場のシェア獲得で争っていたA社とB社だったが、今回の結果で完全に雌雄が決した」のような例文が考えられます。長年の関係に終止符が打たれるのは喜ばしいですが、寂しい思いをすることもありそうですね。
雌雄を決するの類語・対義語は?
類語①決着をつける
類語の1つ目は、「決着をつける」です。勝負などを行い、勝ち負けをハッキリさせるという点で類語となりますね。また、厄介な問題をうまく処理するという意味も含むことから、「けりをつける」という点でも、同じ使い方ができる類語となっています。
類語②白黒つける
類語の2つ目は、「白黒つける」です。「しろくろ」または「こくびゃく」という読み方になります。物事の良し悪しをハッキリとさせることを意味する類語ですね。語源は、囲碁の石にあります。白と黒の石を使って勝負をすることから生まれた言葉ですが、勝敗をハッキリさせるという意味は、やや薄れている類語となります。
対義語①痛み分け
対義語の1つ目は、「痛み分け」です。相撲の勝負における判定結果の一つで、一方が怪我や病気のため、引き分けになることを意味する言葉です。転じて、争いや勝負事で、お互いに大きな損害を受けたり、痛手をこうむったりしたまま引き分けることも意味します。決着がつかないという意味で、対義語となりますね。
対義語②共倒れ
対義語の2つ目は、「共倒れ」です。お互いに争い合ったり、助け合ったりした結果、どちらも立ち行かなくなって倒れてしまうことを意味します。助け合うという意味が含まれれる点で対義語となりますし、争いの場合は、お互いに敗者となってしまう点が対義語となります。
雌雄を決するの英語と例文は?
英語と例文①対決を意味する「showdown」
英語と例文の1つ目は、「showdown」を使ったものです。英語で対決を意味する言葉で、とくに決着の場や、土壇場の勝負での対決という意味合いを含みます。例えば、「have a showdown」のような例文であれば、「対決して決着をつける」という意味の英語になります。
英語と例文②決着を意味する「decisive」
英語と例文の2つ目は、「decisive」を使ったものです。英語で決着を意味する言葉で、「fight」という単語と一緒に使うことで、戦って決着するという意味合いを含みます。例えば、「to fight a decisive battle」のような例文ですね。英語での表現もぜひ使ってみましょう。
雌雄を決すると言われた平成の大勝負は?
平成の大勝負①甲子園でのベストゲーム
平成の大勝負の1つ目は、甲子園で行われたベストゲームについてです。朝日新聞と朝日テレビが提供する「バーチャル高校野球」という無料情報サービスにおいて、投票が行われた結果、平成10年(1998年)の試合が1位にランクインしました。
80回大会の準々決勝で、横浜とPL学園が、延長17回までの戦いを繰り広げたものですね。甲子園で行われた大勝負に、多くの人が胸を熱くしたんですね。
平成の大勝負②ワールドカップ日本代表
平成の大勝負の2つ目は、ワールドカップのサッカー日本代表が行ったものです。平成30年(2018年)にロシアで開催されたものでは、初のベスト8入りを目指して、ベルギーと熱い戦いを繰り広げました。
惜敗はしたものの、各国から称賛された戦いぶりが評判となった大勝負ですね。日本中の注目を集め、サポーターの応援も、過去最高に盛り上がった試合だったと言われています。
熱い大勝負に触発されて、スポーツを始めてみたくなった方は、こちらの記事などを参考にしてみましょう。子供や大人に人気の、おすすめの運動が、いろいろとまとめられています。
女性だって雌雄を決する
戦って勝敗を決めるという意味の、「雌雄を決する」は、現代ではスポーツやビジネスの世界で使用される表現ですね。もともとは、「雌」を弱いものとして捉えていたことからきた言葉ですが、男女平等が謳われる現代では、意味が逆転してしまうかもしれませんね。
とくにビジネスの世界では、男性以上に結果を出す女性も、数多く存在しています。女性だって雌雄を決する時代ですね。将来的には、「どちらが弱いものなのか」という点が、曖昧になるかもしれません。現在の女性の頑張りが、言葉の意味に影響するかもしれないので、楽しみにしていましょう。
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