お気をつけてお帰りくださいとは?丁寧な敬語や英語や中国語や韓国語も

ビジネスの場でお気をつけてお帰りくださいという場面は多いでしょう。敬語としてふさわしい表現なのか、英語ではどう表現するのか、帰ってくださいやお戻りくださいとの違い、道中お気をつけての使い方などを解説しますのでご確認ください。

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お気をつけてお帰りくださいの意味

お気をつけてお帰りくださいの意味・相手への敬意とねぎらい

敬意とねぎらい

お気をつけてお帰りくださいというフレーズは、相手への敬意とねぎらいを意味しています。帰る相手に対してこの言葉をかければ、無事に帰ることを祈る思いが伝わります。その上に、かしこまった印象も与えながら、相手をいたわれます。

これが「お気をつけて」だけの場合は、敬語表現としては誤りになります。なぜなら、「お気をつけて」は単なる「気をつけて」の丁寧表現だからです。よって、尊敬語の「お帰りください」を添えることで、敬語表現として正解になります。

ちなみに、「お帰りください」というフレーズは尊敬語ですが、これだけでは厄介払いと誤解されてしまう可能性があります。そのため、「お気をつけて」の配慮の意思表示のフレーズと共に言うことが、丁寧な印象になるため妥当でしょう。

基本的にはビジネスの場で広く使用可能な正しい敬語表現

正しい敬語表現

お気をつけてお帰りくださいという表現は、敬語として正しいため、改まった場面で広く使用できます。日常生活では特に接客やビジネスの場で、この表現は多用されますが、このままの言い方で大丈夫なのか不安に感じる人も多いでしょう。

それでも、お気をつけてお帰りくださいの表現で、敬語として問題はありません。「お気をつけて」は丁寧語で、「お帰りください」は尊敬語ですので、二重敬語になっていません。それと同時に、全体で充分に敬意を伝えることができます。

問題は、「お帰りください」を「お帰りになられてください」に言い換えることです。この場合には、「お~になる」と「れる・られる」が合わさった表現ですので、二重敬語になります。より丁寧に言いたくても、二重敬語は避けましょう。

お気をつけて帰ってくださいは要注意・お気をつけてお帰りなさいは間違い

注意事項

お気をつけてお帰りくださいの言い換えには、敬語表現として間違いのものもあります。「お気をつけて帰ってください」は、充分な敬語とはみなされない場合があります。この「お気をつけて帰ってください」ですが、同僚相手なら結構です。


しかし、「帰ってください」は「お帰りください」と違って、尊敬語ではありません。よって、「お気をつけて帰ってください」の表現を使う際には、TPOを考慮しなければならないのです。上司には、「お帰りください」が無難でしょう。

また、「お気をつけてお帰りなさい」は、敬語として完全に誤りですので、この表現はやめましょう。なぜなら、この「お帰りなさい」は命令表現もしくは帰還した相手へのあいさつだからです。「お気をつけてお帰りください」で無難です。

お気をつけてお帰りくださいの丁寧な言い換え敬語

丁寧なお気をつけてお帰りください①お気をつけてお帰りくださいませ

お帰りくださいませ

お気をつけてお帰りくださいの丁寧な言い換えの1つ目は、「お気をつけてお帰りくださいませ」です。最後に「ませ」を添えることで、さらに柔和かつ丁寧な印象になります。この「ませ」ですが、敬語の中でも女性語とされたりもします。

それでも、実際のところは、この「ませ」は男性でも特に違和感なく使用できる語尾です。「お気をつけてお帰りください」だけでは充分な敬語かどうかが不安な場合には、「お気をつけてお帰りくださいませ」という表現で大丈夫なのです。

ちなみに、この「ませ」の意味について疑問に思いませんか?実はこれは、丁寧語の「ます」の命令形です。「ます」の命令形には「ませ」の他に「まし」もありますが、こちらは劣勢になっています。日常では「ませ」を使えばよいでしょう。

丁寧なお気をつけてお帰りください②お気をつけてお帰りになってください

お帰りになってください

お気をつけてお帰りくださいの丁寧な言い換えの2つ目は、「お気をつけてお帰りになってください」です。「お帰りになってください」は、「お帰りになられてください」と違って二重敬語には当たりませんので、問題なく使える表現です。

この「お帰りになってください」は、「お帰りくださいませ」と並んで、「お気をつけてお帰りください」の敬意を高めた表現として覚えておかないともったいないでしょう。これらなら、上司やお客様の心証を悪くすることを避けられます。

詳しく解説しますと、「お帰りになる」で「帰る」の尊敬語になり、この願望を伝える表現が「お帰りになってください」なのです。基本的には、「お帰りください」は万能の表現ですが、この言い回しで完璧な敬語になり、場面を選びません。


丁寧なお気をつけてお帰りください③道中お気をつけてお帰りください

道中

お気をつけてお帰りくださいの丁寧な言い換えの3つ目は、「道中お気をつけてお帰りください」です。これは、状況に応じて最初に一言付け加えるという方法です。これの「道中お気をつけて」は、最も一般的な状況を察する表現でしょう。

「道中お気をつけて」の他にも、状況を配慮する表現はあります。これが、もしも遠方からの帰宅の場合には、「遠方からのご帰宅、お気をつけてお帰りください」と言えます。悪天候下では、「お足もとにお気をつけてお帰りください」です。

公共交通機関のトラブルが発生した場合には、「交通機関の乱れも出ていますので、お気をつけてお帰りください」です。敬語には使い分けは必要ですが、「道中お気をつけて」は汎用性が高い表現ですので、知っておくと何かと便利です。

お気をつけてお帰りくださいの使い方・例も

お気をつけてお帰りくださいの使い方と実例①上司に対して

上司

お気をつけてお帰りくださいの実際の使用例の1つ目は、ビジネスにおける上司との会話です。オフィスでも「お気をつけてお帰りください」を覚えておけば、当たり障りのない上司との会話ができますし、来訪者に対してもあいさつができます。

ここで、上司に対して「お気をつけてお帰りください」という場面を具体的に解説しますが、「今から戻る」「これから帰る」といった連絡を受けた時です。ここで、さらに自然に「お気をつけてお帰りください」を伝える言い回しは何でしょうか?

それは、「承知しました、お気をつけてお帰りください」という言い回しです。ここの「承知しました」は、「かしこまりました」「分かりました」と言い換えることも可能です。オフィスでのコミュニケーションも、これでスムーズにできます。

お気をつけてお帰りくださいの使い方と実例②お客様に対して

お客様

お気をつけてお帰りくださいの実際の使用例の2つ目は、帰宅するお客様のお見送りの場面です。接客業で、「お気をつけてお帰りください」という時の多くは、お客様が店舗やオフィスといった敷地から離れる時で、冠婚葬祭でも使えます。

お客様に対して、丁寧に「お気をつけてお帰りください」といいたい場合には、来訪への感謝の表現を添えればよいでしょう。「お忙しいところお越しいただきありがとうございました。お気をつけてお帰りください」という言い方が一例です。

同じ意味で、「本日はありがとうございました、お気をつけてお帰りください」という言い回しも可能です。ちなみに、エレベーターの前でお見送りする場合、お客様がエレベーターに乗ってボタンを押した直後に声をかけることが最適です。

お気をつけてお帰りくださいの使い方と実例③お戻りくださいの使用例

お戻りください

お気をつけてお帰りくださいの実際の使用例の3つ目は、「お帰りください」を「お戻りください」に言い換えることです。この「お戻りください」ですが、戻る場所がはっきりしている相手に対してなら言い換え可能な表現とされています。

もちろん、「お戻りください」を「お戻りになってください」と、より敬意を高めた表現に言い換えることも可能です。ビジネスでも状況次第で使用できる「お気をつけてお戻りください」も、正しい敬語として覚えておくと良いでしょう。

この「お気をつけてお戻りください」ですが、この場合も直前にTPOに応じた一言を添えた言い回しができます。また、「お帰りください」と同じく、「お戻りください」も「お気をつけて」と共に言うことが、敬語表現としては必要です。

お気をつけてお帰りくださいの英語や中国語や韓国語

お気をつけてお帰りくださいの英語表現

英語

お気をつけてお帰りくださいと英語で言う場合には、「Please take care on your way back」(プリーズ テイク ケア オン ユア ウェイ バック)と言います。TPO次第で、please無しもOKです。

帰国する相手に、英語で「道中お気をつけて」と言いたい時には、「I hope you have a safe trip back home」が最適でしょう。単純に「Please go back safely」もありです。

飛行機を利用する相手には「Have a safe flight back home」という英語が一番でしょう。英語を使う場面での「よろしくお願いします」の英語をはじめとした表現の記事も併せてご覧ください。

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お気をつけてお帰りくださいの中国語表現

中国語

お気をつけてお帰りくださいと中国語で言う場合には、「请回家时注意安全」(チン フイジア シー チューイー アンチュエン)と言います。これは帰宅する相手に対する表現で、直訳すると、「家に帰るときに安全に注意してください」です。

もう一つのお気をつけてお帰りくださいの中国語は、「路上小心」(ルウ シャン シヤオシン)です。これが、中国語の「道中お気をつけて」です。距離がやや遠い場所へ帰る相手に対して使用される表現で、お見送りの場面の中国語です。

もっとシンプルな中国語として、「请慢走」(チン マン ゾウ)という言い方もあります。ここで、「请」の文字について解説します。一見「清い」と紛らわしい漢字ですが、これは「請う」の簡体字です。英語の「please」と同義です。

お気をつけてお帰りくださいの韓国語表現

韓国語

お気をつけてお帰りくださいと韓国語で言う場合には、조심히 들어가세요(チョシミ トゥロガセヨ)と言います。韓国では、お見送りの際の敬語のあいさつとしておなじみです。最初の조심히 は、直訳で注意してという意味になります。

そして、後の들어가세요が、帰ってください・お帰りくださいという意味です。また、조심해서 가세요(チョシメソ カセヨ)とも言えます。これの直訳は、注意しながらお行きください、になります。これらの言葉を、韓国では多用します。

韓国語は、日本語と同じく敬語体系の複雑な言語です。もっとも、「お気をつけてお帰りください」といいたい場合には、以上の表現で十分ですので、丸覚えしておくと良いでしょう。「세요」は、韓国語で敬語で依頼する際に使われる表現です。

お気をつけてお帰りくださいを使いこなそう

気をつけて帰ってくださいと言いたい時には、敬語では「お気をつけてお帰りください」と言えば構いません。応用として、丁寧な言い換えや付け加えのフレーズを覚えておくことを推奨します。

また、英語はもちろん、中国語や韓国語でも「お気をつけてお帰りください」と言えるようになれば、何かと便利です。相手をいたわる言葉を、あらゆる場面で言えるようになっておきましょう。


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