コース料理の順番の意味って?名前は?フルコースをもっと楽しめるようになる豆知識!

コース料理の順番には意味があるのをご存じですか?コース料理は一皿ずつ順番に出てきますが、順番の意味や名前がわからないという方はこの記事をご覧ください。コース料理の順番の意味や名前をフレンチ中心に、イタリアン・和食についてもご紹介します。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



コース料理とは?

①フレンチ

コース

コース料理と言えば、代表的な料理はフレンチです。フルコースを楽しめる料理として有名で、欧州のテーブルマナーの発祥もフランスです。最も格式高いコース料理は、11品と品数が多くマナーも複雑と言われていますが、メインが登場するまで段階を踏んで楽しむという役割があります。

②イタリアン

料理

イタリアンにもコース料理があります。フルコースと言えばフランス料理が有名ですが、フルコースの元祖はイタリアンです。このイタリアンに対抗して、フランス料理の品数が多くなったと言われています。イタリアンの品数は少なく、序盤からメインが登場して、サラダ・チーズなどで口を改める役割をします。

③和食

懐石

和食のコース料理は、「かいせき」料理です。かいせき料理は「懐石」と「会席」の2種類あり、それぞれ意味と料理の種類や順番が違います。懐石料理は茶懐石とも言い、茶道に由来します。会席料理は祝いの席で、宴会を目的としています。

フレンチ|コース料理の順番の意味や名前

①アミューズ

スプーン

1番目のアミューズは、おもてなしという意味があります。フレンチでは「お楽しみ」という言葉の意味があり、レストランからのサービスなので料金は発生しません。空腹を和らげる役割もあり、一口サイズの料理が一般的です。

アミューズの名前は、「アミューズ・ブーシュ」や「アミューズ・グール」とも呼ばれることがあります。全てのレストランで出されるものではなく、カジュアルなレストランでは出されずに、フォーマルなレストランで出されることが多いようです。

②オードブル

前菜

2番目のオードブルの意味は、食欲を駆り立てることです。フルコースにアミューズがなく、オードブルから始まるレストランも多く、和食の前菜の役割をします。一般的に野菜が多くなりますが、ハムなどの冷製肉の場合もあります。食欲をそそるという理由から、酸味や塩味が強い刺激的なものが多いという特徴があります。

③スープ


ポタージュ

3番目のスープは、メイン料理の入り口という意味があります。ポタージュスープとコンソメスープの2つのタイプがあります。なぜスープなのかと思われるかもしれませんが、理由は手間をかけた一品をコース料理の前半にすることによって、「最高のおもてなしをします」というメッセージが込められているからです。

パンは口の中に残ったスープをリセットさせる役割をするという理由から、スープと一緒に出されることが多くなります。しかし最近では前菜と一緒に出されることもあり、パンが出たら食べて良いという考えになっています。前菜よりも前にパンが出された場合は、前菜が出されてから食べるようにしましょう。

④ポワソン

魚

4番目がポワソンな意味は、肉よりも魚の方が消化に良いという理由があります。魚介やイカ・タコを使った料理で、メインディッシュの前に出されます。ポワレ(蒸し焼き)・グリエ(網焼き)・ムニエル(小麦粉まぶしてバターで焼く)・ソテー(油で炒める)・ピカタ(卵とパルメザンチーズの衣をつけて焼く)などです。

⑤ソルベ

一口サイズ

5番目はソルベで、口の中をリセットするという意味があります。シャーベットのことを言い、油やソースの味を口から消し去り、次の料理につなぐ役割をします。満腹感を出さないという理由から、砂糖を使用せずに作られているという特徴があります。

⑥アントレ

肉

6番目がアントレな意味は、メインの肉料理でそろそろお腹いっぱいという感覚を味わせることです。牛肉・豚肉・鶏肉などが一般的で、鴨肉・鹿肉をメインにすることもあります。野菜の付け合わせは、見た目の演出をしながら、消化を助ける役割をするという組み合わせになっています。

⑦デセール

デザート

7番目のデセールという名前はお皿を撤収するという意味があり、メイン料理の後に出されます。甘い物は食事の満足感を演出し、食べた物を胃から腸へとスムーズに送り込む働きを促す役割があるという理由からです。美しく盛り付けられたデザートで、アイスクリーム・ケーキ・フルーツが一緒に出されることもあります。

⑧カフェ・プティフール

コーヒー

8番目はカフェ・プティフールです。カフェはコーヒーでリラックス効果や、脂肪の燃焼を促進する役割があります。通常の半分くらいのサイズのカップで出てくることが多く、デミタスと呼ばれています。プティフールは小さい火という意味で、大火力を使用せずに作る調理方法の小さい菓子が出ていきます。


フレンチのフルコースの順番比較表

フランス料理

上記でご紹介したコース料理の順番の意味や名前は、フォーマルの代表的なコース料理の例8品です。さらに格式が高いコース料理は11品、一般的なコース料理は7品ということも多いようです。下記に比較表を記載しましたので、参考にしてください。

フレンチのフルコースの順番比較表

コース料理の順番 格式高いコース料理(11品) 代表的なコース料理(8品) 一般的なコース料理(7品)
①アミューズ(突き出し) -
②オードブル(前菜)
③スープ
④ポワソン(魚料理)
⑤口直し
⑥アントレ(肉料理)
⑦サラダ - -
⑧チーズ - -
⑨アントルメ(甘い菓子) デセール(アントルメとフルーツが一緒に出されることが多い) デセール(アントルメとフルーツが一緒に出されることが多い)
⑩フルーツ - -
カフェ・プティプール(コーヒー・小菓子)

イタリアン|コース料理の順番の意味や名前

①ストウッツィキーノ

オリーブ

1番目のストウッツィキーノは、フレンチのアミューズにあたります。日本のイタリアンでは出されるレストランが少ないようですが、イタリアでは当たり前に出されるものです。食前酒を注文すると、一緒に出てくる突き出しで、オリーブのオイル漬け・ピクルスなどの手軽な物が多いようです。

②アンティパスト

Antipasto

2番目がアンティパストである意味は、フレンチのオードブルと同じ理由で、食欲を駆り立てることです。少ない量でも、色鮮やかな色合いが特徴で、肉(赤)・チーズ(黄)・野菜(緑)の3色を使って彩られることが多くなります。食欲をそそる理由で、塩味や酸味の強い物が出されるのが一般的です。

③プリモ・ピアット

パスタ

3番目のプリモ・ピアットの名前は、第一の皿という意味があります。少ない量でお腹がいっぱいにさせる役割があります。イタリアンはもともと、貧しい庶民料理が根底にあり、プリモ・ピアットでお腹いっぱいにして、値段の高いお肉や魚の量を減らせるという理由からが生まれました。パスタ・リゾットなどが出されます。

④セコンド・ピアット

熱々料理

4番目のセコンド・ピアットは、第二の皿という意味があります。いわゆるメインディッシュで、肉料理か魚料理になります。レストランによっては、セコンディ・ピアッティという複数のセコンド・ピアットが出されることもあります。

複数の場合は魚料理が先に出され、その後に肉料理が出されます。メインディッシュが続くため、その間にお口直しの役割としてシャーベットが出されることがあります。熱々のメニューが出されるのも、イタリアンの特徴です。


⑤コントルノ

サラダ

5番目のコントルノは、副菜という意味があります。野菜料理がメインで、サラダだけではなく、ホウレン草ソテーやジャガイモ料理なども含まれます。イタリアンのサラダは、ドレッシングがかけられた状態で提供されることがなく、オリーブオイル・塩・コショウ・ワインビネガーorバルサミコ酢を使い自分で味付けをします。

⑥ドルチェ

ティラミス

6番目のドルチェは、本来「焼き菓子」を意味します。ティラミスやパンナコッタ、季節の素材を使用したタルトなどが出されます。またフルーツやジェラートなどもドルチェに含まれますが、いわゆるケーキという物はあまり提供されません。

⑦カフェ

エスプレッソ

7番目のカフェは、コーヒーです。イタリアンのフルコース最後のコーヒーは、基本的にエスプレッソ・コーヒーが出されます。ドルチェで甘く満たされた口の中をさっぱりとさせて、苦味で酔いを醒まさせる役割があります。

    イタリアンのフルコースの順番

  1. 1ストウッツィキーノ(突き出し)
  2. 2アンティパスト(前菜)
  3. 3プリモ・ピアット(第一メイン)
  4. 4セコンド・ピアット(第二メイン)
  5. 5コントルノ(野菜料理)
  6. 6ドルチェ(デザート)
  7. 7カフェ(エスプレッソ)

和食|コース料理の順番の意味や名前

①懐石料理

刺身

懐石料理は茶道のおもてなしです。お茶をいただく前に空腹を満たし、お茶をより美味しくいただくためのコース料理です。詫び・寂びという概念のもとに、旬の素材を使いおもてなしすることを目的としています。基本的には一汁三菜で、ごく少量になっています。

椀物は懐石料理のメインで、具だくさんになっています。小吸物は一口の量で、箸を清めて口を漱ぐという意味があります。八寸は一辺が約24cm四方で、低いふちのある盆に海の物と山の物が盛り合わせられた料理のことを言います。香物まで終わると、主役の濃茶と主菓子が出され、締めに薄茶と干菓子が出されます。

    懐石料理の順番

  1. 1ご飯(一口程度)
  2. 2汁物(味噌汁)
  3. 3向付(むこうつけ・刺身orなます)
  4. 4椀物(メイン・具だくさん)
  5. 5焼物(焼き魚)
  6. 6強肴(しいざかな・ちょっとした料理)
  7. 7小吸物(一口程度)
  8. 8八寸(海の物と山の物の盛り合わせ)
  9. 9湯桶(ゆとう・おこげにお湯をかけた物)
  10. 10香物(漬物)
  11. 11濃茶・主菓子
  12. 12薄茶・干菓子

②会席料理

焼き魚

会席料理はお酒を楽しむための宴席料理です。細かい決まりは少なく、お酒を飲むことが前提となっています。焼物の後に口直しの意味で酢の物が出る事や、揚物と蒸物の順番が前後することもあります。水物は水菓子とも言い、季節の果物が出されます。

    会席料理の順番

  1. 1先付(さきづけ)・食前酒
  2. 2吸物
  3. 3向付(刺身)
  4. 4煮物
  5. 5焼物
  6. 6揚物・蒸物
  7. 7ご飯・味噌汁・香物
  8. 8水物(季節の果物)

コース料理の順番の注意点とは?

①フレンチコース料理の食前酒にビールは適さない

ビール

フレンチの食前酒の役割は、胃を刺激して食欲を増進させることです。酔うためのお酒ではないため、ビールなどは適しません。一般的な食前酒には、スパークリングワインやシャンパンなどを注文するのが良いでしょう。

②イタリアンコース料理の最後にカプチーノは選ばない

泡

イタリアンのコース料理の最後はコーヒーですが、カプチーノは選ばないようにしましょう。イタリアではカプチーノは朝食に飲むもので、午前11時以降はミルクの入ったコーヒーは一切飲みません。コース料理の最後に選ぶと、料理に対する不満があったという意味になってしまいますので気を付けましょう。

③和食のコース料理は器を手に持って食べる

小鉢

和食のコース料理は、小鉢やお椀で出される物が多くあります。フレンチやイタリアンのお皿を手に持つことはありませんが、和食の小鉢やお椀などは手に持って食べるのがマナーです。また和食を食べる時に、手を受け皿にするのはマナー違反になりますので、やらないように気を付けましょう。

コース料理の順番や意味を理解してフルコースを楽しみましょう

ワイングラス

コース料理の順番には、食欲促進や消化のことまで考えられた意味がありました。フレンチ・イタリアン・和食のどのフルコースも、空腹を満たすだけでなく、盛り付けの芸術性なども楽しめる料理です。順番の意味や名前が理解して、コース料理全てを堪能しましょう。

フルコースの順番や名前が理解できたら、フランス料理のマナーも覚えておきましょう。下記の記事で、フランス料理の服装やテーブルマナーなどが解説されていますので、レストランへ出掛ける前にチェックしましょう。

Small thumb shutterstock 316455128
フランス料理のマナー|フォークの作法やフレンチのコースの食べ方

覚えておきたいフランス料理のマナーを紹介します。フレンチレストランに訪れる際の正しい服装やテーブルマナーをしっかり把握しておきましょう。フランス料理の食べ...


商品やサービスを紹介する記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。